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46.みんなで魔法剣

《納屋46》


 その晩は眠れなかった。

 ニーナやリーザ、他の母ちゃん連中に取り囲まれ、『嫁』『妻』『嫁』『妻』『嫁』『妻』『嫁』『妻』と詰め寄られる妄想も寝ようとしたら消えてしまい、代わりに血の気が引いた死に顔が目に浮かんだ。


 戦闘の後始末が鮮明に脳裏に浮かんで目を閉じられない。

 エリカ達を助けようとして賊を始末したり、オレを狙ってくるバカ共を始末したのは何とも思ってないのに。


 だが、昨日の連中は蜂の世話をしていただけだ。

 悪事だけども。


 連中は死ぬまでオレの存在すら知らなかった。

 悪の組織だけども。


 理屈では納得している。遭遇したら向こうから殺しに来る。近くで真新しく完全な人骨も見つけたし、悪と認定するには十分だ。ただ、あの時はまだ『オレの敵』じゃなかった。そんな連中をヤったは気分が悪すぎる。


 敵が男だけじゃなかったのがきつい。

 防護服の下から、栗色のセミロングで年下にしか見えない女子が出てきた。他の子も見た目だけなら普通の、その辺にいそうな女子だった。それを自分で木箱に乗せ、ローブと髪が燃え上がるのを見ていた。











 今頃になって手が痺れるような感触が出てきた。

 気持ち悪い。

 これ、酷くなった吐くやつだ。

 どうにもできん。理屈では納得しているだけに、これ以上何を考えても無駄だ。


「フェレーナさん、おはよう」

「酷い顔ね」

「助けて。眠れなかった。寝ようとしたら、昨日の母ちゃん連中が出てきて『嫁嫁嫁嫁嫁嫁』と詰め寄って来るんだ」


「そんなことさせないわ。大丈夫よ」

 へろっと彼女に抱き着いて頭を撫でてもらった。

 少しだけ気分がまぎれる。


 考えても無駄なことは考えない。

 無理に記憶を封印しようともしない。そんなことをすれば、たぶん手に負えなくなる。そのままで時間の経過を待てばいい。

 トラウマにはならないだろう。知らんけど。


 とりあえず今日は朝の剣術教室に出る。

 さぼりがちだったので、まだ基本の型もあまり覚えていない。


 やるのは両手剣の型だ。


 正面からの切り下ろしを、下段から前進しながら受けて敵の首を突く。

 受ける時に相手の剣を弾いてはいけない。

 刃と刃をぴたりと接触させたまま、腹に力を入れて両手首を軽く右に返しながら進めば、『ゾリンッ』と敵の刃は流れ、自分の切っ先が敵の喉を貫く。


 単純な動作だがうまくやるのは難しい。適切なタイミングや力加減がクセとして身に着くまでゆっくり正確に繰り返す。


 慣れるに従い自然と速くなる。最初から速くやろうとすると何回やっても微妙にしっくりこない感覚が抜けない。


「エドー、なんか妙によれてるぞ?」

 心の乱れは剣に現れるってか。

 ボルフの尻尾もゆっくり揺れている。


 よれよれの剣筋を披露して今朝の剣術教室が終わった。


 ザックが張り切っている。

「よっしゃ、次は戦闘訓練だ。この調子でじきにCランクだな。こうやって時間を取れるのもエドのおかげだぜ。当然お前も来るだろ?」


「いや、オレは朝の剣術だけのつもりだ。そっちはたまにでいいよ」


「そうだぜ、エドは忙しいんだ。今日はあたしらと狩りに行く番だ」

 ミシャーナに肩を組まれて腰に白い尻尾を巻きつけられた。


 マリーも腕を組んできた。

「そうよ。あんたたちはもう十分稼いだでしょ。しばらくエド君は借りるわよ」


「おう、そういうことか。行ってこい、行って来い。俺達もすぐに強くなって、エドに頼りっきりじゃないとこ見せてやる。エドはこれ以上強くならずに待っててくれや」

 そういうザックに、ロンセルとアドルも頷く。


 その後、エリカ達や猫達とも3回ほど狩りに出て、彼女らも数か月分以上の生活費を貯めることができた。


 余裕ができたエリカ達は外でやる戦闘訓練にも参加するようになった。

 猫達はその日暮らしから脱しても、朝の剣術教室が終わると普段通りに狩りに出る。


「稽古ばっかりやってられんにゃ」

「実戦にまさる訓練なし、だぜ」

「そういこと」


 *


 朝の稽古で全員が揃うようになった最初の日。


「魔法剣の使い方を教えるって話だったよな。人に見せびらかしたい物じゃないから外へ行こうぜ」


 初耳だったエリカが真っ先に食いついた。

「えっ、魔法剣て何のことよ!?」


 ミシャーナもピクリと耳と尻尾を反応させた。

「何?魔法剣って言ったか?」


「実は魔法剣を手に入れたんだ。雷撃が出るやつ」


エリカ 「そんなものどこから?まあ、あんたのことだし、もう驚かないわよ」

マリー 「魔法剣ならエド君が出す道具にしてはまだ普通よね」

ボルフ 「まったくだ。この前の道具はどれも非常識だったぜ」


 12人全員で草原へ移動すると、希望者に『オーガ殺し』を貸して好きに試してもらった。全員が興味津々で試したものの誰も雷撃を出せなかった。


 思うところがあるのか、クロエはかなり諦めが悪い。

「悔しいです。どうしてもできません」

「もしかして、師匠は魔法剣が発動する仕組みを知ってたりします?」


「えいっ、と振るのに合わせて鋭く魔力を流すんですよね?いつか試してみたいと思っていました」


「さすが師匠。ほぼ正解です。ただ、その流し方が独特で、感覚さえつかめば簡単なはずなんだけど、どう説明したものか...」


 ボルフが片眉を上げた。

「魔力がいるなら俺らには無理じゃねーか?」


「そんなこたーない。ボルフは意識的に身体強化を使えるだろ?」

「あ?おう、ここぞというところで全身にぐわっと力を巡らせるな」

「その、ぐわっと流してるのが魔力だということは知ってるよな」


 首をひねるボルフの頭上に『?』が浮かぶ。

 常識だと思っていたが、ボルフはおろか、ロンセルやザックも知らなかった。


「そうなのか?」

「そうなんだよ。そのぐわっと流すやつが魔力だから、それを魔法剣に向ければいい」


「んんー...あっ!分かったからもう一回貸してくれ!」


 ボルフがオーガ殺しを両手で構え、数秒間精神集中した。

 呼吸を整えると、気合を込めて一振り。


「フンッ!」


 バチッ!!ジジジジジ...

 刀身に沿って紫電が走った。


「おっ、さすが我らが師範。やるなあ」

「なんだよ、簡単じゃねーか」


「だろ。そのための魔法剣だからな。みんな聞いてくれ。これで練習していったんコツをつかめば、それほど苦労しなくても達人がやるように、ただの鉄の剣でも斬撃を飛ばせるようになるはずだ」


「いやいや、そんなのAランクじゃなきゃ出来る奴いないぞ?」

 さすがに信じられないか。

「うん、今はまだ出来る気がしないのは分かる。でも、達人が放つ『飛ぶ斬撃』も理屈は同じなんだ。理屈を理解して、それを意識ながら練習すれば達人にならなくても習得できるはずだ」


 マリーが手を上げた。

「はい、マリーさん、どうぞ」


「魔法使いなら魔力を流すのは簡単よ。でもわたしやクロエでも魔法剣が発動しないのはどうして?」


「いい質問です。さっきクロエが言ったみたいに魔力を鋭く流せばいいんだが、魔法使いは普段そんなことしないだろ。魔法発動時の『凪いだ水面のよう乱れなく』魔力を流すのとは逆とも言えるから、魔法使いにはかえって難しい」


 ロープを出してバシッ!と(むち)のように振って見せた。


「とまあこんな感じで魔力を一瞬だけ強く流すんだが、ただ速く流すのとは意味が違う。魔力の量は最小限で、鞭がしなるように、力まずパシッと鋭さだけを意識して流してみるのがいいと思う。最初から多く流そうとしない方がいい」


 ロンセルが何か頷いている。

「ああ、そういうことか。分かったような気がする」


「攻撃の瞬間にやる身体強化と同じだからな。その鋭さを増していけば、いつかは剣から斬撃を飛ばせるわけだ。重要なのは、力まずに鋭くだ。もう一回言うぞ。『力まずに』鋭くだ」


 またロープを振ってパシン、パシン鳴らして見せた。

 説明している間、ボルフはずっと魔法剣を放電させて遊んでいた。


 ブンッと正面斬り。

 ドバババッ!!


 ビュンッと横凪。

 バチバチバチッ!


 袈裟斬り。

 ジジッ...パチッ


「ん?ぬう...おいエド。発動しなくなった上に、急に体がだるくなったぞ」


「魔力切れだな。無意識に身体強化するのが当たり前になってるから、魔力が切れたら力が抜けたように感じるんだ。でも今の状態で出せるのが本当の筋力だぞ」


「おお、そういうことか!たしかに調子に乗りすぎたな。しかし、魔法剣てなえらく魔力を食うな」


「魔法使いから見たら逆なんだが。さっき『ドバババッっ』て威力が高い雷撃を出しただろ。その3~5回分くらいでやっとファイヤーボール1発分だぞ」


 ボルフに続いてロンセル、クロエと猫耳3人組もすぐに雷撃を出せるようになった。猫たちは全員、力まずに鋭くという説明でピンと来たと言っている。


 まだ成功しないのはザック、アドル、マリー、ケイト、エリカの5人だが、マリーが手のひらをしならせてオレの背中をパシン、パシン叩く。


「こんな感じよね」

「うん、そうそう。って痛いから!人の背中で練習すんな!」

「いいじゃない。ここが一番叩き心地がいいのよ」


 マリーは、オレがフェレーナさんにとっ捕まったと知って以来こんな調子だ。


 ゾクッとして思わず身を(かわ)して振り返ると、エリカが手のひらを空振りしていた。

「あらすごいわね。後ろに目が付いてたの?」

「おい!今の絶対すごい音が出る威力だろ!?」


「軽く振っただけよ?一回叩いたら出来そうな気がするんだけどなあ..ね?」

 上目遣いが似合わない女だなあ...


「そういうのは頑丈なロンセルでやってくれ。ほら」

「ああ、俺は別に構わないが。鎧だし」


 ロンセルを押し出すとエリカがキョドる。

「ちょっ、いえその、何言ってるのよ!」


 バチーンとオレの肩からいい音が出て倒れそうになった。

「そうそう、そんな感じ、って痛てーよ!」


 オレが痛い思いをした甲斐あって、マリーとエリカもすぐに雷撃を発動できるようになった。


 街への帰り道は、最後まで成功していないアドルが魔法剣を振りながら歩く。


 パチッ


「おお、見たか!?光ったぞ!」

「ああ、見たぞ」


「よし、やったな!これで全員分を発注できる」

「うん?何の話だ?」


「魔法剣にしたい武器をオレに預けてくれ。すでに知り合いの鍛冶屋に話はつけてある。1本あたり金貨1枚で雷か風か火の効果を付けてもらえることになってるんだ。ただし、格安だから発動が難しいものになる。この後さらに練習が必要になるとは思うが、全員分の魔法剣が手に入るんだよ」


「おおお?エド!!」

「何い~っ?!」

「..ええ~っ!?」

「まじか!?」

「おまえ!」

 全員がすごい勢いでオレに詰め寄った。


 マリーがまたオレの襟首をつかんで締め上げる。

「そっ、それって威力はどうなの?やっぱり安い分弱いのよね?」

「そんなことはない。流す魔力量が同じなら威力もこれと同じってことだ」


「そっ、そうなんだ。へえ~」

 にやけて締め上げる力が緩んだ。


「みんなよーく考えて、武器1本とそれに付けたい効果を選んでくれ」


「あのっ、エドっち。短剣2本はダメにゃ?」

「リニャータの二刀流は知ってるから、2本を金貨1枚半で話を通してあるぞ」


「エドっちー!大好きにゃ!!」

 満面の笑みでリニャータが抱き着いてオレの頬にキスした。この隙に猫耳を撫でさせてもらう。


 それをマリーが引きはがす。

「ああっ!こら離れなさい!」


 リニャータだけはその場で即決だった。二刀流の片方に風、もう片方に雷の効果を希望だ。他のメンバーはよく考えてから決めたいと言っている。


 -鍛冶屋-


 早速、リニャータの短剣を持ち込んだ。


 カウンターに短剣を乗せて、その横に酒をどんと置く。

「まずはこの短剣から頼む」


 普段は強面のベーリングの顔がウイスキーを見た途端、だらしなくにま~っと崩れる。

「ようやく来おったか。この前のうぃすきーはとっくに空じゃというのに、お主が来なんだらこっちから催促に行くところじゃったわい」


 大げさにあきれ顔をしてみせた。

「こんな強い酒なのになあ、飲んだくれかよ」


「強いから美味いんじゃろが。ちびちび飲んでも3日で空じゃ。この金貨の分も酒で払ってくれた方が嬉しいんじゃが、ダメか?」


「そりゃ無理だ。10本以上発注するんだぞ。希少な酒をそんなには調達できない。それじゃ、ボルソルンによろく!」


 代金の一部を金貨にするのは面倒な説明を省くためだ。『代金は金貨1枚』と言ってしまえばそれ以上の説明は不要だからな。


 ***


 養蜂部隊を殲滅した翌日の午後。

 巨木の森の奥へ壺や甲冑を持ってきて武装の試射をしている。


 三型甲冑(仮称アーチャー)の標準装備である長銃は、見た目の雰囲気が火縄銃に似ている。

 長くて取り回しは良くない。遠距離専用だな。

 発射レートは3秒に1発くらいで、一発分しか魔力充填できない。


 威力はすごい。

 体感でだが、右腕の石銃の数倍の威力がある。

 銃身全体が魔法の杖で、発射の瞬間に石弾とエクスプロージョンが同時に生成される。ストーンバレットだけでも弾丸は飛ぶが、それを爆裂魔法でさらに加速しているので発射時の爆音と反動がある。


 銃身内部が石に削られている様子はない。

 弾丸は非接触らしい。


 一型甲冑(仮称ザク)用の長銃も基本構造は三型用と同じだが機関部が重厚な作りだ。全長が2割ほど短く、毎秒2発くらい撃てる。

 威力はちょっと落ちている。


 三型用が狙撃銃とすれば、一型用は半自動小銃といったところか。


「すごい...これならオーガの群れも蹴散らせるわ」

「昨日の鉄ミスリル鎧も撃ち抜けそうですね」

「さすが古代兵器ね。戦争に使えば無敵だわ」


「甲冑の防御はこの弾丸に耐えるかどうか程度だと思われるので、そこまで無敵ではないですね」


「どうして分かるの?」


「えーと、攻撃力と防御力はだいたい拮抗するものなんです。似たような兵器を持つ敵と戦う想定で設計されていたら、ですけど」


「うん理解した。普通の甲冑も無駄に、重く頑丈にはしないわね。あ、それならすごく威力が高い、ストーンバレットでなら、破壊できそう?」


「ええ、たぶん。でも重い石弾くらったら、壊れる前に中の人が気絶しそう」

「それはそうね。経験する前に性能の見当がついてよかったわ」


「できるだけ射撃練習しておきましょう。普通の魔法と違って、銃身を向けている方向へしか飛ばないので当てるのが難しいです」


 二型甲冑(仮称ドム)用の主力火器は、威力も発射レートも高い重機関銃だ。一型用のをさらにごつくした見た目で、重量は一型用の倍はある。


 左腕の内装火器は凶悪なエクスプロージョンばら撒き器だ。

 要は面制圧兵器である。


 三型は軽量、二型は重装甲重火力。

 中庸な性能の一型は主力機として使われていたのだろう。


 例えるなら、一型がザク、二型がドムか。三型に相当するのがないな。別にアーチャーでもかまわないけど、もうちょいこう...

 テムジン、ライデン、バイパーは似合わないし、日本に戻ったらググろう。


 *


「三型甲冑は最大まで魔力入れました」

「壺はやっと半分よ。すごい容量ね」


「壺は甲冑に魔力補給する役割もありますからね。それに搭載武器は強力ですし。下に付いてる輪っかなんて、リング状のエクスプロージョンを発射するんですよ。威力の見当がつかないから、この付近じゃ試し撃ちもしたくないですね」


「それじゃ今度はこれに乗って、2人でもっと遠くへ、行ってみましょう」

「いいですね!急いで時間を作ます」


「その前にあれを教えて」

「アレですね。待ってました!」


 壺の搭乗口を閉めると、薄暗く赤い照明の中に彼女と2人っきりでちょっといい雰囲気だ。


「壺の起動は『メイン魔導回路接続』で」

「めいん魔導回路接続」


 ウォンッという起動音に続いて、どこからともなく送風魔道具の音が響き始める。


「駆動音が聞こえ始めたら『補助エンジン始動』で小さい取っ手を押す」

「補助えんじん始動、で小さい方」


 ウィンウィン音が聞こえ始める。


「音が聞こえ始めたら『魔導エンジン点火10秒前』」

「魔導えんじん点火10秒前」


「『・・・2・1・フライホイール接続・点火』で大きい方を強めに押す」

「・・・2・1・ふらいほいる接続・点火、で大きい取っ手を強めに」

 ガチン!


 回転音がより滑らかなヒュオオ-ンという音に変わった。


「『壺、発進!』で出力を半分、いや今は4割で。上げ過ぎないよう注意」

「壺、発進、で4割ね」


 壺が『フオンッ』と浮き上がり、頭上の葉っぱをゆっくり押しのけながら木の上へ出た。


 目の前は葉っぱの海だ。

 よし、このタイミングだ。


 スマホに入れている、誰が聞いても天空に浮かぶ城を連想するに違いない曲をかけた。


 彼女がはっとしてこちらを見るが、オレは何も言わずに見つめるだけ。

「外国の歌ね。この場に、すごく合っているような気がするわ」

 黙って彼女を後ろから抱きしめると、彼女もオレの腕を抱いた。


 2人を乗せて、壺は上昇を続け、視界が一気に広がった。

 正面は樹海、右の彼方に街が見える。

 緑の地平線がゆっくりと下がっていく。




 今朝は彼女も顔色が悪かった。時々研究に夢中になりすぎて顔色が悪いこともあるので、実際のところは分からない。でも、昨日のあれが平気なわけはない。もし彼女もあれを思い出して眠れないのなら、今夜はオレが平気な振りをして、彼女が眠れるまで頭を撫でてあげよう。




「ところで壺の、名前はないの?いつまでも『壺』発進はどうかと、思うわ」


「え?あー、まあ、エン・デラルダ型強襲揚陸艇っていう名前はあるけど、壺の方が味があっていいでしょ?」


「う~ん、そう?...難しいところだわ。ところで、さっきの手順をよく考えて、みたのだけど2つの取っ手をぐいっ、ぐいっと押すだけでよくない?」


 バレたか。

「あはははは。それだとセリフを言う暇がないじゃないですか」


 カウントダウンは不要だし、フライホイールなんか付いてないし、『点火』してもエンジンは火を噴かない。


「えぇー、じゃあやっぱり、不要なの?」

 悲しい顔しないで。

「カッコよく飛び立つためには必要です!」


「...理解したわ。少なくともカッコいい、のは確かね」


《納屋46》

壺の構造:上がエンジンで下に円形のエクスプロージョン発射機。

内装は電力と魔力の併用。メイン魔導回路をオンにすると自衛火器が使用可能になり、送風魔道具が作動し始める。魔導冷暖房もある。


頭上に乗っているエンジンは二重構造で、中心部が補助エンジン。外周は重い二重反転リングのメインエンジン。動作原理とか詳細は考え中。

(神代技術の劣化コピーであんまり燃費は良くないようです。波動エンジンとかではないです。エーテル機関が実はタキオン粒子を発生させていた、程度はありかなあ?)


本体底面のエクスプロージョン発射機は、歩兵を降下させる前に地表を更地にするための兵器。リング状のエクスプロージョンは爆圧が横に広がり、壺が飛べる高度からでも安全に使用可能。

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[気になる点] ザクやドムは流石にやりすぎ
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