二十八話 アイスジーナ王国
8月10日に投稿する予定だった話です。
風の民より北西に約100キロ。地面は今は背の低い草原になっているが寒い季節になると積雪3メートル位積もる場所もある。標高の高い山々は1年を通して積雪で真っ白になっていて溶けることは無かった。
ここはアイスジーナ王国。6人の貴族と1人の国王が政権を握る貴族制の国である。またこの国の軍部の長を含めて国を動かす仕組みからを6貴族8人体制と呼ぶ時もあった。
貴族は国王から領土を与えられ、与えられた領土を治めることが優先的な仕事だ。
そんな貴族は今、月に1回行われる会議に参加するため国王が住む王城に出向こうとしていた。
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アイスジーナ王国の中心都市ジーナ領。ここには王城が建てられていた。その二階の玉座の間。その広さは部下300人ぐらい入れるほどに大きかった。
玉座には1人の男性が座っていた。その玉座は赤く、金や銀をふんだんに使った派手な装飾が施されていた。
座っている男性の名前はサンザルト・ジーナ。この国の国王だ。
細い目に奥二重。整った鼻と口。短く丸い髪の毛の色は赤みがかった茶色だった。
「一時間後に月例会議が始まります」
「もうそんな時間なのかゲンゾウ」
玉座の間に現れた男性の名前はゲンゾウ・ゴトウ。左目に黒い眼帯をしている。背は170センチあり左の腰には80センチの刀を帯刀していた。
ゲンゾウの役職はアイスジーナ軍長。7年前に病気で失くなった兄に変わり軍部を指揮している。そのゲンゾウにサンザルトは軽く声をかけた。
「お前は覚えているかあの戦争を」
「アイスジーナ分断戦争ですよね。16年前の」
「ああそうだ」
16年前。アイスジーナ王国は二人の王子が国王になるため5日間互いに味方する全戦力を尽くして戦った戦争だった。
「確か2日目までは圧倒的劣勢で3日目から各地の戦場で勝利していきましたよね」
「そうなんだが、何故劣勢だった我らが3日目から勝利出来たのか、いや気にしなくてかまわない」
そう何かが欠落しているんだ。あの日絶対に忘れてはいけない重大な出来事を
サンザルトは少し考え込んだが今は諦めた。
「それよりも国王。今月は四国連合会議があるのですが」
「対応はお前に任せる」
サンザルトはゲンゾウの発言の途中でそう言った。
「分かりました。いつも通りですね」
とゲンゾウは答えた。
次回『風の想い人』は8月20日に投稿する予定です。
補足ですが本来の予定は13日は休みの予定でした。なので活動報告で書いた「本来投稿する予定だった話」はこの回で終了です。
次回もよろしくお願いします。




