二百十六話 王都反乱 2
遅くなり申し訳ございません。
メナト公爵家が氾濫することは分かっていたゲンゾウ・ゴトウ公爵は危篤であったはずの王に呼ばれていた。玉座の間に座っている王とその横にはロトナン第二王子がいた。
そしてその周りには第二王子派と呼ばれている人たちが座っている。
「よく来たなゲンゾウ・ゴトウ公爵」
既に自分が王だと勘違いしているロトナンが声を上げる。だが自分の中にどす黒い何かを感じるゲンゾウは彼を無視するかの如く声を上げた。
「無礼を承知で話があります。王よ」
だがサンザルト国王は一言も話さずこの場に沈黙が訪れる。だがゲンゾウはもう証拠はある程度見つけてあるしサンザルト国王の秘密も知っていた。それがこのやり取りで確信に変わった。
「そうですか。あなた達が殺したのですね」
ゲンゾウはため息を吐いた。敵は2万5千と聞いている。やはり回収したこの城でも中からの裏切りは弱いと見切りをつけていた。
「無礼なゲンゾウ。王はここにいる」
バドドン・ルノン公爵は太ったその巨体を揺らしながらゲンゾウに事実を伝える。
「心が、想いが消された人などただの人形と同じだよ。俺には忠義を尽くすべき人がいるためここで御免」
ぐったりとしているのは見たら分かるし本当に生きているのかもわからなかった。だがゲンゾウはサンザルト国王の名義だからこそ罠だと分かっていても飛び込んだ。
「アイスジーナ王国軍の貴族籍と軍長の資格を外すぞ。おとなしくしていろ」
「結構。別にその地位が欲しくて守りたくて生きていた訳でないし、お前の言葉は効力を持たない。さらばだ」
外では魔法の砲撃合戦が始まりを告げる。すべては手筈通りのシナリオになっているとゲンゾウは思った。
「やつを逃がすなー」
ロトナンはそう叫ぶと控えていた軍人が姿を現した。だが彼らは所詮かつての戦場を知らない武功を欲した若い軍人たちだった。
「『アイスジーナ王国の盾』は伊達ではない」
ゲンゾウは氷の剣を生成すると一振りで軍人を斬った。
それが決定的な軍の分裂になった。そしてゲンゾウは逃げていった。
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