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11.禁断のスキル

「試しにケイン様をサーチしてブラウズしてみてはどうでしょう?」


 アイリスさんが提案した。


「そうね……ケインなら気付かれても危険はないわ。あいつのステータス見た事ないから楽しみね」


「僕は知らない人をサーチする場合は職業みたいなものから割り出すか、その人を知ってる人に協力して貰う必要があるんです。ソフィアさん、ケインさんを思い浮かべながら僕と手を繋いで貰えますか?」


「いいわ。やってみて」


 僕とソフィアさんは手を繋いだ。


「ケインさんを見つけました。ブラウズします」


 ケイン

 年齢   :48歳

 職業   :賢者

 体力   :960

 マナ   :3400

 攻撃力  :310

 魔力   :2100

 ・

 ・

 ・


「見れました。ケインさんは賢者ですね」


「ケインを鑑定出来たのね……ちょっと書き出して貰えない?」


 言われた通り僕はケインさんのステータスを紙に書き出し始めた。


「凄いわ……誰も鑑定出来なかったケインのステータスが明らかになる!」


 ソフィアさんが僕の書き出す文字に釘付けになっている。


「あいつ48歳だったの?五つもサバ読んでたのね……つまらない所で見栄を張ってたのね」


 ソフィアさんの年齢を公開したい衝動に駆られる……。


「ここからはスキルね。火・水・風魔法はコンプリート。これは当時から有名だった。今は雷と土もコンプリートしてるのね。光と闇は特殊だから、事実上属性魔法はコンプリートって事ね。さすがケインだわ……」


 さらにスキルを書き出しているとソフィアさんの目つきが険しくなった。


「透視……?透視って何?何を透視するの?冗談でしょ?あいつ透視してたの?レジスト出来てたのかしら……それともずっと見られてたの……?気持ち悪!」


 透視……確かに使える事を人に知られたくないよね……。


「スキルって本人の希望や訓練によって取得出来る物ですよね?透視する願望を抱き、訓練をしていたと言う事でしょうか……気持ち悪!」


 アイリスさんが両腕で身体を包み込みながら気持ち悪さを表現していた。


「そんな偉大な人が覗き趣味を持ってたなんて……ケインさんの前ではどうすればいいんだろう……透視されるとわかってて前には立てないよね……気持ち悪い!」


 ルーナも両腕で身体を隠す仕草をして言った。

 ごめん、ケインさん……評判だだ下がりだ……。

 取っちゃダメなスキルがある事に気付いた瞬間だった。


「とりあえず最初の目的地は王都。魔力残滓より先に透視の件を問いただす必要がある!鑑定されないのを良い事にやりたい放題覗きをしていたなんて許せない……透視をレジスト出来るローブを用意しておくからルーナさんは安心して」


「はい。ありがとうございます。レイ君、王都へ着いたら私が街を案内してあげるよ。美味しいお店いっぱい知ってるから!」


「うん、ありがとう!楽しみにしてる!」


「ケインを絞めた後は行った事のない街を巡ってルーナさんが勇者になれるよう色んな経験を積む。これもいい?」


「はい、頑張ります!」


「ルーナ、僕も一緒に頑張るから!」


「うん、一緒に頑張ろ」


 ルーナが笑顔になった。

 最高に眩しい笑顔だった。


「王都へは馬車で行きましょう。途中のハーバル村まで一日。そこで一泊してもう一日進めば王都よ。出発は明日の朝一。北門へ集合ね。各々必要と思う物を用意しておいて。私の分は私で用意するから気にしなくていいわよ」


 そこで解散となった。

 僕とルーナは一緒にルーナの装備品を買いに行く事にした。


「騎士の装備は騎士団の支給品だから着替えて返却したの。今着てる外套もギルドから借りてるの。全部買わないと……」


「ルーナは銀行口座は持ってるの?」


「うん、騎士団のお給料が振り込まれてたから。けど、よく考えたら騎士の身分証は使えなくなるから冒険者の身分証を作らないと」


「確かに。とりあえず僕が払っておくよ。後でアイリスさんに言って身分証を作ろう」


 僕たちは防具屋と武器屋さんをハシゴして鋼の鎧と鋼の剣を購入した。

 鎧はフルプレートじゃなく、所々が解放しているタイプだ。この方がよく動けて好みなんだとか。


「初めから鋼装備なんてちょっと贅沢かな……」


「全然良いと思うよ。命を預けるんだから装備品はケチったらダメだと思う」


 次は服を見に行った。

 色々僕の好みで買ったけど黙っておいた。


「服もあまり買うと荷物が増えて大変だね。最小限にしとかないと」


「ルーナ、僕魔法の鞄を持ってるんだ。無限収納だからいくらでも収納出来るよ」


ルーナが目を丸くした。


「レイ君なんでそんなすごい物持ってるの?」


「高く売れるアイテムを見つけてオークションに出したんだ。そのお金で思い切って買っちゃった。そうだ、ルーナを使用者に登録するよ」


 そう言って僕はルーナを使用者に登録した。


「荷物を収納してみて」


「わかった、やってみる……」


 ルーナは買った服を全部収納した。


「すごいね。いくらでも入っていく……」


 その後服を取り出してみた。

 ルーナが買った服に加えて僕がルーナにと思って買った服も出てきた。


「あれ……違うの出てきた……」


「あっ、それは……」


 気まずい空気が流れた。


「レイ君、服買ってくれてたの?」


「必要かなと思って……」


「かわいいね、この外套……今来てる外套はギルドに返さないといけないからこれに着替える!」


 そう言って僕が買った外套に着替えた。

 やっぱ服は買うべきじゃなかったかな……変に気を使わせちゃった……。


「お待たせ。どう?レイ君の選んでくれた服」


「うん、可愛い。実はいっぱい買ったからまた暇な時に見てみて」


「うん、そうする!旅の楽しみが一つ増えたよ」


 案外喜んでくれてるみたいだ。


「次はポーション関係をいくつか買っておきたいな。道具屋さん行かない?」


「道具屋さん……実は今ロディ達が道具屋にいるみたいなんだ。会ったら嫌な思いするの目に見えてるから今はやめとこう」


「今行こうよ。昔からレイ君の事馬鹿にしてたから私も嫌いなの。この際はっきり言ってやろうよ」


「な、何を言うの?」


「私たちパーティ組んだって。双星の聖女ソフィアさんもメンバーだし。しかもリーダーはレイ君だからね!」


 あいつらがどんな顔するか見たい気もする……。


「決まり。行くよ」


 僕は半ばルーナに引っ張られる形で道具屋に向かった。


「あっ、いたいた。ロディ君、久しぶり」


「ル、ルーナ!久しぶり……ってレイ!お前まだルーナに付き纏ってんのか!勇者とお前とじゃ釣り合わねぇんだよ!」


 ロディが僕を突き飛ばそうとした所でルーナが僕の腕にしがみついてきた。


「ロディ君、おかしな事言わないで。私、レイ君のパーティに入れてもらったの。レイ君のパーティにはあの双星の聖女ソフィアさんもいるんだよ。ここにいるレイ君の従魔も凄い子って聞いてるし。多分レイザールでは最強パーティだと思うよ」


「は……?ルーナ、何言ってんだ?ギルマスが個人のパーティに参加する訳ないだろ……それにルーナもパーティに参加したって……?騎士団は?」


「昨日辞めたの。騎士団腐ってたから。自分ではどうしようもなかったけど、レイ君とソフィアさんが助けてくれたのよ。二人は恩人。レイ君のパーティに加えてもらって明日から旅に出るの。だからロディ君、私やソフィアさんに敬意を払う気持ちがあるなら、リーダーのレイ君に失礼な事言わないで」


 三人とも目が点になっている……そりゃ衝撃だよね。

 自慢の幼馴染である勇者候補ルーナが騎士団を辞めて、一番下だと思ってた僕のパーティに加わってるんだから。


「レイ……ルーナが勇者になるのがそんなに気に入らねぇのかよ!!騎士団を辞めさせただって?ソフィアさんが許しても俺は許さねぇぞ!」


 ロディが唾を飛ばしながら発狂したように掴み掛かろうとしてきたけど、ルーナのリードで僕らは華麗に交わし、僕を掴み損ねたロディは地べたに転がった。


「悪いけどロディ君とは分かり合えない。今後は私を見かけても声かけて来ないで。私とあなた達は他人。行こ、レイ君」


「ちょ、ちょっと待ってよ。俺は何も言ってない。俺は幼馴染のままだろ?」


「俺もだよ!レイ、俺はお前に失礼な事言ってないよな?」


 ドランとバークがロディから離れて僕らに擦り寄ってきた。


「お前ら!!汚ねぇぞ!」


 ロディが起き上がりながらドランに掴みかかったが、ドランが負けじと言い返した。


「俺はずっと前からお前のそう言う態度が気に入らなかったんだ!もうお前とはパーティ解消だ!」


ドランがロディに言い放った!


「俺もドランと行く!ロディ、お前はクビだ!」


バークもロディに決別宣言をした。


「なっ!ふざけんな!俺がリーダーだ!クビになるのはお前らだ!!」


 僕たちはすでにポーションが並ぶ所まで移動してきている。

 三馬鹿は道具屋の入り口で揉み合っているがもう僕達には関係ない事。仲良く喧嘩して強く生きろ。


 僕たちはポーションを買って道具屋を出た。

 ドランとバークが追いかけてこようとしたがロディが行かせまいと阻止していた。

 ロディ、助かるよ。ありがとう。


 その後僕たちはギルドへ戻ってきた。

 掲示板にはギルマスがソフィアさんから後任のガスパーさんに変更になったと掲示されていた。


 掲示板を見ているとアイリスさんに呼ばれた。


「ルーナさんは今日どちらに泊まりますか?ギルドで貸している部屋を一日だけ貸しましょうか?」


「いえ、一日だけだしレイ君の部屋に泊まります。寝袋もあるので。ね、良いよね。レイ君」


「ダメです!部屋を用意しておきますので、その部屋に泊まって下さい。良いですね?」


 僕が反応する隙もなくアイリスさんが制止した。

 

「リンもいるので二人っきりって訳じゃないですよ……?」


ルーナが食い下がったが


「ダメです」


「……あっ、そうだ。冒険者登録をしたいんですが、お願い出来ますか?」


「確かに、ルーナさんは騎士の身分証が使えなくなりますね。すぐ登録します」


 登録はすぐに済んだ。

 口座との紐付けも問題なく行われたようだ。

 その後ギルドの食堂で食事を済ませて自分たちの部屋に戻った。


 明日から三人とリンで旅に出る。楽しみな反面すごく不安だ。僕は戦闘面で全く役に立たない……ルーナに愛想を尽かされたりしないだろうか……。


 そんな事を考えながら夜は更けていった。



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