二百十四話 同盟成立
一年半前、真は任務でアイスジーナ王国に来ていた。目的は第一王子、レショット・ジーナがよく使う同年代の子供、エミリーメナトに、第二王子派閥の長のデラスタ・メナト公爵令息と仲良くなることだった。
まず行動したのは顔見知りになることだったがその瞬間はすぐに訪れる。
商会の護衛をしていた真の所にエミリー・メナトは買い物に来た。だがその瞬間に敵対していた商会が雇った殺し屋に襲われる。
炎の魔法を撃った殺し屋は真の一振りで魔法が消されるとそのまま返り討ちに合わせた。
その後は暗部が持っていたものを全て使い、その商会をわずか1ヶ月で崩壊させた真の手腕は暗部でも良く知っている。
そこから二人は仲良くなった。
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「君には気がついてほしくなかったけど俺は嘘をつくのは下手すぎる」
「あれだけ重ねて話したことは全部、嘘だったってことなの」
「嘘も真実も混ざってる。お互いに立場がある。色々と騙したのは悪かったな」
真の悲しそうな声に見つめるエミリーは黙るしかなかった。
「これが俺の主からの手紙です確認を」
この手紙を見ると言うことはうちとの同盟を結ぶ覚悟ができたと想います。
結ぶのは大きく二つ、対外国勢力が両国を領土を奪う戦争への協力と五代目と先代国王と密約を交わしていた技術交換をすること
その手紙を読んだレショットは頷いてからこう返事をした。
「問題ない。これからよろしく頼む」
それを聞いた真は軽く頭を下げてニヤリと笑った。こちらの仕事は終わったと。
放心状態になっているエミリーを置いといて
その時だった。黒く雨が降る空から地面に突き刺さるかの如く雷が落ちた。
「さぁ断罪の時だ」
真はそう言うと空を眺めた。この国の未来に関わる重要な審判な時
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次回『風の想い人』二百十五話は12月7日(木曜日)に更新する予定です。
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