百八十七話 特殊警察
都市国家アクアストームの市庁舎の市長室には市長水野玲と彼の信頼が高い三人の男がいた。一人は副市長で『水の都の番人』と呼ばれる十川正吾。防衛課長のデンド。他には新しく作られた特殊警察の長、七塚 二郎。
デンドは魔法使いで『炎上のデンド』と言う異名がつくぐらいの魔法使いである。だが趣味は筋力トレーニングらしく体の筋肉が大きく胸板は厚みがある。
一方七塚二郎は体が線みたいで細い腰には剣帯をして剣を帯びているが細長く刃渡り60センチくらいある剣を持っている。顔がとても良いと言うわけでもない。特徴が無く、掴みどころも無い人だと同僚には思われている。
特殊警察とは国内の犯罪から指名手配犯までを対応する抑止力の一角と防衛課の仕事負担軽減から生まれた組織。だが裏の顔は軍事組織と言っても過言ではないくらいの戦力があることは今いる四人の共通認識だ。
「ネズミ狩りを始めろ。容赦はいらん」
水野玲の冷たい声と同時に七塚二郎は消えて行った。
「これでは民の不満はますばかり。政治としても何か対応しましょうか?」
「いやまだ良いかな。それよりも食料確保したい。外交課と協力して動いてくれ」
「了解致しました」
十川はそう言って頭を下げた。
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特殊警察と反政権組が初めてぶつかったのは同年8月1日。都市国家アクアストーム領土の島の北東側。そこには反政権組の拠点がありそれを無理やり特殊警察が捜索したことでぶつかった。
戦闘は2時間続き、両者合わせて民間人合わせて死者が15名負傷者42名出て痛み分けで終了した。
8月3日。ここで新たな事件が起こった。その事件は今後の歴史を動かす重大事件になる。
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次回『風の想い人』百八十八話は5月1日(月曜日)に更新する予定です。
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