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風の想い人  作者: 北見海助
第二章 恐怖の象徴編
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六十四話 通り名は『氷結の姫』

連続投稿初日です。

レストム要塞で領主達が会議しているころ時成は弥生の説教を真と紗奈香と共に受けていた。


「あの時は大魔法を紗奈香ちゃんが使うと言って、結果全部上手くいったから良かったけど。もう二度と同じことが出来なくなったわよ」


弥生に座らされている時成は何も反論することが出来なくなって頭を少しさげる。レストム要塞の攻防戦では基本的に中継ぎをしていた時成は作戦立案に関わったのは最後だけだった。


「紗奈香ちゃんも目立ってしまったけどどうするの?中等学院は正体ばれたら終わりよ」


「それを言うなら弥生ちゃんもでしょう冷眼の娘だし」


「泳がされてるだけかもしないしな」


「「ちょっと時成は黙ってて」」


時成が口を挟んだ瞬間女子二人から同じタイミングで叫んだ。


「ごめんって」


二人ともツンと時成を突き放してお互いにに、睨みあうが音を上げたのは弥生だった。


「うっ……そうだよね」


シュンと落ち込む説教をする弥生に真は手を差し伸べた。


「まあまあ二人とも今回は勝ったんだし今は素直に喜んだらどうだ」


真は二人の間に入って仲を取り持った。


「それもそうね」


と二人は諦めて笑った。この間時成は黙ってうつむいていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


レストム要塞防衛戦から一日後、風魔連合共和国の首都、魔京で議会が開催されていた。その議会では全議員33名と特別議員の飯田正則が出席していた。


「風の民は度々俺の部下を暗殺してくるだから俺は自分の軍を率いて風の民を粛清してきた。結果は皆さまがたも聞いている通り蓋突き村を占領することに成功した」


「あの忌まわしき村をやっと占領できたか。長かったじゃが、レストム要塞の侵攻は失敗したのだろう?」


長年この議会で活躍しているフリッツ翁卿が正則に質問する。フリッツ翁卿は御年62年で議会議員の最年長。腰も曲がっておらずボケてもいない。そんなフリッツに質問された正則はこう切り返した。



「風の民でとんでもない化け物と出会いました。蓋突き村で多くの作戦の邪魔をした挙句レストム要塞では要塞を囲むほど凍らせた。あれこそ、長年、風の民自治区の侵攻を邪魔した人物と思われる。だから俺はこの人物を氷結の姫(ひょうけつのひめ)と呼ぶことにした」


飯田正則はこの時点で大魔法を使った人数の把握をしていないという致命的な間違いをしていた。なぜなら蓋突き村で妨害したのは沙羅であり、レストム要塞で周りを氷漬けにしたのは紗奈香だった。それもそのはず正則は蓋突き村で沙羅を視認していたが、レストム要塞では『銀世界』を使われたという事実しか確認していないこれが間違えた原因になっていた。


少し冷静になった正則はここに居る議員に向けてこう発表した。


「この会議が終わり次第、風の民自治区と内乱状態だと発表する。この国の平和に向けて風の民自治区と条約を結びたいとも考えている。条約内容は風の民の自治権を無くすのが最低条件だがな」


正則が言い終わったと同時に議員達は拍手をしてたちまち拍手喝采になった。風の民自治区は自然豊かなで恵が多く魔法工学にも長けている技術者も多い。これが手に入ればと思うと比較的野心家が多い議員達は多くの陰謀がある中で自分の都合がいいように考えるのだった。


 次回『風の想い人』六十五話は5月4日に投稿する予定です。

 次回もよろしくお願いします。

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