三十八話 グリーンアイ
先週投稿する話でした。
予約ミスをしてしまっているのに気がつきませんでした。
遅くなってしまい申し訳ございません。
あの後。飯田の本拠地にある会議室の中では風の民と飯田の関係を虹目は説明していた。
「4月に『冷眼の天将』がここ魔京に出没しました。その時に冷眼には中学院の生徒に娘がいることが分かりました」
虹目は4人を見る。アイスジーナ王国のゲンゾウ・ゴトウは興味が無さそうな態度をとっているが、その他二人は話に食いついてきた。
「あの冷眼に娘がいましたか。驚きです」
そう回答するのは都市国家アクアストームの十川正吾。
「他の黒の殺し屋に子供がいても不思議じゃなくなりましたね」
とダークブラッド帝国のバロ・ジアス。
「さらに約1ヶ月後。今度は旧風の民との国境付近にある中学院の近くで『辻斬り』と遭遇しました」
その言葉を聞いてバロ・ジアスは虹目に圧力をかける。
「先ほども言ったが計画から約15年が過ぎています。世代最強回復能力者が死んでから約15年。記憶使いが死んでからは約10年が経とうとしている。あの土地は飯田も欲しいはずだ。黒の殺し屋が死なない間は戦争では有利に勝つことが出来ない。接触が多いのなら。チャンスはいくらでもある。急げ」
「それは仰る通りです。だから飯田家は15年もの間、黒の殺し屋を探し続けています。帝国が動けば簡単に暗殺は出来るでしょう。しかし、帝国が動けばその先の未来にあるのは戦争です。そしてあの要塞に籠城すれば被害が大きくなるのは目に見えている」
一息に話した虹目は少し深呼吸をして間を空けた。そして息を吸ってからまた話し始める。
「それが分かっているからこそ貴方達は手を出せない。この案件は私達のものです。まだ帝国が動くのは速いでしょう」
虹目とバロの間には火花が飛び散っているように見えるゲンゾウ。だが彼はこの計画について意見や話すことはなかった。彼はこの四国不可侵条約の本当の意味を知っていた。
それは、「四つの国の領土を侵略するのを不可侵にする」と言う条約だった。だが食べ物や物資に困っていた当時の人々はその問題を交渉する為にこの会議がある。
今の会議は残念なことに当時の人々の想いは少ししか伝わっておらず、風の民の領土を手に入れようと各国の人々は争っている。
「分かった。次の会議までは帝国は動かない。だがその後は分からないぞ」
バロはその後を強調して強く虹目に言う。
だが虹目は薄い笑みを浮かべて軽く受け流す。
「忠告だ。緑の目には気を付けろ」
「グリーンアイだと」
十川正吾は目を見開き少し早口でその言葉に驚いた。
「緑の髪と緑の目をした人間にうちの幹部が倒されました。私達はその人間をこう呼んでいます。緑の目とね」
虹目は十川正吾に向かって全員に聞こえるようにそう言った。
次回『風の想い人』三十九話は10月29日に投稿する予定です。
次回もよろしくお願いします。
活動報告を更新しました。




