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風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
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七十六話 平和なひととき

遅くなり申し訳ございません。

執務室で暗部の重役が会議している頃。オーバーヒートを治してもらい、元気になった時成と、治した弥生が中央支部の道場で木刀を持って素振りしている時成に背後からそれを見ていた弥生はそう言った。


「ほんと無茶しすぎだよ、時成」


いつも、自分を守るために無茶をする時成の性格を直して欲しいと想いいつもそう言うのだが、時成は一向にその性格を直す気配はなかった。自分としては守ると言う約束を守るために全力を出してもらっていることだからあまり強くは言えないし嬉しかった。だが時成の傷を治す立場としてはその性格を直して欲しいと思っている。


「だからこそ、こうして剣を振っているんだろ」


「一つ提案なんだけどもしかしたら能力の細かい制御の練習を今以上にしたほうがいいかもね」


「それは親父に言われたから毎日しているが、今以上っか。やっぱり最大出力と最小出力なら簡単なのに中間地点の細かい出力を操るとなると、かなり難しい。なるほど、その言い分は一理あるか」


時成は納得して両手で握っていた木刀を左手に持ち替えた。そして右手に拳を作ったり辞めたりするのを交互に繰り返し、能力の出力制御を試しに練習してみた。


「ふふ」


その光景を見ていた弥生は少しずつ笑みが零れて、声が出ていた。上手くは説明できないが約一年前に久しぶりにあった時より今の方が近い目標を持ったのか良い顔つきに変わったなと弥生は何となくそう思った。


「どうした急に笑って……」


時成は急に弥生の笑い声が聞こえてきたので不思議そうに弥生の方に向いた。


「あの中学院で無能力者と呼ばれていた時成に能力の制御がどうのこうのって言っているのがついおかしくなっちゃてね」


「まぁあそこは魔法こそ正義って言われているところだからな。俺みたいな魔力なしがそう言われるのも無理はない」


「まぁそれもそうか」


二人は軽く納得して薄ら笑いをする。そこに二人がいた道場に真と紗奈香が入ってきた。


「あらっ。お邪魔だったかしら?」


紗奈香は分かって来たかのようにそう言って入ってくる。真もわかって入って来たのか


「よう」


と言って手を挙げた。


「いやっ邪魔じゃないよ。ちょっと時成と会話していただけだから」


ニコッと満面の笑顔で笑う弥生は相変わらず可愛いなと時成は思った。紗奈香は弥生の隣に行き話始めた。そして弥生との二人の時間を邪魔した空いた真に一声かけた。


「真。いっちょ試合しないか?」


「いいねぇ。やろうぜ」


二人は木刀を持ち出し、適度な間合いを取ってから構えた。そして試合を始めた。


「こんな日が毎日続けばいいのにって思うけどそうはいかないのを最近学んだんだよね」


「だよね」


女子二人は夜まで道場の壁際に座り他愛のない会話を交わした。こんな二人が言ったように平和な日は長くは続かない。それもこの一年間で学んだことだった。ちなみに男子二人の試合は一回で終わらず五勝四敗と真が珍しく時成相手に勝ち越した。

次回『風の想い人』七十七話は8月12日に投稿する予定です。

次回から恐怖の象徴編の後半に入ります。

一週間空きますが次回もお願いします。

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