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風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
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七十二話 密約の書状

遅くなり申し訳ございません。

中央支部ではソーキが責任者として情報を探っていた水無村を治める森野家に諜報活動をしていた部下が執務室に入ってきた。テツは机に散らばった報告書の書類を整理していた手を止めて


「隊長見つけました」


一人の隊員が執務室に入ってきた。手に持っていたのは明らかに横に長い紙を丸めたものだった。それを丁寧に広げて綺麗になった執務室の机に広げて、中に書いてあった文章を見てテツは仕事の速さに驚いた。


「おいもしかしてこれは……」


中に書いてあったことは森野家当主と飯田正則との間で将来的に風の民を裏切ることの確約と暗部との小競り合いには不可侵を貫くという内容だった。11月に起こった飯田の侵攻が蓋突き村以南しか侵攻がなかったことに怪しいと思っていたがまさか2ヵ月で確実な証拠が上がってくるとは思ってもいなかった。


「現場の判断はどうなっている?」


「これに気が付いたのは昨日でもうすでに写しをとってからダミーを森野家の屋敷に置いてきています。これを見たソーキさんは本日見ノ木村から帰ってくる子供たちの安否確認と見回りに行っています」


「なら良い。俺も水無村の支部に行こう」


その時執務室の地面に青黒い魔法陣が出来る。その瞬間、肩までかかる少し赤みがかった髪に真っ黒な仮面を被っている。転移魔法陣を使えるのは沙羅しかいなかった。


「報告します。飯田正則が見ノ木村と水無村の村界で弥生ちゃんに接近しました。現場に来てください」


「了解。ここの後は任せた」


と冷静に返事をしたテツは近くにあった自分の仮面に手に取ってを被り、報告に来た部下に後の指示を残して、沙羅が転移してきた青黒い魔法陣に乗って消えていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


時は少し進み時成が弥生を逃がした後。


「やばっ」


弥生は白い刀が飛んできているのに気が付いた。だが目の前には謎の黒い魔法陣が出来ていた。するとその魔法陣から飯田軍と思われる人たちが10人が出てきた。その中で転移魔法陣を展開できるのは開花の虹目だけだった。


飯田正則の幼馴染で多種多様な魔法使いがいる飯田家で転移魔法陣を起動、展開したことができるのは開花だけ。飯田正則から逃れてもナンバーツーがく……る


後ろを気にしていた弥生だが魔法陣の近くにいる飯田軍に気をとられ白い刀の方を放置してしまった。自分の頬に白い刀が当たり血が流れ始めた。痛みをぐっと我慢しながら走っていた弥生は、目の前にいた飯田軍のせいで足を止めるしかなかった。



「女の子をよってかかって虐めてさ。大人として恥ずかしくないのかなぁ」


二本の長刀を腰に帯刀する仮面を被った黒服の男は両手に魔法陣を展開しながら抜刀する。


「奇襲が成功すると思ったの?甘いね。ちゃんと影は仕事して報告はきちんと入ってくるんだよねー」


助けに来たソーキは右手の刀には炎を左手の刀には吹雪を纏わせて剣先を地面に向けた。


「レストム要塞で最前線に戦った。『属性剣士のソーキ』がここでまた出てくるのですか」


虹目は面白いと言わんばかりに青い大魔法陣を展開する。その魔法陣からは辺り一面飲み込むほどの蒼い炎が展開される。ソーキは左手の刀を斬り上げる。


「高出力」


ボソッとそう言うと纏った吹雪が離れ、刀の柄の部分には再び炎を刀に纏わす魔法陣が展開される。そして右手の刀を左手の刀をクロスさせるように空を斬った。その瞬間、バゴンと言う音と共に水蒸気爆発が起こった。


「きゃー」


という弥生の叫び声が辺りに響き飯田軍と弥生とソーキは爆発によって吹き飛ばされた。


次回『風の想い人』七十三話は7月8日に投稿する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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