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風の想い人  作者: 北見海助
第一章 小競合い編
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三十話 風の軍隊長

風の民本部の長老の部屋。


「おおー。御主が来るとはな。こうして話するのも久し振りじゃな」


と話かけるのは龍我透(りゅうがとおる)。その前に正座している男性に透は目を向けた。男性の名前は深中動仁(ふかなかどうじ)。風の民の二大勢力の一角、軍部の軍隊長を透から任せられている人物だ。


風の民の二大勢力とは。一つは市民を最優先で守る軍部と内政執行幹部とその一味。そしてもう一つは、黒の殺し屋(ブラックキラー)それに従う暗部の部下。その両方が従う長老。その構図が今の風の民の勢力図だった。


そして、その構図は長老が一人で押さえ込んでいる状態でもあった。


深中動仁は、華奢な体つきと、パッチリと開いた大きな目が特徴で身長は180センチ大柄。紺色の長ズボンに白いYシャツ水色と白色のチェックの模様がついたネクタイをしていた。因みに風の民では紺色の長ズボンと白いYシャツの服装が正装である。


「長老様。また暗部が飯田と衝突したそうですね」


「相変わらず御主には情報が伝わるのが速いのう。わしはまだ話しとらんぞ。その詳細を今日、会議でテツに話して貰おうとわしは、考えていたんじゃが」


()()時期が早いと思っていますけど」


動仁は大きな目を細くして、左右両方の口角を上げて、顎を少し引いていた。


「御主は何を企んでいるのじゃ。まさか暗部と衝突しようと考えてはいないじゃろうな」


「はは、まさか。先ほど言いましたよ私は。()()時期が早いと」


透の目は真っ直ぐ動仁を見据えていた。だが表情は変わっておらず、無表情のままだった。


「御主。何故わしに会いに来た。それだけ言いに来たのではなかろう」


「あなたの部下の中に水の都のスパイが混ざっていると垂れ込みがあった。余計だと思いますが一応忠告をと」


動仁は透の目を真っ直ぐ見て、真面目な表情になりそう言った。


「感謝する」


そして動仁は立ち上がり透に頭を下げてから


「僕は先に会議室に行ってきます」


とだけ口にして部屋から出ていった。




次回『風の想い人』三十一話は、8月29日に投稿する予定です。

よろしくお願いします。

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