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風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
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八十六話 斬撃との向き合い方

遅くなり申し訳ございません。

言い訳ですが一昨日、昨日と約2日間熱が出ていました。今は元気になっています。

この話を読んでいる読者の皆様の健康を願っています。

約8年前。時成と真7歳の時に初任務で蓋突き村へソーキとたくの内政視察について行っていた。その帰りに蓋突き村の不良に襲われていた。その時に真は自分を守るために使った能力で人を斬ったのがトラウマになっていた。


そして6年前、任務終わり帰り、時成と真は中呂村の裏路地で不良に襲われた。その時も真は自分の能力は使わなかった。


「何で能力使わなかったの?」


必死になって戦った挙句、逃げてきた二人は途中に太陽に助けられて中央支部にまで帰ってきていた。


「2年前、初めて能力を使った時、人を斬ったんだ。俺は情けないから人を殺したくないって思うんだ。本当なら使えば良かったんだけど、使うのを躊躇ってしまった……」


真はうつむいて涙を流していた。それを見て時成は少し怒り口調で目を閉じて自分が思うままにそういった。


「それで怖くなって封印しているんだ」


「うん」


「けどその能力は一生君の力だよ。それに俺はその能力は強いと思うけどな」


ニコッと笑う時成を見て涙を流すのをやめた真はやっぱり俯いたままだった。


「力でもないし強くない。俺は斬撃で人を斬りたくないのにこの能力を使えば簡単に人を斬ってしまう」


震えた声で話す真に、時成は自分が思っている残酷な事実と未来を伝えることにした。


「けど斬りたくないのなら斬らなければ良いだけなのにな。きちんと向き合わないといつか死ぬぜ。今日は運がよく助かったけど」


「そうだな」


「俺たちがいるのは裏社会。信用が出来るのは身近な人だけ。そんな中で俺の相棒はずっとお前だ。約束する」


ニヤッと笑って真の方を見る。目の色を変えて緑色の目になっていた。


「ははっいいのかよ。これ以上俺は成長しないかもしれないぜ」


真はもう俯いてはいなかった。真と時成は目を合わせた。二人とも覚悟をしているような目をしていた。そして笑った。


「真は絶対に成長する。そう信じてるし期待している」


それは時成齢9歳の決断だった。そして真はこの日から自分の能力と真剣に付き合うことにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

w182年。5月18日。羽村に斬られた左胸の傷が手当で包帯が巻かれている中、真は中央支部の医務室から執務室に歩いていた。


やっぱり羽村には勝てなかった。近接勝負がやはり弱い。何の為に強くなる。あいつは暴走してまで約束を守った。俺はどうする。将来あいつの右腕になるのなら……恐怖で恐れる剣士になりたい


中央支部の廊下を一人歩いていた真は羽村に斬られた左胸を押さえた。僅か1日では傷が治るわけでもなく無理をしているのは自分でも分かってた。だが今以上に変化しなければならないと昨日思った。だから真は歩みを進めた。


「真です。失礼します」


執務室にはテツ、影道、たく、ソーキの四人がいた。真は一礼してから執務室の一番奥の椅子に座っていたテツや横の椅子に座っていた他三人に真は、話しかけた。


「いきなりすみません。隊長。皆さん。俺に多対一の戦い方を教えてください」


「それはなぜだ」


テツは今見ていた報告書を見るのをやめて真を見つめた。


「俺の能力なら一対一でも戦えます。今回みたいに一対一で滅法強い相手には勝つのがやっとです。ですがそれは得意な時成に任せれば良い。俺は時成が苦手な多対一を極めたい」


真っ直ぐ見つめる真にテツは笑って席を立った。


「分かった。だがまず怪我を治してからな。まぁ元々、お前らには色々教えようと考えていた。でもその意思があるのならそれを多く教えようか」


テツはそう言って周りを見て頷いているのを確認してから真を撫でた。そして扉が叩く音が聞こえた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


そして時は戻り現在。それを聞いた蓮は再び質問した。


「魔法陣に強いと分かったんのはいつだったんだ?」


「それは能力の改良のときですね。紗奈香がもしかしたらとか言って、俺に速い斬撃を出せとそう言われましてずっと練習していたら最近になってやっと出来るようになりましたね」


「それで試してみたところ強かったと」


仮面で表情を見えないが真は自分が思っている人物像に近づいてきていて笑顔になっているんだなと蓮は確信していた。そして未来が楽しみだと話を聞く以上にそう思った。時間は6時30分を過ぎていた。

次回『風の想い人』八十七話は10月14日に投稿する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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