四十八話 能力技能と魔法技能
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
戦闘狂が侵攻してから3日後。ここは見ノ木村にある中学院。今は校庭で多くの人が魔法陣の起動の練習をしていた。
「今日は炎の魔法陣を起動して展開してもらう。そしてあの的に当ててもらおうと考えている」
丸い的だが距離も10メートル離れている。大きさも半径30センチぐらいだ。
担任の布留 白奴先生が、そう言った。先生曰く、飯田の非常勤の軍人らしく遠征とかにも参加したことがあるそうだ。
生徒は校庭に一列になって両手を前にだして魔法陣を目の前に起動させようとするのだが時成は出来る気配がなかった。
魔力がない時成にとってこの時間は退屈であり苦痛だった。そしてこの状況が無能力者と呼ばれる理由だった。
早く終わらないかなぁー
と思いながら時成は諦めて時間が過ぎるのを待つことにした。
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夜。中央支部の道場には時成、弥生、真、沙奈香、良正そして霧隠 ライカがいる。
ライカは追目良正と同級生で川田影道のもう一人の弟子だ。背は弥生位に顔は冴えないように取り繕っている。
そして道場に沙羅が入ってきた。
「皆揃ってるね」
そう言った沙羅は道場の床に座って話し始めた。
毎週火曜と木曜日には黒の殺し屋によるそれぞれ得意分野の授業が行われていた。
「今日の私の授業は魔法技能についてね。沙奈香、簡単に説明してくれる?」
質問がきた沙奈香は軽く頷いて説明する。
「魔法技能は大きく分けて二つある。一つは魔法陣の起動、展開分野。もう一つは家具などに用いられる技術方面の分野がある」
「正解」
沙羅は笑って沙奈香の方を見ていたが視界には「面白くないなー」と思っている時成が映っていた。
「魔法陣の起動、展開分野は中学院で学べると思うし、私からは技術方面を教えるわ。それに魔法陣の方は誰かさんは使えないから聞くつもりもなさそうだしね」
ニコッと笑う沙羅にギクッと驚いた時成は視線を外した。
「魔法技能はアイスジーナ王国がこの付近では一番有名だけど、時成は何故有名か知ってる?」
「ランプですよね」
「そう。あの国は街にある街灯のランプを作った。その技術の名前とかは分かるかな、真君」
俺かよと言いたげな真は少し考える。だが結局分からずに素直に両手を上げた。
「分かりません」
「そうよね。だってこれ秘匿技術だし、知っていた方がおかしいからね」
沙羅はクスクスと笑った。
「魔法陣記憶装置。そのままの意味の通り一つの魔法陣を一度起動すると永遠に記憶し続ける装置のことよ。発案は五代目で技術的に成功させたのはアイスジーナ王国の研究者達。色々と問題はあったけど今では数多くの灯りを灯すランプはこの技術が使われている」
この授業に参加していた子供達は驚きの余り言葉を失っていた。
「暗部は誰でも知っていることだしね。日向でいきるのも陰で生きたとしても知っていて損はないと思うよ。その技術を使って新作とかも研究中だしね」
沙羅はニッコリと笑いながらその先の未来を考え始めていた。
次回『風の想い人』四十九話は1月21日に投稿する予定です。
また四十九話からは二章に入ります。今年は昨年よりも多く話を書いていこうかなと思っています。
今年もよろしくお願いします。




