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悪役令嬢にとりつかれました!  作者: 葉桜 笛
悪役令嬢いなくなりました!

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第78話 魔人再び現る!?

「あれだね☆

 勇者は“暗黒聖女を倒すため”にばれたから、アイエ総司令官がロザリンのことを“聖女”と認識した時点で役目が終わったんだね☆」



 妖精さんが「気にすることないよ☆」と笑顔でいった。



「そっか。須御威さんは、もとの世界に帰ったのね」


「異世界から勇者を召喚したのは初めてだった。役目を終えたら、すぐもとの世界に帰るとは知らなかったな。アイザックも国に帰って来てはどうだ?

 俺を“兄”と認めたことだしな!」



 からかうように提案するアイエ総司令官。

 アイザック先生は、面倒くさそうに「あの時は、人間に戻すためにしかたがなかった」と返事をし、アイエ総司令官に肩を組まれていた。抵抗しないということは、お兄さんと仲良くするのは嫌ではないということ!

 れ屋さん!!


 魔法学園のグラウンドが、おだやかな空気になっていく。

 その時、妖精さんが気になることを言った。

 


「いやぁ、一時はどうなることかと思ったよ☆

 ロザリーが、またアイエ総司令官に殺されるのかと、ハラハラしちゃった」






「え? ……()()?」





 ゆっくりと妖精さんの方を見る。

 妖精さんは「本当にハラハラしたぁ☆」と胸をなでおろしていた。

 私の頭の中は「まさか、まさか」と、嫌な予感でいっぱいになった。


 私がこの世界に来ることになった理由。

 それは、ロザロザがティアとのクッキー対決の時に焼き殺されたから。犯人を見つけ出して、焼き殺してくれとお願いされたから。


 黄緑色のモヤにとりつかれたヨド先生が犯人と思ったのに、違ったの!?




 “悪役令嬢ロザリー”の命を狙うのは、毎回同じ人物ではない?

 そうだわ。

 黄緑色のモヤにとりつかれた生徒会長にも殺されそうになったもの!




 とりあえずロザロザに、この話を聞かれてはまずい。

 普通の人は妖精さんの声は聞こえないけど、ロザロザとティアは〔光の妖精〕の声が聞こえる。なんてったって、ロザロザは“いにしえの光の妖精”を三人も連れている。私は「妖精さん。その話は小声で――――」とお願いしようとした。







「そういうことでしたの」







 ロザロザの静かな声が、しっかり聞こえた。

 振り向くのが怖い。



「どうりで、家庭教師が気に入らないわけですわ。

 私を殺した男と“双子の兄弟”なんですもの。

 気に入らなくて当然ですわね」



 そういえば、ロザロザはアイザック先生のことを嫌ってた。無意識のうちに、何かを感じ取っていたの?






「今こそ復讐ふくしゅうの時ですわ!!」






 ロザロザの髪が下から上になびく。

 体からエネルギーがあふれているみたいだった。

 いや、でも何かを吸収しているようにも見える。



「怒リニ流サレテハダメ」

「ロザリー、落チ着イテ」

「ルーチェノ体ガ!」



 ロザロザについている三人の〔古の光の妖精〕があわてだした。

 そして、私の側にいる妖精さんも慌てた。



「大変なんだよ!!

 ロザロザの怒りの感情が強すぎて、精霊が体にどんどん入ってる!!!!

 このままじゃ、ロザロザが【魔人】になっちゃうよ!!」


「アイエ総司令官を人間に戻したばかりなのに、今度はロザロザ!?

 人ってそんな簡単に【魔人】になるの?」


「〔勇者の魅力〕の影響で、異常に精霊が集まっていたからね。

 そのせいで、【魔人】が生まれやすいんだよ。

 ロザリンも気をつけて!!」



 勇者は一瞬で元の世界に帰ったけど、集まった精霊はまだこの辺りにいるらしい。




「殺シテヤル!!」




 ロザロザの体からエネルギーがあふれ出し、腕がムキムキに変化してきた。

 目も怖い感じになっている。

 

 妖精さんの声が聞こえない周りの生徒が数人、異常事態に気づき始めた。「うわぁ!」と言って、距離をとっていく。でも、気がつかない人がまだ多い。アイザック先生と勇者の歌の話や、兄弟のきずなの話で盛り上がっている。



「ダメよ、ロザロザ!

 このままでは【魔人】になってしまうわ!!

 あなたを殺したのは“アイエ総司令官”かもしれないけど、この世界の“アイエ総司令官”は心を入れかえたのよ!」


「デモ、アナタヲ殺ソウトシテタジャナイ。同ジヨ」




 ロザロザの声が、獣のような低いれた声になってきた。




「このままじゃ、あなたが犯罪者になっちゃう!」


「コノ怒リ、止メラレナイ!!」




 ロザロザの体が、さらに大きくムキムキになっていく!

 勇者は元の世界に帰ったし、いったいどうしたらいいの!?



 ハラハラしていると、空で待機していたゼアが急スピードで降りてきた。

 それを見て、ロザリーのお父さんが剣をかまえる。

 ロザリーのお父さんが持っているのは〔ドラゴンスレイヤー〕!!



 大変!

 ゼアが殺される!!

 とりあえず間に入るしかない!!!!



「どけ! 娘がドラゴンに殺される!!」


「ゼアはそんなことしません!!」



 そう返事をしたものの、ゼアは凄く怒った様子ようす

 ロザロザが殺されると思っても仕方がない勢いだった。

 ロザリーのお父さんが、ドラゴンスレイヤーで私をなぎ倒しにきた。

 剣の風圧が凄い!



 殺される!!



 結局、私はロザリーのお父さんに殺されるのかしら?

 いや、そんなこと考えるより、ふせぐ方法よ!!

 って、言ってもどうすればいいの?


 とりあえずドラゴンスレイヤーの下に杖を入れる。

 このまま受け流せ…………る、わけないか。

 泣きそうになりながら私は叫んだ。




〈《水よ!! 器を満たせ!!!!》〉




 杖とドラゴンスレイヤーの合わさった所の小さな空間を満たすべく、紫色の水が杖からドバッと出て〔水柱〕になった。


挿絵(By みてみん)


 何度見ても不気味だわ。

 

 毒の水が出たのかと慌てて、前のめりにちょっと態勢をくずすロザリーのお父さん。私のほうは水の重さに耐えきれず、地面に倒れこんだ。紫色の泥水で制服は汚れるし、最悪だ。


 ロザリーのお父さんは、ドラゴンスレイヤーを持ちながら、あふれ出る水柱の重さで崩れ落ちないなんて、なんて体感なの!! でも、それは想定内!

 倒れたままの体勢で、私は〔闇の魔法〕をとなえた。



〈眠れ〉



「……なっ!!」



 フラフラになり、ついには地面に手をつくロザリーのお父さん。



「……た、戦いの最中に………………なんと……卑怯な手……を!」



 ロザリーのお父さんが何かつぶやいているみたいだけど、疲れて聞こえなかった。「う、眠い」とかかな? 体勢くずしたときだから、魔法効いただろうな。


 それより、ロザロザは大丈夫かしら?

 見ると、ゼアはロザロザのもとに降り立って、人間の姿に戻っていた。ロザロザの魔人化が少し解けて、体が人間サイズに!

 ゼア、がんばって!!



「ロザリー! このままでは魔人になってしまう。

 怒りを鎮めろ!!」


「ダメ! 頭ではわかっていても、怒りを止められませんわ!!

 この世界は、わたくしが生きてた時と似ているけど、みんな少しずつ違う。あいつのせいで、大事な人たちにもう会えませんのよ!?

 あいつへの怒りと憎しみが、止ま――――――――」



 感情を爆発させるロザロザに、ゼアが突然キスをした。








「――――――他の男のことばかり考えるな」








 ゼアはそのことで怒ってたの?

 いつの間にか、グラウンドがとても静かになっていて、ボソッとしゃべるゼアの声がとてもよく聞こえた。

 生徒が、そして連合軍の人が、この場にいるみんなが二人に注目していた。




「…………どうしても憎しみがおさえられないなら、俺も【魔人】にしてくれ」




 悲しそうに言って、ゼアはロザロザを優しく抱きしめた。 

 ロザロザの目には涙が浮かんでいる。

 少しの沈黙のあと、ロザロザは優しい笑顔になった。



「そんなことできませんわ。

 あなた、ハーフドラゴンだから【魔人】にするのは無理ですもの」






「愛。愛ですわ」

「涙が止まらねえ!」

「今日だけで、こんなにも涙するとは思いませんでしたわ」

「一緒に【魔人】になる選択……愛が深すぎる」

「普段は影の薄いクラスメイトがとてもカッコよく見えますわ」






 みんなが涙した。






「いったい何があったのですか!!」




 ヨド先生!

 そして、その後ろに、見たことのある騎士団の服の人たち。校門の方から現れた彼らは宮廷魔法騎士団!?


なろうの二段階認証を登録をしてびっくり。今まで運営からのメールが届かない状態になっていたようです。メールでの投稿をしたことあったので、問題ないと思っていました。気付かぬうちに設定が変わっていたようです。確認できて良かったです。

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