18.アゼリーナさんと魔法練習
《納屋18》
エーリカ、エミル、ロベルトの3人と一緒に無事ギルドまで戻って来て、大トカゲを売った。ついでに途中で見つけたマンドラゴラも。フェレーナさんに言われて、アゼリーナさんの部屋を訪ねた。
「やっと、来たのね」
「約束は忘れてませんよ」
アゼリーナさんの部屋はギルドの2階にある。そこは「魔女の部屋」だった。本、何かの干物、カッコいい杖、壺、その他よく分からない物がいろいろ。ちょっと不気味だがそれがいい。
お茶を勧められたのだが。
「飲んで」
「...」
「どうかした?」
「あの..、このお茶、湯気が紫色なんですね」
「主に、あなたが持ち込んだ新鮮な、マンドラゴラ。それに紫イモリの、乾燥粉末。魔力回復の効果があるわ」
アゼリーナさんも飲んでるし、オレも意を決して飲んだ。見た目に反して不味くはない。漢方薬でもありえる範囲内の味だと思う。
「今日は、邪魔者はいない。魔法を見せて」
2人でギルドの訓練場へ移動し、オレはこの前と同じくウィンドカッターを撃った。さっき飲んだ、イモリ茶?マンドラ茶?の効果でMP回復が早くなっている。倍速とはいかないが、常備したいと思える程度の効果はある。
「やっぱり知らない言語。でも期待通りなら..。呪文を文字で、書ける?」
右クリックは出来ないし。脳内投影の魔法名をじっと見て、どうにかならんだろうか?と考えたら「ウィンドカッター」の下に見たこともない文字が出てきた。さほど複雑ではない、漢字よりも英語とかに近い文字だ。オレはそれを見たまま真似て、杖で地面に書いた。
「やっぱり古代文字!これは神代の文字よ」
アゼリーナさんがぐいっと迫って来て「どこで覚えたの?」とか「生まれはどこ?」とか、聞きたいことを一通りまくしたてて言い終わると冷静になった。
「うん、失礼。本物の古代魔法ね。つい、取り乱したわ。今の質問、答えられる範囲で構わない」
「出身はロナーク、らしいです。魔法は前にも言った通り、ただ使えるだけで呪文の意味も何故使えるかのかも分からないです。説明は出来ないけど何回でもやってみせますよ」
それからオレが使える魔法を全種類撃ってみせて、呪文と思われる文字も書き出した。
「古代文字の呪文は、現代にも、伝わっているわ。でも、古代魔法を使えたという、話は聞かない。理由は、たぶん、誰も正しい発音を知らないから。でもジゼルなら何か分かるかも」
「アゼリーナさんでさえ分からないことが?」
「詳しくは、言えないけどあの子は、人と違うから」
ふむ、ただの魔法少女ではないのか。
「ね、あなたの体の、どこかに魔法陣とか紋様、とかそれっぽいものが刻まれていたり、しない?」
「そんなもの付いて無いですよ」
手の甲とかにカッコいい紋章とか付いてたら、それはそれで悪くないと思うが。
「じゃあ、体の中には?」
「え?いや、そんなものあるわけ..」
じっとオレを見つめる彼女の目を見て、オレは思わず後ずさった。
「知らないことは、できないのよ。たぶん、あなたは自分が、知っている、という事を知らないだけ。もう一回やって」
またウインドカッターを詠唱した。今度はオレの背中にアゼリーナさんが手を当てている。魔力の流れを感知しようとしているのだろうか。詠唱を開始するとアゼリーナさんも真似てぶつぶつ言い始めた。
「もう一度」
次は両肩に手を乗せられた。
「もう一度」
次は腕と腰。
そして最後は背後から両手を回された。
「うわっ!」
思わず杖を落とした。杖を持つ右手付近からシュッという風の音が聞こえて赤い霧状の血が飛び、直後に激痛が走ったのだ。手のひらから血がしたたり落ちている。
「壊れかけていたのね。敵を、殴ったりした?」
アゼリーナさんがオレの右手を取りながら質問する。
「杖で殴ったことはないけど、思い当たるのは大トカゲに弾き飛ばされたときかな。崩れかけた建物の3階で戦っていて、杖が地面まで落ちたんです」
魔法に向いた木材はあまり強度が無いという話を思い出した。
「杖の魔力漏れはたまに、ある。運が悪ければ指や、手首が、飛んでいた。強力な、魔法を使える人は注意が必要よ」
続けて回復魔法をかけてくれた。クロエ師匠が使ったのと同じ呪文だな。
「ありがとう。もう大丈夫です。今後は戦闘の後は杖を点検することにします」
杖を拾ってよく見ると、ごく薄くだがひびが入っていた。
実演はここまでにしてアゼリーナさんの部屋に戻った。
「私の、余っている、杖を貸してあげる。これもいい杖よ」
「それは助かります。次はもっと指向性が強い杖を買おうと思ってるんですけど、お勧めはないですか」
さすが魔女。すごく詳しい説明を聞けた。
今の予算、金貨136枚だと威力が3倍までの杖を買える。
話に出た中で一番よさそうなのは威力1.5倍+指向性(中)の杖だ。この街の魔法店で金貨200枚で売られているらしい。
指向性は数値化が困難らしく、大雑把に「強中弱」で表される。
オレの壊れた杖は、威力1.2倍+指向性(弱)だ。
金貨200枚は無いが、十分手が届く範囲だと思う。それに、いつかは指向性が最強の「超貫通杖」みたいなのが欲しい。
「貫通力特化は、暗殺向き。あんまり強力なのは店頭には、並ばない」
「なるほど」
指向性を突き詰めたら、ストーンバレットなんか銃弾、いや砲弾と同じになりそうだ。
ちなみに存在が知られてる最強の杖の性能は、威力7倍+指向性(中)で値段を付けられない価値があるらしい。あえて付けるなら最低でも金貨100万枚というのがアゼリーナさんの見積もりだ。
「小国の、国家予算、程度じゃ買えないわ」
「まさに国宝か」
「ところで、是非とも回復魔法を覚えたいのですが、オレでも何とかなりますか?」
「回復魔法は、攻撃魔法よりも適正者が、限られる。やってみなければ、分からない。けど、四属性を使える、エド君なら十分期待できる」
回復魔法には最低でも火と水の適性が必要で、さらに他の属性も使えればなおいいらしい。
何回かアゼリーナさんが唱える呪文を真似てみたが発動する気配はない。
「自分の傷を治すのが一番成功率が高い」
「とか言いながら刃物を出さないで!」
「嫌なら、知り合いを切ってみるのもいい」
「あ」
もう自分の指先を切ってるし。血が机の上の小皿に滴り落ちる。指先の傷はかなり痛いはずだ。でもこの人、躊躇なく切ったぞ。
「さあ、この傷を治してみて」
アゼリーナさんは平気な顔をしているがこっちは平気じゃない。血が流れる指先の切れ目を見て動悸がしてきた。
「ふふ、冒険者なら、これくらい平気、よね?今度は手伝ってあげる。自分にも同じ、傷があると思って、私の魔力を、あなたを通して私の左手に流して」
アゼリーナさんと両手をつないで一緒に呪文を唱えた。
今度は自分の指先に何か感じるものがある。
「ふふ、分った?さあもう一度」
角質、真皮、毛細血管...
今度は今思い出せる限りの知識を総動員して、彼女の指先の傷が修復される様子をイメージしてみた。呪文を唱えると光のエフェクトが発生した。
「できた!?」
「おめでとう。成功よ」
成功したらしい。うほほ、これでオレも回復魔法の使い手か!?
「ありがとうございます!すごく嬉しいです」
「わたしも、嬉しいわ」
「あ、でも回復魔法を覚えたことは秘密にしてもらえると有難いのですけど」
「ふふっ、2人の、秘密。回復魔法は、知られると厄介事が、増えるものね」
アゼリーナさんが自分の指先から血をふき取って傷の具合を確認すると満足げな顔をした。
「うん、治ってる。完璧」
彼女は向き直ると、オレの手を取って言った。
「覚えたての魔法は使ってみたくなるものよ」
「それは確かに」
「私も覚えたての頃は、嬉しくて何度も、夢中になって試したわ」
試したって、どうやって?とは聞かない方がよさそうな気がする。
あう、聞くまでもなく語り始めたよ。
「指先、手の甲に見える血管、手首...はやめたほうがいいわ。血が飛ぶから。どこを、切っても傷が見る間に治るのが楽しくて、いつの間にか魔力切れになっていた。血も足りなくなって、いたのね。寒くなって目の前が真っ暗になって、気が付いたらベッドに寝かされていた。お師匠にしこたま怒られたわ」
バカの子か。何て言えばいいんだ。
「え~と、そういう事は慎重にやった方がいいですよね」
「そうよ。血が飛ぶのは、ダメ。後でバレるから」
「いや、そうじゃなくて..」
「私がいるから、エド君は好きなだけ、試していいわ。切っても血が飛ばない、場所を教えてあげる。魔力が切れても大丈夫。倒れても私は、怒らないし、すぐ治してあげる」
話題を変えなければ。
「そ、それは心強いです。あ、でも、それより是非とも何かお礼がしたいです。回復魔法を使えるようになって、ほんとに、すっごく嬉しんです」
「私は大したことしてない。でもお礼ならエド君の、回復魔法の効果を、見たいわ。ね、あなたも試したい、でしょ。見せて」
短剣を手渡された。
確かに試してみたいとは思う。さっきのは完治してしまったので、もっと大きな傷だとどこまで治るのか分からない。実戦で使う前に能力の上限を把握しておくのは大切だ。
オレは短剣と指先を見ながら躊躇していた。
「私の勘だと手の甲と同じくらい」
「え?」
「指の付け根から手首までくらいを切って試すのがちょうどいいはず」
「あ、いや、そんなには」
「ふふ、じゃあ私の手を切る」
「いや、それはダメ!」
すっとオレの手から短剣を取り、アゼリーナさんがまた自分の手を切ろうとした。それを慌てて止めるオレ。彼女は平気そうだが、こっちがたまらない。心拍数が上がっている。呼吸が浅い。きっと顔色も悪い。なんでオレ、こんなに追い詰められてるの?
「それじゃ、私があなたを切る?」
短剣を片手に表情も変えずに迫る、この「魔女」はきっと常識の根底が違う。オレは観念した。さっさと終わらせたほうがダメージが少ないはずだ。
「やっぱり、最初は指先からで。さっきよりは少し大きい傷でいいので、サッとお願いします」
優しい笑みを見せてオレの人差し指を握る彼女。それは目の前の刃物のことを一瞬忘れるくらい、いい表情だった。やっぱり黒髪美人はいいなあ。黒のストレート最高。
「イテッ」
思いのほかざっくり切られた。
血がぽたぽた落ちる。小皿にたまっていた血にオレの血も混ざり、血だまりが少しずつ大きくなっていく。
頭の後ろに冷たい感触がある。気分が悪くなってきた。立ち眩みと同じ症状だ。早く治してしまおう。あ、やべ。魔力の流れを把握できない。痛さと気分の悪さに耐えて集中するのは無理だ。
「無理そう。助けて」
アゼリーナさんがすぐに治してくれた。
「顔色が悪いわ。まるで死体のよう。横になった方がいい。こっちへきて」
「いえ、大丈夫です」
「ダメ、少し寝て。落ち着いたら、今日は終わりにして、あげるから」
腕をとられて隣の小部屋にあるベッドへ連れていかれた。部屋は殺風景でここに住んでいるわけじゃなさそうだ。ベッドは宿のよりずっと質が良く、なんというか雰囲気が魔女らしくない。女の子のベッドだ。
横に座って俺の頭を撫でる魔女。その手が下がり、肩から腕を撫でる。オレは魔女に捕まったモルモットなのかもしれない、と割と本気で思った。
「懐かしい。私が、倒れるとお師匠が、こうしてくれたの」
すごく優しい顔だ。魔女とか思ってごめん。撫でられるのは気持ちいい。オレはしばらく目を閉じることにした。横に座る彼女がちょっと体重をずらしたのを感じて、仄かにいい匂いがした。
眠ってしまったらしい。
意識が戻ると次の予定があるのを思い出して、はっとして目を開けた。よかった、まだ太陽の位置は変わっていないようだ。アゼリーナさんもそこにいて目を覚ましたオレの頬をそっと撫でる。
「ほんのちょっと眠っただけよ」
「もう大丈夫です」
「そうね。顔色も、戻ってるわ」
「今日はありがとうございました」
「うん、続きはまた明日」
あ、またこの顔だ。普段は無表情の彼女が今日は2~3回、いい顔を見せてくれた。今となっては刃物と血を連想してしまうけど。
ひどい目にあった気がするが、指先を切っただけで集中できなくなると分かったのはよかった。これは克服しなければならない。
ギルドを出ると少年たちとの約束通り、大トカゲ肉を食うためにエーリカの家へ向かった。
このあたりのはず。
「いらっしゃい、エドさんね?」
出迎えてくれたのはエーリカの姉ちゃんかな?エミルとロベルトもいる。
「始めまして。エドワード・フリントロックです」
「リーザです。エーリカの2番目の母親というか、いわゆる第二婦人よ。今朝の話はエーリカから聞いたわ」
若いから姉ちゃんかと思ったけど、一夫多妻だったか。
そしてもう一人、リーザと同い年くらいのお姉さんが出てきた。
「始めまして。私はニーナ。エミルんとこの第二婦人だね。母親役でもあるけど、姉ちゃんと思ってくれた方が嬉しいかな」
「本当は旦那達にもお礼を言わせたいところだけど、あの人達はあと数日は帰らない予定なの」
「聞いてます。皆さん腕利きの冒険者なんでしょ」
旦那さん達3人と、その奥さん達3人の6人パーティで出かけているという話はすでに聞いていた。
子供たちがぞろぞろ出てきた。5~14歳くらいか。エーリカ、ロベルト、エミルの3家族分まとめて子供が11人。そのうちの3人は、知り合いだった冒険者が死んだので、その子供を引き取ったのだそうだ。
チビ達にはイチゴ飴をあげた。おっと、お姉さん方も欲しそうだ。結局、全員に配った。
飴で右のほっぺたを膨らませたニーナさんが言う。
「ヘタな冒険者はすぐ死ぬからね。これすごく美味いねー!」
リーザさんも飴をなめながら。
「ま、運もありますし、こればっかりは仕方ないですね。ほんと、美味しいですね、これ」
「慎重な奴ほど長生きするんだからね。あんたは分かってそうだけど」
「まあ、自分では慎重なつもりですよ」
それから、ひとしきり今朝エーリカ達を助けたことの礼を言われた。
「エドさんはすごいの!」
最後にエーリカがドヤ顔をする。エミルとロベルトも得意顔だ。
「エドさんは何人奥様がいらっしゃるの?」
「え?何人て、まだ独身ですが」
「そりゃ贅沢だねー。でもちょうどいいわ。いい子を紹介してあげようか」
この世界では男がよく死ぬので、生きている男は稼ぎに応じた人数の妻を娶る義務があるとされているらしい。
「そんなに稼げるのに、いつまでも独身なんて許されないよ」
「いやまあ、ぼちぼちと」
リーザとニーナにぐいぐい詰め寄られる。
「ふふっ、ニーナ手加減しときなさいよ。今日はお礼を言うために呼んだのだし」
2人とも若いくせに、やたらと見合いさせたがる世話焼きオバちゃんみたいだ。
ここでは「いい子」とやらを紹介するのはお礼のうちに入らないらしい。
「そっちの肉は焼くんでしょ。なら、いい調味料がある」
オレは塩コショウ、焼肉のたれ、ポン酢を出した。
「まあ、ありがとう。見たことが無いものばかりね。でもまずは乾杯よ。今日はちょっといいワインを用意したわ」
リーザさんがオレに酒を注いでくれる。今日はオレが酒を出すのはやめておこう。
しかし、残念ながら、現地のちょっといいワインは不味くはないという程度で、1本1000円の安酒に負けている。
やはり、焼き肉のたれは大好評だった。ポン酢はエミルとロベルトの2人がダメだった。
「これすごいわ!これをつけたらどんな肉だって高級肉よ!」
トカゲの焼き肉がすごい勢いで減っていく。トカゲ肉は普通にうまい。味は鶏肉に似ているが、もうちょっと弾力がある。
「ところで、今回の旦那さん方の目的を聞いても?」
「ドラゴンよ!」
エーリカが即答する。やはりいるのか。ぜひ見たい。
「ドラゴンと言ってもワイバーンよ」
オレの目の色が変わったと思ったのか、ニーナさんが少し詳しく説明してくれた。
「北東へ2日ほどの谷間にワイバーンの巣があるから、近くに餌を置いておびき出すの。出てきたら魔法の一斉攻撃で飛べなくして、剣や槍で仕留めるらしいわ。私は見たことないけど」
第二婦人達も一応は冒険者だが、ニーナとリーザの2人はEランクで、Cランク以上を目指すようなガチ勢ではないということだ。
「ね、もしよかったらエドさんの魔法を見せて!」
「かまいませんよ。的としてそこの薪を借りますね」
割る前の太い薪を地面に置いてウインドカッター1発で切断した。チビ達から歓声が上がる。ニーナとリーザは意味不明の呪文に戸惑ったようだが、威力には感心してくれた。
「す、すごいのね。話に聞いた通りだわ」
「ね、話した通りでしょ。大トカゲの頭の上半分を飛ばしたのよ!」
「これならきっと、いつか旦那達から手伝いを頼まれると思うわ。そのときはよろしくね」
そして帰り際、焼き肉のたれを3本渡した。各家庭に1本ずつだ。
「旦那達が戻ったらこれで焼肉してあげてください」
「きっと大喜びよ。そうだ!次はきっとワイバーンの肉があるから、エドさんもぜひいらっしゃいね」
「ええ、ぜひに。ギルド経由で伝言ください」
日本でよその家にお呼ばれするのと違って、実にお気楽で楽しい夕食だった。奥さん方とも戦闘の話ができるのが素晴らしい。だが、見合いとかは勘弁願いたい。
さて薄暗くなってきた。今夜は犬肉亭に泊ろう。伯爵邸に引っ越すのは、あれから5日後という話になっている。今日は顔を出さなくてもいいだろう。うん、想定外の泊り客は困るかもしれないし。
寝る前に商業ギルドへ行ってパブロックに会いたいと伝言した。新しい杖のために稼がなくては。
-伯爵とジゼルマイン、領地へ帰る馬車の中-
「ジゼルマインよ、エドをどう思う?」
「フリントロックは想像以上じゃな。あの、虫のようにぶんぶん飛び回る道具は妾の知識にも無いぞ。似た物すら知らん」
「まさか、旧帝国にすら無かった物を作り出したのか...フリントロック恐るべし、か」
「回転機構はともかく、離れて自在に操る仕組みなど無かったはずじゃ」
「この地に現れた理由は気になるが、とりあえずは友好的と思ってよさそうだな。あれほどの知識と道具を見せたのだ。向こうもこちらと積極的につながりを持ちたいのだろう」
「それにお人好しそうじゃ」
「お前の好みとしてはどうだ?」
「うん?悪くないぞ。エドを取り込みたいのか、伯父上?」
「条件次第ではな。今、背後を洗っているところだ」
「そういうことなら、妾がブルグンド邸に住んだ方が手っ取り早いじゃろ」
「そう急くな。婿に取れるようならお前のものだ。それが無理ならフィゼリーゼでも」
「姉様か。相手はフリントロックじゃぞ」
「分っている。どうするか考えているところだ。まだ誰にも言うなよ。公爵殿にもだ」
「承知しておるわ」
-数日後-
報告を受ける伯爵
「エドが冒険者登録する前の情報は無し、か。遠いが、ロナークまで人を送り込むとしよう。その価値は十分あるはずだ」
《納屋18》
エドの装備
大銀貨12枚で買った魔法の杖(威力1.2倍+指向性強化付き)
鉈、木割り斧、手斧、手製槍(5m55cm)、クロスボウ
熊よけスプレー、生マンドラゴラ、ポリカーボネート製の盾、ANFO爆薬
軽トラック、電動自転車、ドローン
大量のチョコレートや飴、アイスクリーム、ソフトクリーム24個、他にもお菓子類いろいろ。ビール、ワイン、焼酎、その他日本で人気の酒類いくつか。




