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風の想い人  作者: 北見海助
章間 七美の軌跡 青年期~『雨の十五夜』
171/255

章間18話 飯田大侵攻 前編

11月3日までに終わるかどうか怪しくなってきた日付になってきました。ストックも怪しいのでもしかしたら更新予定の日に休みを取るかもしれません。出来るだけ間に合うように更新していきます。休む日は更新した話の後書きに書きます。章間も後半戦を突入しています。よろしくお願いします。

『鮮血の闇市場』事件から飯田家は主な武闘派と執政官が亡くなってそれまであった風の民との小競り合いですら戦闘を避けるようになった。それを良いことに七美は現代に合っていない法や腐敗の原因などを徹底的に調査をしながら改革を行っていた。


だがw159年以降少しずつ飯田家や帝国との要塞をめぐる小競り合いがまた増えていき、w166年11月20日にこの日は普段とは違うと血相を変えてレストム要塞では一人の男が報告に来ていた。


「報告します」


レストム要塞は昨年の秋に完成した中呂村まで続く幹線道路が伸びていた。海洋進出もこの要塞からは出来ないように防衛線を張ることもできる。つまりレストム要塞は南部地域の防衛の要であった。


そんなレストム要塞に水笠家の旧国境偵察からの報告を要塞の執務室で聞いたのは水笠家次期当主の亮二だった。


「飯田軍およそ5000人が旧国境より西3キロ地点で布陣しました。総大将は飯田政則です。暗部と協力して最新情報を共有し、五代目にも報告を入れるそうです」


「倅が出張ってきたのか。これは小競り合いではすまなそうだな。父からはこの要塞の権限を得ている。本邸と海鮫家に援軍要請を」


父であり当主のレトは半隠居みたいな形で少しずつ亮二に権限を渡していっていた。亮二に足りないとレトが思っていたのは戦場の経験だった。


「はっ」


報告に来た旧国境偵察の人は下がると亮二の背後には誰もいないはずなのに男の人のような低い声が聞こえてくる。


「冷静だったな亮二」


そのはずなのに亮二はその人物に目を合わせることもなく、最初からいたかのようにふるまっていた。


「予想でも一ヶ月前から聞かされてるんです驚きませんよ。対策も練っていました」


「ここに貴方がいて良いんですか?太陽さん」


呼ばれた男ははっきりとこう言い切った。


「俺がここにいるのは五代目が君を信頼している証拠だよ」


「戦闘になればよろしくお願いします」


「その時はもう少し暗部が来るだろうな」


「この要塞が味方の影響で壊されないことを願います」


その言葉が冗談で済まされないような連中がこのレストム要塞に集まろうとしていた。


11月24日。早朝。この日はこの日布陣した飯田軍の総大将政則はレストム要塞を狙うべく進軍を開始した。


その対応に遅れたのは軍部隊長浪花絶人だった。軍部は蓋付村を背に4000人が布陣していた。だが霧が出ていた為に飯田軍を見失った。


レストム要塞ではそれから30分後に暗部からの報告が入った。


「緊急報告。睨み合いを続けていた飯田軍全軍が南下中。それの後を追い軍部が南下していますが、霧と地形を利用されゲリラ戦で損耗しています」


元々軍部を当てにしていないレストム要塞陣営は動き始めた。


「全軍。要塞を出て布陣せよ。敵は飯田軍だ」


防衛の要であるレストム要塞に最低限防衛できる人間だけを残してレストム要塞を背後に水笠軍は飯田軍が来るであろう場所に布陣した。


飯田軍が水笠軍と対陣したのは蓋突村より南にあり距離はおよそ2キロの地点に布陣した。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』章間19話は10月24日に更新する予定です。

本編百五十四話は11月3日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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