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風の想い人  作者: 北見海助
三章 風雲児編
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百四十話 大罪人の罪

真と炎狐を残して、即席要塞を背後に時成は動仁と共に自陣に戻っていた。


「俺の人生は若の両親には昔から世話になりっぱなしだったんですよ。色々とね。人生を話すと言ったが浪花絶人のことはしっていますか?」


「詳しくは知りませんね」


「なら先にそっちからの方が良いかも知れませんね」


動仁は息を吸うと話始めた。


「浪花絶人は俺より前の軍部隊長であり、血筋は浪花家直系の長男。そして若の叔父にあたる。そして炎狐の実の父親です」


「え?どう言うことですか」


「奴の罪は連続殺人。手にかけた人は当時の宰相、『双剣使い』の長澤呉、妹様、『世代最強回復能力者(ヒーラー)』南雲千愛音。旧姓長澤千愛音の3人ですがどれも風の民の中では重要人物でした」


時成は驚きの余り目を開いた。それを見てある程度理解した動仁ははぁーとため息をついた。


「暗部の人達から聞いてなかったんですね。この事件が五代目政権の衰退の始まりでした。俺は奴を殺し損ねた。目の前で妹様が殺されたのにも関わらずに」


その動仁の言葉を聞いて今でも心の中に彼女がいると時成は感じた。それはかつて自分に生き方を教えてくれた父と同じだと気がついた。それと同時に自分の手で浪花絶人を手にかけないといけないと改めて感じた。


「今の暗部の幹部、それこそ隊長テツもお世話になった大恩人が長澤呉。自分達で決着をつけようと黙っていたかも知れません。大事なのは奴の計画性に性格です。今やっと奴は帝国男爵の地位について領土を保持している。風の民の南部は特に領土の広さ以上に麦や野菜が収穫されることは知っているでしょう?」


「やっぱり奴の狙いは領土。帝国で成り上がるために必要なのでしょうね。それに我慢強く決断は素早い。面倒くさいですね」


「取り敢えず俺の人生はまた後で話ましょう。さぁ着きましたよ」


話を終わるといつの間にか自陣の近くまで帰ってきていた。そして時成の前に大罪人が姿を表した。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』百四十一話は8月26日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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