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風の想い人  作者: 北見海助
三章 風雲児編
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百四十九話  脅迫の会議

本日から月曜日までの5日間連続更新をします。よろしくお願いします。

この日、本部の会議室には時成の号令で幹部会を召集した。その会議室には領主幹部が先に来ていた。元々本日時成の六代目就任式がある時点で早いうちから集まっていた。そんな彼らは皆黒の礼服を着ていた。服は人それぞれだが薄い縦の線が入っている人もいる。


水増村付近の領主水笠亮二、海中村付近の領主海鮫翔。そして暗部隊長『鉄人』テツ。そして中立のこの本部がある中呂村の領主中橋漸三郎。負けた陣営は誰一人来ていなかった。だがもう一家の中立雨墨家はまだ当主は来ていなかった。


扉が開いて入ってくる少年に一同注目する。その後ろに立つ護衛が『氷結の姫』だった為に


「雨墨光明です。よろしくお願いします」


白い白髪で赤い目が特徴の少年がそこに立っていた。それを見た翔は驚いた。


「雨墨家の次男……。表舞台に出てこれないはずでは」


領を接しているからこそ暗部でも知らないような情報を持っている。


「驚くのも無理はないがそのような事を可能にする魔法使いが暗部にいたことは忘れてはいないだろう?」


誰が忘れるか。こんなに強烈で印象ぶかい人間がそう何人もいてたまるか。だが実際は思い出せなかったけどな


「そう言えばいましたね」


そう言うとお目当ての人達が入ってきた。財務担当の須佐浜太郎、農業、漁業担当の火野花百合。建築、道路担当、新芽 里 (しんめ さと)。この新芽は黙々と仕事をする職人タイプであり幹部会議でも余り発言が少なく忘れられやすいそんな人物である。


「若様」


頭を下げる幹部陣営は時成の着席をもって椅子に座ると会議が始まった。挨拶とか司会とかも居るわけではないからこそ時成が直接話しかけるのを面々は待っていた。


「どうしたい?各大臣殿」


それだけを聞く時成に3人は青ざめていた。この大臣と呼ばれる3人は領地持ち幹部よりも当主に自分の意見を通しやすく各々の行動が直ぐに伝わりやすいので真面目にしていれば信頼も上がりやすい。だが大臣の継承は血ではなく実力なので子供にその地位を上げれないのが欠点であるが権力は大きいのが特徴だった。


「若様に謝罪を」


自身の保身に走る須佐浜太郎は謝るのが早かった。


「「謝罪を」」


他の二人も直ぐに謝るがそのような事では時成が許さないのは分かっているテツはため息をついた。


「別に謝られても気にも止めていないからどうでも良いんだよ正直。お前ら自分の置かれてる立場分かってるのか?」


昨日時成と会談をして今後の打ち合わせをしていたことを思い出す漸三郎と光明は表情に出さないが体が震えていることが分かった。特に光明は椅子の下で右手を左手で掴んでいた。


「は……はい」


この時点で時成の威圧に飲み込まれた3人は頷くことしかでき無くなっていた。


「俺は別にお前らの首を斬れることが出来るんだ。それでも直ぐに斬るわけない。他の人達にあった今後の打ち合わせも3人はなかった。だから3年待ってやる。民の為に自分は有用だと結果で証明して魅せろ。謝罪はそれで受け取ってやる。それが無理なら今から部下に引き継いで来い」


「「「必ず若が望む結果をだしてみせます」」」


流石。あの夫婦の息子だな。成功すれば民のためになる。失敗すれば違う人を上に立たせば良い。良かったな3人とも今日が命日ならずに済んでな


心の中で時成の思考を読み解いているとテツに時成が話しかけた。


「会場の護衛はどうだ?」


「偵察をしている部下から一部ネズミが紛れ込んでいたので駆除したそうです」


「首尾よく頼むよ。騒動を起こさなければ何しても良い」


「分かりました」


テツは頭を下げた。


「ああ。後雨墨家はそこにいる光明君を上に立たせる予定だからな。よろしくね」


それと同時に光明が頭を下げる。時成の中で光明を上に立たせるのは確定していた。


「後は昨日話した通りです。さぁ行こうか」


その掛け声と共に幹部は立ち上がって動き出す。時成の六代目の継承式が始まろうとしていた。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』百五十話は9月23日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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