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風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
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九十四話 『反撃の新中』

遅くなり申し訳ございません

時刻は6時55分。仮面が割れたソーキは対峙している新中黒尾に対して押し込まれていた。


「お前では俺には勝てんよ『属性剣士』さん。まだ俺に歯向かってくる所をみると剣を交えても実力の差が分からなかったのか」


「死んでもお前を斬るのが俺の仕事だ。けじめをきちんとつけなければ、死んでいった人達に顔向けができないからな」


剣を炎で纏いながら魔法陣を起動させ続けるソーキに、ソーキとの間合いを測る黒尾。今度は新中が仕掛けた。


握っていた剣の剣先をソーキに向けるとそのまま突き刺すかのように前に突き出した。ソーキは自分の右手に握っていた剣で攻撃を防ごうと剣を振り斬る。


カキーンと言う音が鳴り響くと共に二人の剣は重なりあった。だが黒尾の剣は当たる瞬間に剣を引いていたので次の攻撃の動きだしが早かった。黒尾は引いた剣の勢いをそのままに再び崩れた体勢になったソーキを刺そうと試みる。


「知ってたよ」


ソーキは付与魔法陣を展開すると左手で握っていた剣は青白く光輝く。その光と共に冷気が伝わるのを黒尾は感じた。ソーキは体勢を直すために左下から青白く光輝く剣を斬り上げ、黒尾の剣が再び交差する。


パリンと言う音ともに黒尾の剣は砕け散っていた。


まさか瞬間冷却に微細な振動を与えるだけで剣が砕け散るとはな。まぁ薙刀ではないだけましか。でもあれではもう無理ではないか


黒尾はそう思うとフッと笑いが込み上げてくる。確かに黒尾の剣は砕け散ったがソーキの剣にも少なからず大小様々なひびが入っていた。


「うっ……やっぱり斬られていたか」


急にソーキが胸を押さえて足をついて苦しみ始めた。それもそのはず砕け散った剣の中は所々真っ赤に染まっていた。


「詰めが甘いなだから皆死んでいったんだよ」


そう言いながら黒尾は壁にあるスイッチを押すと薙刀が壁から表れる。ソーキも何とか立ち上がっていたが止血は出来ていなくまだ血が流れていた。


「それじゃあ……さようなら」


黒尾は薙刀で斬りにかかった。だがその途中で攻撃が止まってしまった。


「絶対無理してると思っていましまよ。ソーキさん」


そこに立っていたのは緑の目と緑の髪に変化していた時成だった。


緑目(グリーンアイ)か貴様」


その言葉を聞いて返事をしない時成はソーキの体に気を使った。


「もうその体では戦うのは無理でしょう。休んでください」


ソーキの体は心臓の少し内側や防御しているが少しずつ攻撃が当たっていた箇所から血が流れていた。それでもソーキには戦う意志があった。


「奴は俺の敵なんだよ、決着をつけさせてくれ」


因縁の対決で勝負を自分の手で決めたかったソーキにとってその言葉は否定したかった。だがソーキは大事なことを忘れていた。


「いや、駄目です。私が許しません」


そう、回復能力を使う解放された弥生だった。


「弥生ちゃん……よかった。それでも……」


「俺なら良いでしょう。それに貴方に死なれたら困ります」


知っている人にしか分からないやり取りに死なれたら困ると言う時成の言葉にソーキは頷くことしか出来なかった。


「よろしく頼む。奴は『反撃の新中』だ」


その能力は反撃をする時だけ、初速の動きだしと攻撃力が上昇する能力である。


時刻は午後7時17分を過ぎていた。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』九十五話は12月2日投稿する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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