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風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
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九十話 「俺はあの娘達にあの日から期待しているからな」

遅くなりました。申し訳ございません。

連続投稿2日目です。

テツは正門から離れるとすぐに影道から声がかかった。


「ここより北西方向に右原川の軍団を発見しました。因みに10月に侵攻してきた過激派のメンバーが揃っていて率いているのは『狂戦士』右原川狂朗です」


「了解」


テツは影道の報告を聞くとすぐに直行する。そのおかげか報告が入った5分後には軍団と接敵していた。


「降伏するなら今のうちだぞ」


そう言って強い殺気を全身に纏い威圧するテツに右原川は震え上がった。滅多に戦えない強者のオーラが目の前にいる仮面を被った人と戦えるチャンスが目の前に落ちてきたと思った。


「狂朗さん。敵は『鉄人』です。一応お気を付けください」


「今は一人だが多分やつには『黒の殺し屋(ブラックキラー)』の誰かがついているはずだ」


副官であり副幹部の上雲の忠告を聞いて狂朗は魔法陣を起動させる。その時だった。軍の先端から悲鳴が聞こえてくる。


「これだけか?俺の首を取ると言っている奴は他にいるかー」


暗部の人と分かる黒い仮面は当たり前だがその男の足元には影が月が出て照らしていたはずの影はなくなっており代わりに自分の半身は影に隠れていた。


「気をつけろ敵の中には『影の執行人』が混ざってるぞ」


そう言いながら混乱する軍を立て直し狂朗は蒼い魔法陣を展開した。それには蒼い炎の蒼炎が飛んでくる。その蒼炎を軽々と避けると着弾した後には丸い半径1メートルのクレーターみたいなのが7個も出来ていた。


「さすが狂戦士に鍛えられた精鋭軍とご本人。危うく死ぬところだった」


「そんなつもりは全くないのだろう?」


狂郎とテツは睨みあう。だがその真ん中付近にいる軍が邪魔で近接戦には持ち込めなかった。


「なぁ影。二人のうちのどちらかを連れてきたら良かったんじゃないのか?」


「まぁそうだと思うけど居ないものを嘆いても話にならないし今できることを全力で行動するのみだと思いますよ」


二人でこそこそ嘆いているときに、狂郎がとある一言を言ってきた。それは弥生を見たことがある人の言葉でも、軍人としての言葉でもあった。


「わざわざ守られるだけの人間を助ける為に命を捨てるのか。案外人の心があるのだな暗部とやらは」


「はっ。そんな訳がないだろ」


その続きを言う前に飯田軍人は魔法陣を展開して魔法を放った。テツは握り拳を作り肘から硬化して先ほど攻撃してきた狂郎の部下の腹部を殴って気絶させた。だがまだ残り100人以上軍人はいる。そしてテツは言いきれなかった言葉の続きを言った。


「俺はあの娘達にあの日から期待しているからな」


その言葉は影道にとってテツの覚悟を知るには十分過ぎる言葉だった。


登り始めた月は漂っていた大きい雲に隠れ始めていた。時刻は6時15分を過ぎていた

次回『風の想い人』九十一話は11月3日に投稿する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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