表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
74/255

七十四話 中央支部の臨時の責任者

時は戻りここは中央支部。沙羅の転移魔法で帰ってきた4人は時成を医務室に連れて行った後、執務室にまで戻っていた。


「森野家の書状は見ましたか?テツさん」


「ゆっくりとは言い難いが一応見ている。それに今回の一連の流れも確認はしている。けど詳しことを椅子に座りながら報告してくれ」


テツは頷いてそう返事をしながら執務室の片づけた机の近くにある椅子に座った。そして金城夫妻も来客用の長椅子に座りソーキは話し始めた。


「二日前、現場に出ていた良正(よしまさ)が例の物を見つけることに成功しました。彼自身も中学院に通っていながらの参加でしたし処分されている可能性があるなか、よく見つけてくれました。場所は領主亭の最奥だったそうです。あとは裏を取ってからの報告になります。その後の指示や判断は報告した通りです」


「まさか影の弟子が見つけてくるとはな」


テツは頭を抱えた。良正の能力は申し分はなく結果をここ一年で結果を見せた。だからこそ暗部の部下のままでいいのかとても悩んだ。本当は当主の側近で働かせたいが時成に当主を継ぐ気があるのかは今のところ分からない。下手をすれば敵に塩を送る可能性だってあるからテツは自分の思惑を言うことが出来なかった。


考え事をしていた時に執務室のドアを叩く音が聞こえたと同時に一人の女性が入ってきた。そしてテツの前に来ると急に報告し始めた。


「テツ。寝かしつけた時成だけどオーバーヒートの一歩手前の症状がでていた。今は気絶しているから大丈夫だけど起きた時に反動でどうなるかわからない状況に今なってる」


中央支部の臨時の責任者『東堂もかな』がそう報告する。東堂もかなは真の母であり、たくの嫁だ。ちなみにテツとは同じ年の幼馴染であり、とある一件があってからは暗部の人間の幹部は誰も彼女には頭があがらなくなった。


綺麗な髪は少し銀髪が混ざった黒色でショートカット。整った顔立ちは年を感じさせることもなかった。そして彼女の顔を見るだけで、息子の真の顔は母親譲りだと一目見ただけで分かる。一重で茶色がかったその目は多くの人を引き寄せられるような透き通った目をしていた。


「その件は弥生のやつが何とかするだろう放置していても大丈夫だ。いつもすまんが助かった」


テツは頷いて近くにある来客用の長椅子に座れと目で合図する。


「ありがとう。それにしてもピンポイントで弥生ちゃんが狙われたって感じだよね。それってあの御曹司が狙っているのかそれとも……」


もかなは言いずらそうに言葉を探していたがテツがもかなが言いたいことを口にする。


「俺達を呼ぶ人質に狙っているとかかな」


こくんと頷いたもかなはそれ以上推測は何も言わなかった。


「それでも対策会議はするにこしたことはないだろう。影は今どこにいるか知っているか?」


「ソーキ達の後始末に動いていると思うよ。北側には天将もいると思うよ。そんな配置にしたはずだったよね」


「ああ。普段はあまり呼ばないけど、今回は君を呼んで正解だった。それじゃあ全員ここに一回帰ってくるようにと指示を出す。伝令系統の手配をよろしく頼む」


「了解です」


そう言ってからもかなは軽くテツに頭を下げてから執出て行った。

次回『風の想い人』七十五話は7月22日に投稿する予定です。

次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ