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風の想い人  作者: 北見海助
四章 革新編
196/255

百七十話 軍隊長試験 前編

 更新が遅くなり申し訳ございません。話が長くなりそうなので二話にしました。その判断が遅れてしまい物語を更新時間が遅れても1話に纏めようと作っていたのが原因です。本当に申し訳ございません。

 話は変わりますが本日から今週だけは2日に1回更新を予定しております。更新時間は本日は遅れましたが15時更新を予定しております。

風の民の軍部は主に国境の守護だったが最近になって中呂村の犯罪の取り締まりも追加業務になりさらに体や魔法を鍛えるのも同時にしなければならないハードな職種である。特に国境の守護に関してはダークブラッド帝国との国境を守護するために多那箕田村の北の外れにあるスパイン要塞に主力部隊が詰めていた。


そしてこの組織の軍隊長は異動と言う名の降格で現在不在であり現在『宰相』紗奈香の直轄になっていた。これが一般に世間目線ではそうだった。


だが実際は責任を取る形で辞めた軍隊長深中動仁(ふかなかどうじ)は元浪花家の領土を良くしようと奮闘していた。


「あーあの野郎ども。自分たちの歴史を盾に自分たちが贅沢するような仕組みにしてやがって」


終わらない書類と問題の片づけに追われている動仁の新しい執務室は元浪花家当主の執務室である。だが煌びやかなものなどなく書類の山を整理するのが一番の仕事だった。


「この部屋は俺より酷いくらい書類で埋もれてるな」


その部屋に現れたのは暗部隊長『鉄人』の異名を持つテツだった。


「暗部隊長は暇なのですね」


会議では意見の相違が度々目立っていたこの二人だが仲は良かった。


「仕事と言って逃げてきているからな、後継は作った方が良いことを最近知ってな。俺よりも書類が得意な人間に押し付けてきた」


「へぇー後継ねぇ。俺の方はまだまだ青二才。現場を知ることが今の仕事だと言い聞かせている」


二人は同時にはぁーとため息を吐いてからテツは本題を切り出した。


「俺は軍部に明るくないからはっきり聞きたい。次の隊長に推薦したい奴はいるか?」


仙堕 冶怒(せんだ じど)を。宰相に比べればかなり劣るかもしれないが突破力は1級品の炎魔法を使う」


「仙堕……。ああスパイン要塞を指揮する隊長か。それならスパイン要塞の防衛力が落ちるのではないか」


防衛の懸念を示すテツに対して自信がある動仁は案を出した。


「なんのために俺がここの領主をしていると思っているんだ、スパイン要塞くらい俺が見れば良い。暗部も何人か詰めておけば異変を感じればすぐに報告が出来ると思うけどね」


それ以外の意味もあるのだろうな


そう考えるテツはその場所から消えた。


―――――――――――――


7月4日。幹部会議では裏切者の処遇が決まった後のことだった。


「そろそろ次の軍隊長を決めようと思いまして、皆様方からの推薦を欲しいと思っています」


「推薦ですか……俺が言うのもなんですが前前隊長のこともあります。六代目の強権を使い隊長を決めればいかがでしょうか」


そう言うのは責任を取って辞めた元『軍隊長』深中動仁が冷静に発言する。


「それも考えたが俺は余り軍部に明るくなくてな。誰が良い働きをしているのか誰が上としてふさわしいのか把握していないところがある」


それを時成が言うと気まずそうなのが二人いた。


「なら試験をしましょうか」


あまり時成を軍部と接触させてなくてその責任からか気まずくなったテツはとりあえず案を出した。


「試験と言っても何を基準に合格と判断するかが大事になりますけど案とかあるのですか?」


この会議ずっと黙っていた雨墨光明。幹部の中で唯一魔力に悩まされている男の言葉は例え人よりかは年を取っていない彼の言葉に試験内容を悩みだす。だが時成はもう答えが出ていた。


「この時勢だからこそトップには皆から実力が認められる魔法使いか剣士が良い。魔法使いなら宰相の結界を割った人間が、剣士なら俺に勝てる人間がいるのなら文句を言わず認めよう」


「六代目自ら試験するのですか?」


テツの内心は色々魔法の技術が盗まれる危険もあるからこそ賛成しかねる。


「盗んでも構わない。これだけ強い人間がこの国にはまだいることを証明するだけだ。まさか余り実力がいかない俺達を超えれないような人間は推薦しないだろうからな」


時成の笑顔はとても悪い顔になっていることに気がついたのは隣にいた紗奈香だけだった。この後の会議は今後の六代目の視察予定が組まれて解散となった。



ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』百七十一話は2月21日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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