二百二話 王国王子と風の民当主
ここは王国王城、軍隊長の執務室には時成とレショット王子が互いに座っていた。
「父が倒れると言ったことがなければ計画通りだったのだけどな」
「それはこっちもだよ。属性剣士と氷結の姫の二人が亡くなったんだそれこそ計画が狂う」
密談を交わす中で互いに仲良くなった二人の間には二人しかいない時に限って敬語が消えていた。
「水の都に手を出すつもりか?」
「まぁな」
水の都の事情を知っているレショットだからこそ今なら勝てるチャンスがあると思っている。だが王国は一枚岩ではなく信頼を寄せているゴトウ公爵が率いる軍にも信頼できない人がいることが今日分かった。
「この一件を解決する為に不可侵条約を結びたい。前にも話をしたレショットが国王に成り俺の国と同盟を組む。国王になる時の手柄はそちらに渡しますよ」
「前の話とは違って今、何故不可侵を?」
「どこの国の人であろうとうちに手を出してきたなら消さなければいけないからな」
一瞬の殺気に動揺するがすぐに冷静になりレショットは返事をした。
「わかった。先ほどの話は約束しよう」
すると時成は一枚の紙を出してきた
「10日後、ここに書いてある場所に来て欲しい。国取りの詳しい内容はそこで。俺が信頼する部下をそこに派遣する。それで取り引き成立だ」
「貴方ではないのか?」
「うちが抱えている案件が終われば俺もいくけどな。行けないかもしれないから約束はできん」
「了解した」
レショットはそう言って頷いた。すると時成は思い出したかのように一つ付け加えた。
「ああ後、今日戦った王国の兵士の中に王国の盾を除いて一人強い奴がいたな。分かっているとは思うがあいつを大事にしろよ。良い剣士になると思ったら」
そういうと時成はこの部屋から出て行った。
「目ぇつけられたかもな」
そんな彼の名はウラッド・ゴトウ。ゲンゾウの一人息子で王子の幼馴染の一人である
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次回『風の想い人』二百三話は9月7日に更新する予定です。
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