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ギルドオーブ それは教会に置いて有る簡易なスキルを見るオーブと違って何となく見えていたものがそれなりに見えてくる様になる。

だけど結局、人は見たいものを見るのである。


「剣?だな!剣?だと思う?」


「何で疑問系??」


「なんか剣みたいなのが並んでるんだよなぁ。上に向かってさ!」

「後、メモリー?って浮かんでくる。意味分かんないけどさ!」


「メモ、リー?」


こてんと首を傾げながらクリスが聞き直す。


「ああ、メモリーって頭ん中に浮かんでくる」


「アレンのスキルはソウルスキルなんだな!剣に見えるのに珍しいな!」


「「ソウルスキル??」」


「スキルはたまに頭に浮かんできて強力な神聖スキルが使える様になることが有る。それから、メモリーってのは記憶?記録?だったかそんな感じだ!」

「世の中にはな、異界語って呼ばれる言葉が有るんだ、ソウルスキルって言葉も異界語だぞ」


無精髭を擦りながら何かを思い出しながら教えるバスゲイル


「有名な所だと、ずいぶん前の聖女様が初めて使ったスキルがソウルスキルでエリアヒールと言って何人も同時に怪我を治したらしい!」


「聖女様!? おぉ!なら俺も聖女様みたいに凄い事が出来るのかな??」


「さあな! 異界語って言っても、普段から使われていて実は異界語でしたってのも沢山あるしな」

「クリスが使うファイも元々は異界語だしな」


「へーそうなんですか!普通に使ってますね」


驚きを見せずにさらりと流すクリス


「で、お嬢ちゃんはどうなんだ?」


「まった、まった、結局メモリーってスキルは凄いのか??」


「分かんねーよ、俺だって全て知ってるわけじゃねー」

「自分で感じて成長していくしか無い!有名なスキルじゃ無いから尚更な!」


「そっか、、どうやったら成長するんだ?これ?」


「アレン!一緒にがんばろっ!今まで通りやって行こうよ! ねっ!」

「私は炎がハッキリと見えたから!」


「そうだな!がんばろう! まずは剣の代金 稼がないとな!」


そのままの勢いで部屋から出て行こうとする二人


「おいおい!まだ話は終わってねーよ!まだまだ冒険者のひよっ子だが、一応仮とはいえ冒険者だ![永久(とこしえ)の森]に入る許可は出してやる!西の遺跡方面はまだ駄目だけとな!」


「っ! ほんとに?! やったぁ! 肉ぅー!肉ぅー!肉が食える!!」


何故か一瞬ぴくつきながら大喜びのアレン。

このまま森に行きそうなぐらいのテンションである。


「なあクリス。

アレンは餓えてるのか?飯食ってないのか??」


「お肉は無いけど、ちゃんと食べてますよ?剣は借り物だけど、胸当てとかは買わざるを得なかったからこのところお肉は無かっただけです」


「そっそうか。無理はするなよ?


肉の事で頭いっぱいのアレンとあくまで冷静なクリスを見送りながら今度、旨い肉を食わしてやるかと考えるバスゲイルだった。


******


[永久(とこしえ)の森] フルプリンの町から一日の南に有る森といってもそこまで広くなく、永久と大袈裟に呼ばれているが脅威となる魔獣はせいぜいピーベッグぐらいで駆け出しの冒険者にはちょうどよく 野営をしながら狩りをする練習にはもってこいな場所だ。


いつから永久(とこしえ)の森と呼ばれているか誰も知らず、古くから新人冒険者の練習場所兼肉狩場所にアレンとクリスは来ていた。


「ふふん!ふん!ふふふ!ふん!じゅる!」


今にもスキップしそうなアレン 涎が垂れている。


「アレン、そんなにお肉が食べたかったの?]


「うん!すっげー食べたい!」

「それになんかワクワクするし!」


「そろそろ森も深くなるから気を付けて行こうよ」


「ん、慎重に行く。」


さっきまでとは打って変わって集中するアレン。

キョロキョロと辺りを見回すと森の奥へ向かっていく。


アレンは昔から[記憶]力が良かった。

人の顔や名前など直ぐに覚えていた。

しかも、見習い冒険者として活動する内に何かの誰かの記憶が浮かぶようになってきていたのだ。

断片的、ほんの少しでは有るが、どこかの誰かの[記憶]を見る事で、アレン自身来た事がない場所なのにポーションの原料になる薬草などの場所を直ぐに見つけたり、迷子のペットの居場所を見つけたりして普通の見習い冒険者では捌き切れないほどの依頼を片付けてこれたのだった。


今まで断片的だった[記憶]がギルドオーブで見た事によってスキルとして意識するようになり、ちょっとしたショートストーリーが見えピッグが走って行く姿を見送る、どこかの誰かの[記憶]が見えそれも数分前だとなぜか確信し後を追いかけるのだった。


追いかけること暫し、肉の焼き加減を頭の片隅で考えていると不意に強い、どこかの誰かの記憶が降ってくる。


「っ!!」


「アレン?どうしたの?」


突然降ってきた強い記憶に顔をしかめるアレン。


「いや、なんかこの先に穴が見えた」


ピッグが走り去る記憶とは違う方向を見つめる。


「穴?どんな穴なの?」


「穴と言うか、崖? まあるい崖がある」


「えーっと、この森に崖なんて有ったかな?」

「たしかそんな情報はなかったよね?聞かなかっただけかな?」


「ちょっと待って」


崖があると思われる方向を見ながら集中するアレン。


「間違いない!崖がある!」

「行ってみよう」


クリスの返事も待たずに向かうアレン。

すると突然崖が、ぽっかりと森の中に現れる。

周りを木々に囲まれ淵を植物に囲まれ唐突に口を開けたかのように見える深く切り立った崖。


崖の淵に立ちどこかを見ていたアレンが道具袋からロープを取り出す。


「こっちだ!」


少し周り込み、なんの変哲もない木にロープを結わえ崖に垂らす。


「え、アレン??」

「何してるの?」


「降りてみよう!」

「ここから行ける!」


ロープの掛かり具合を確かめながらクリスを手招きするアレン。


「えー!?アレン?そんなロープじゃ全然届かない!短いよ!?」


「大丈夫!階段がある!」


近づくとさっさとロープを降りていくアレン。

恐る恐るロープを降りるとロープの先付近で草の中に入り込む。

崖の表面を覆う植物の内側には立てる場所があり、中に降り立ち奥を見ると階段が見える。


「こんな所に階段が有るなんて!?」


「崖に立ったら、階段が有るって誰かの[記憶]が見えてさ!」

「凄い古い何かの誰かの[記憶]だと思う」


「どうするの?って聞いても行くんだよね?何かわかるの?」


「ここまでしか分かんない!だから行って何が有るのか見てみたい!」


「もー!危なそうだったら引き返すよ!先にどんどん行かないでね!」


不安に思いながら、でもちょっぴりワクワクしながらアレンの後を追いかける。


その階段の[記憶]は無い、その階段に[記憶]は無い。

着いて来ているのを確かめながら階段を降りて行く。


ギルドで永久(とこしえ)の森と聞いたときに閃いたモコモコした[記憶]を思い出し、いつしか肉の記憶は彼方へ飛んでいき、ドキドキしながら階段を降りて行くと古いけどがっちりした木製の扉が見えてくる。


幾分早足になりながら、扉の前に降り立つアレン。

クリスが追い付くのを待ちながら扉に集中する。


「急ぎ過ぎだよアレン!」

「何か有ったらどうするの!」


「大丈夫![記憶]が見えなかったから!」


ゆっくりとクリスに振り向きながら息を吐く。


「何があるのかな?」

「ドキドキするね!宝物かな!」


「うん!宝箱とかだったら凄い! 良し!行こう!!」


ゆっくりと扉を押し開け中にはいってゆく。

そこには・・・

読んで頂きありがとうございます。

これからもよろしくお願い致します。

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