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風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
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六十八話 新年は嵐から

前回5月27日に更新予定だった話になります。皆様も体調には気を付けてください。

本日は1月1日。新年w183年が今日から始まる一日。中央支部では世間から黒の殺し屋(ブラックキラー)と呼ばれる人たち、偵察や仕事が無い暗部の人たちが勢ぞろいしていた。


「隊長。おはようございます」


テツに向かって太陽が挨拶をした後、揃っていた人たちが一斉に頭を下げた。


「今年は多分だが、本職が忙しくなると思う。大変だが共に生き残ろう」


テツは握り拳を作り力強く声を上げる


「それと10年前の約束はすまんがもう少し待ってくれ。申し訳ない」


テツは深々と頭を下げた。それと同時に影道、太陽、天将、たくとソーキが頭を下げた。


「大丈夫です。まだ皆さんが思っている時期ではないのでしょう。僕たちも五代目に忠誠を誓っています。何年でも待ちますよ」


と振子明人はそう答えて笑顔になった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


それから二時間後。時成は中央支部の裏山で真と一緒に木刀を持って太陽を相手に模擬戦をしていた。


「相変わらず化け物みたいに強いなあの人は」


真は木の陰に隠れて近くにいた時成に声をかける。開始から15分。この時間の間、一回も自分の攻撃が通らないことに『強い』とはこのことを言うのかと再び納得する。


「それでも勝機は絶対にあるよ」


時成は少し口角を上げる。


「だけどあの人たち絶対に面白がっているだろ。賭け事していたし」


と思い出すのは約20分前。唐突にテツが「どこまで強くなったのか見てみたい」と言う一言から始まったこの模擬戦。ルールは30分のうちに太陽に二人が共に一撃当てること。そしてどっちが勝つのか参加していない暗部の人たちでお金を賭けていた。


「まぁそうかもしれないけど、これから本格的に飯田軍と戦うかもしれないという危機も迫っている。だけどとてもいい経験をしていると、俺は思うよ」


時成は木の陰から出て太陽の方へ歩いていく。


「真も逃げなくなったよな今になって思ったけど」


「何も出来なくて負けることも、3人の足を引っ張るのも嫌なだけだよ。」


そう言って真は昔を思い出す。事あるごとに目の前の事柄から逃げていた。だけど今は違うと胸を張ってそう言うことが出来る。


「俺も変わったんだ信じてるぜ、()()


「ああ頼む」


二人は走り始めた。時成は太陽に向かって上から下へ木刀を振り下ろす。太陽はその木刀を自分の木刀で受け止めた。その一瞬の隙を付くかのように真の斬撃が右から飛んでくる。


「いい攻撃だがもう少し隠れるのを上手くならないといけないな。飛んでくる方向が分かれば攻撃をもらうことはないな」


太陽は時成の木刀を押し返し、飛んでくる斬撃を的確に当てて消滅させる。そして時成に追撃するために左から上へと斬り上げる。その攻撃に対して時成はバックステップして間一髪でかわした。


残り10分。時間がないな。ここからやるしかない身体強化の全力を


時成の目と髪が緑色になり開始10分で使って全くと言っていいほど通用しなかった能力を再び使用し始める。


「ここからが俺の全力だ」


と言った瞬間、真の斬撃が今度は左から飛んでくる。そして時成は右から左へ水平に斬りかかり太陽は刀を当てて飛ばされる。


「想定通りだな()()()


小さく真がそういった瞬間、時成に当たりそうだった斬撃は上空へと舞い上がった。時成は地面を強く蹴る。太陽が受け身に割いたこの僅かな隙が出来る時間を待っていた。木刀を腰にあるはずの鞘へ納刀する構えをとってから一気に間合いを詰めて突撃し、木刀で斬り上げる。その攻撃に合わせて真は太陽が居る位置へ弧を描くように斬撃を無数に飛ばした。


「まだ足りない」


顎を引いて、落ち着いて突っ込んでくる時成を右下から木刀を払い蹴りを入れる。そして上から落ちてくる斬撃に対しては斬撃を見ずに全てよけきっていた。


「終了」


と言うテツの声が聞こえて模擬戦が太陽の勝利で終了した。 

 次回『風の想い人』六十九話は明日6月3日に更新する予定です。

 次回もよろしくお願いします。

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