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風の想い人  作者: 北見海助
章間 七美の軌跡 青年期~『雨の十五夜』
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章間22話 ジェシ平原の戦い

七美は直ぐに浪花絶人の身柄を出すようにと帝国に書簡を出した。


「帝国からの書簡が帰ってきました」


確かにそのような人物はいるがこちらの人間だそちらで何か仕様が関係のない話。何かしたのなら謝ろう。すまなかった。


格下に見られていることや挑発しているのがわかる文面に七美が動いた。


「戦争よ」


その一言で風の民は一気に戦時状態に移行し、農民を動員したり物資を集め運搬することを確認した。


2月12日。風の民軍5万人はスパイン要塞を背に帝国へ侵攻した。その途中帝国との国境から近くにある砦を約4つ破壊しながら進軍した。


運命を分けたのは2月16日。サワバ・マジック帝国の辺境伯。地位的には上から3番目の爵位を持ったジノミ家の軍とぶつかった。両軍戦力は同程度だった。場所はスパイン要塞から約10キロの高低差がほとんどないなだらかな平原に布陣した。


この平原の名前はジェシと言う。このジェシ平原は今は約2センチの積雪だった。ただ指揮が高いのは風の民軍だった。認識できる範囲に浪花絶人がいることが確認できたからだった。


「敵は浪花絶人を守る軍人。目的は浪花絶人の生け捕りもしくは死体だ。行くぞー」


七美の掛け声と共に魔法使いの魔法戦が始まった。大小さまざまな魔法を両者繰り出して大規模な魔法戦争になり、地形が変わっている箇所もちらほら見かけた。


魔法戦が終わると両陣営がぶつかった。両陣営とも歩兵しかおらず魔法隊が退くと前に出た。寒い中戦場は能力と魔法が飛びながら勝敗はついた。


最初は押していた風の民軍だったがジノミ家の本隊とぶつかると戦線の維持が出来なくなった風の民軍の左翼が崩壊したのがきっかけだった。包囲されまいと必死に軍を撤退させた。敗因の一つは魔法使う兵の練度の差や戦場慣れがあまりなかったことがだろう。ジノミ家は5000人に対して風の民軍は約1万人の犠牲者を出しながら午後4時には戦闘が終了し撤退を始めることとなる。


『五代目』七美の負け戦の一つとして語られることになるジェシ平原の戦いは幕を閉じた。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』章間23話は10月31日に更新する予定です。

本編百五十四話は11月3日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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