百五十二話 風魔分離平和条約
昨日は更新出来ず申し訳ございませんでした。
六代目継承が行われている頃、風磨連合共和国の議会が開かれていた。
「風の民は『緑の目』春風時成を六代目とした。飯田政則が負けた後、更に喧嘩を売ったのは誰でしょうね」
先崎議員がそう言った。北部に味方していた陣営が青ざめていた。
「もう講和するしかない」
南部陣営についている人がそう言った。
「でも出来るのか、無理な要求もしてくるかもしれない」
「なら黙って領土を侵略されていくのを見ているしか……グリーンアイなら恨みもあるだろう。捕まれば処刑されるかもしれない」
それを見て南部側の人は恐怖で保身に走る北部側の人間にあきれた人を無視し始めた。
「この議会に風の六代目を呼びましょう。講和出来るかもしれません。その旨を伝える使者を立てましょう」
「そうだな」
決裂がもう目に見えて分かるくらい深刻な問題になっていた。
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使者が出されてから二日後、春風時成は殴りこむことも手段と考えて暗部メンバーを15人連れて議会に来ていた。
「俺は和平を望んでいる。だが最初に攻めてきたのは貴方がただ。誠意を見せなければ話し合いの土俵にすら上がれないかもしれないな」
議会の中央に座る時成は最初にこの話をした。
そして震えながら北部陣営はこう言った。
「賠償金120万、占領した蓋付に加えて妖心、見ノ木の割譲を提案します」
見ノ木村と妖心村を割譲すると言うことは旧妖魔共和国の四分の一を賠償として領土を失うことだった。
「それはいささか虫の良い話ではありませんか、最初に連合共和国なのに勝手に攻めて人を殺した。その後宣戦布告をして攻めてきた。お前らは敵国だと俺が言っても議員の皆様方は文句など出せないはずだろ」
それは後ろにいる仮面の人達の圧力により敵国と言う言葉がとても重くなるのを感じた。
「独立を認めることも和平文に盛り込む。以後は協力関係を築いていけば良いがしてきたことがある。ちゃんと償ってからそうさせてもらいたい」
そう言うのはフリッツ翁卿。彼に文句を言える議員など誰一人いなかった。それだけ発言力を持つ老人だった。
「連合も解消しよう。我らは妖魔共和国だ。こちらができる最低限の配慮じゃ。それで納得出来んかな」
「ああ。それでいい」
そう言って二人が納得したことにより条約が成立した。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回『風の想い人』百五十三話は9月27日に更新する予定です。
次回もよろしくお願いします。




