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風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
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八十三話 居残り

転移して来た黒服の暗部は飯田の拠点に攻め込むように動いていた。


「基本は表と裏側からの侵入を試みる。俺と影の二人が正面から攻め込む。後は上手くやれ基本は死ぬこと以外なら何をしてもいいが沙羅は魔法を使うなよ」


「了解しました」


それを言った二人は正面に走り出した。


「ちょっもしかして転移するとこ間違えたかも」


魔法の反応がした魔法使い二人は背後にいた飯田軍の魔法部隊の魔力を察知して飯田軍が戻ってくるように感じた。だから少しうろたえてしまった。だがそれを聞いた真は追いかけてくる飯田軍の方に向いた


「こっちから殺気を感じる。多分転移の魔法を察知してここに軍が戻ってくるのだろうな。ここは俺が相手をします。皆さんは拠点に乗り込んでください」


とっさに真は自分の刀を鞘から引き抜いて眉を寄せて険しい表情になっていた。


「行こう。真なら大丈夫だ」


時成は緑の目になって真の目を見てから任せることを決めた。だが蓮は立ち止った。


「君が相手をするっていうのかここでこの数を」


相手の人数がよく分からないが飯田軍は推定1000人弱は居ると思われる中、魔法を使用するのを禁止された沙羅をここに残し全員を相手にすると覚悟を決めている真に蓮は心配する。


だがその言葉を聞きほかの人たちはもう動き出した。


「残りたいなら残ればいいさ。お前がいれば俺は安心して仕事が出来るからさ」


たくはそう言って最後尾を走りだした。蓮は立ち止まって自分が持っていた黒鞘から剣を引き抜いた


「俺は残ります。」


「おう、二人のことを頼むぜ」


敵は驚いて列を成して引き返してきているのが3人には見えていた。その数は千人近くいる。


「なぜここに残ると決めたんだ?」


唐突の蓮の疑問に少し驚いた真だが、蓮の方には一切顔を向けることはなく自分の刀を持ち出して冷静に疑問に答える。


「俺には飯田幹部に絶対勝てるという自信も動機もないです。自分の実力と能力ならこの場所で暴れるのが最適だと判断しただけですよ。蓮さんは沙羅さんを守ることに集中してください」


「そうか……必要と判断したら割り込むからな」


ははと自虐しているみたいな軽い笑いをする真にそれ以上何も言うことはできなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


そんな蓮は少し離れて見守っていた沙羅の近くに歩み寄っていた。


「よく残ったね。真が次の隊長だってテツさんが気合を入れて教えているから、実力を諮るのにはちょうど良い機会だし。でももし彼を死なせたら母親は黙ってないかもね」


「うっ……。それだけはやめてほしいですね。あの人は怖すぎですから」


「まあ死ぬことはないと思うね。私は真君の能力(ちから)はもしかしたら『対魔法使い殺し(マジックキラー)』ではないのかなって思っているよ」


それを聞いて蓮は目を見開いて沙羅と真の両方に視線が行ったり帰って来たりしていた。


次回『風の想い人』八十四話は9月23日に投稿する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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