百八十一話 神童王子と欠陥令嬢
遅くなり申し訳ございません。話が作者の中で迷走して纏まりきりませんでした。
それはレショットが4歳の時の話。当時王国はサンザルト・ジーナ国王が戴冠してから2年目のことだった。
剣術も魔法も人並みよりできるようになった王子はその才能を伸ばしていた。
それを嫉妬したのはメナト新当主だった。彼は裏では帝国と繋がりながらも。表では非常に評判が良く分断戦争では一軍を指揮する将校の首を10人分とるくらい戦争には自信があった。
「今こそ、弱った王国の経済との兵を強くする。富国強兵政策がよろしいかと思います」
「国民は皆希望がないのだ王国は荒れたのだ。それなのに国の軍を強くするという方針では民には理解してもらえないだろう」
サンザルト国王は結集した民の力の強さを知ってから国王になった分、民を大切にすることが大切であることを学んでいた。その方針のずれは二人の間に溝が出来ることになる。
サンザルト国王の第一子であるレショット・ジーナ王子は先の戦争を受けて、後々国を率いて強い王になって欲しいと言う、貴族たちの想いから3歳の頃から魔法を学び出した。そんな彼はわずか半年で炎と氷と水の魔法の基礎を習得してしまう。それを見た王妃は喜んで自分の実家であるイナンナサール家から剣術の講師を招き入れて王子の師匠にした。
そんな剣術もレショットはスポンジのように吸収してある程度使えるようになった頃出会いがあった。
同じ年のエミリー・メナト公爵令嬢だった。そんな彼女はなぜか軍の訓練場に入っていた。
「助けて」
自分よりも背が低く幼いながらもかなり綺麗な目や高い鼻に金髪の容姿彼女を見たレショットは彼女を助けたくなった。
「どうしてここに居るの?」
「魔法も使えない人間はいらないって言われたのだからここに行けば父が嫌いな人たちがいると考えたの」
幼いながらもしっかりと考えるエミリーだが顔は所々赤く足の方にも傷が入っていた。どうすることも分からないレショットは母の所に彼女を連れて行った。
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「あの時は何も知らなかったよね」
そばにいるメナト公爵令嬢エミリーはレショットに向かってため口で会話していた。
「昔は神童王子と欠陥令嬢の凹凸コンビとか言われて国民に笑われていたな」
「私は魔法が使えないからね」
エミリーは少し寂しそうに目を細めた。王国では魔法は裕福な人の象徴だっただがそんな魔法はエミリーは持っていなかった。だからこそ多くの人をたぶらかせるような容姿を持っていてもメナト公爵はエミリーが第一王子陣営に居る都合のいいスパイとしか思われていなかった。
「それにしても殿下は変幻自在な方ですね」
「そうか?別に意識してはいないがなー」
そうは言うが自分が暗愚に見せているのは本当だった。全てはこの事件から彼の本当の努力は始まった。『王妃暗殺事件』
ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回『風の想い人』百八十二話は4月6日(木曜日)に更新する予定です。
次回もよろしくお願いします。




