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風の想い人  作者: 北見海助
五章 動乱編
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二百十七話 神降臨

蓮を転移させた後、紗奈香が近づいてきた。


「ねぇ時成」


信頼と確認のために質問する紗奈香は空を見上げていた。


「なんだ?」


「貴方から見て父と母はどんな人だった」


時成は少し考えた後紗奈香の目を見てはっきりと答えた。


「あの人たちの魔法に戦い方に救われた。俺も戦場に出るのならあのような武人にならなければいけないと思った」


「隠し事も多いし、厳しいのにさ。褒めてもらえた時に始めて頑張って良かったっていつも思ってた」


それを聞いた時成は黙った。紗奈香の言う通りソーキも沙羅も剣や魔法を教えているときはかなり厳しかった。それを思い出したのか紗奈香の目から涙が流れてくる。


「もう全てを終わらせる。お父さん、お母さん、空から見てて全て私が継承したよ」


そう言うと転移していった。それを見て時成は近くに来ていた弥生にこう言った。


「水の都は化け物の逆鱗に触れたのか」


「化け物だったらましだったかもしれないよ」


紗奈香の考えのすべてを知っている弥生はため息を吐いた。相手の心を折り味方の指揮を上げる。その切り札の一つを紗奈香は使おうとしていた。


「時成。化け物より怖いものもきっとあるはずよ。例えば人間や妖が関与できないものとかね」


その後すぐにどーんと言う大きな白い稲光と共に上から女神。いや一人の女性が降りてきた。そして水の都中に声が響いた。


「選びなさい水の都市民の皆さん。今自分達がとっている行動の責任がその後何十年以上先まで、子供や孫の時代まで続く事になると」


その言葉を言った後、雨がやみ月の光が彼女を照らした。目が良いものやこのことを知っている人は女神ではなく紗奈香だと言うことが分かる。


だが月の光と夜の闇では判別がつくことは少ない。


その後全ての民や女の人や子供も武器を手に取り戦おうとするその姿にもう勝敗がついたことを察するのに十分だった。


この出来事は後の世でまるで神様が降臨したように見えたとまで言われた。水の都の騒乱は終わり時が迫っていた。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』二百十七話は1月11日に更新する予定です。


今年一年ありがとうございました。後半は私生活が忙しくて想定よりも更新できませんでした。本作は来年に完結を予定しております。修正しながらになると思います。来年もよろしくお願いします。

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