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風の想い人  作者: 北見海助
章間 七美の軌跡 青年期~『雨の十五夜』
169/255

章間16話 五代目の苦労

w155年2月11日、五代目になった七美は今まで問題になっていた腐敗や法などを徹底的洗い出していた。


今年になってある奇妙な薬の名前を聞くようになっていた。


「魔力増強剤って知っていますか、五代目」


そんな質問をしてくるのは魔法関連の事件等の調査を担当する沙羅だった。


「最近出回っている薬だよね。名前と副作用の凶悪さしか知らないけど暗部に出元と扱っている商人の調査の依頼を出して、彼が帰ってくるのを待っているところだよ」


今年に入ってからその話を良く耳にする七美の元に最初に噂として持ってきたのは都市国家アクアストームと取引をした時の帰りに噂を聞いた千者(せんじゃ)商会の会長千者大喜(だいき)だった。


「もうすでに蓋付村で何件かその薬の中毒者が出ています」


「もう流入してきているんだ。分かった。確認ために本作用の効果と副作用の効果に、なっている人の身元の特定……ああもう何でこんなに忙しくなるの全く」


新しい難題な問題が入ってきてただでさえ頭がパンクしそうなくらい容量が足りていない七美の前に、前代未聞の特殊な薬の対策が必要ですと訴えて来る。それを今でさえ問題を抱えすぎて人手不足な暗部に任務を被せすぎていることは分かっている。だが他に信頼が出来て担当する能力を持っている部署がいなく暗部に頼ることしか出来なかった。


そんな中、他にも仮面をつけた人間が報告に来る。


「報告します。影さんが『水の都』での任務失敗したと都市国家アクアストーム軍と飯田軍から追撃を受けています。現在の報告では首都の魔京から南西に4キロ離れている場所にいるらしいです」


最近多くの情報を収集するために大きくなった暗部の情報網に引っかかった、一つの報告が五代目の元にも入ってきた。


「対応は?」


冷静に対応すると心を落ち着けさせながら話す七美だが追い打ちをかけるかのように今度は部下が生死を賭ける問題に発展する。タイミングが悪いと思いながら文句を言うのを諦めた。その結果平静であることを取り繕うことを少し忘れた七美のその態度が、機嫌が悪いと思われたらしく震えながら続きを報告にする。


「隊長が指示を出し、太陽さんをトップとして10人規模で援軍を送るそうです。他にも北部の方も状況が良くないみたいです」


ついでにと言わんばかりに悪くなりそうな性質をもった報告もする。


「確か、同件をたくに頼んでいたやつね」


七美は思い出しながらそう答えた。


「魔力増強剤の成功例は勿論ですが副作用の方も進展がないのだとか。明らかに情報統制を敷かれていると読んで行動しているそうです」


何も最初から上手くいくとは思っていない七美だがその報告にどこか嫌な予感を感じた。それは理由もないただの女の直感でしないが確かにそう感じている。


「たくにはやばくなったらどんな手段を使っても生き延びてと、後の処理とかは私が責任持つって伝えて」


そう七美が言うと暗部は消えていった。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』章間17話は10月21日に更新する予定です。

本編百五十四話は11月3日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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