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風の想い人  作者: 北見海助
三章 風雲児編
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百三十九話 水を差す伝令

まずは火曜日の更新が出来ずに申し訳ございませんでした。原因は私生活に急用が入ったからです。本当に申し訳ございませんでした。火曜日更新の分は本日の更新分です。またお詫びとしまして別の週に一話多く更新させていただきます。その時は前書きか後書きで予告させていただきます。こんな作者ですが今後もよろしくお願いします。

時成と真が戦う人を入れ替えてから、真は押せ押せの勢いで炎狐を追い詰めていた。やはり炎狐の能力でも普通の魔法使いの魔法陣の展開よりかは早いが極すぎている動仁よりかは相性が良かった。


「まさかこんなにも攻め立てられるとは思ってなかったようだな。動きの速さ、魔法陣の展開速度、何をとっても実践を余り経験していないような動き」


「それがどうした」


炎狐は真見たいに刀を振って火の弾を三発真に打ち込んだ。


「刀や魔法に命を賭けて戦うことを知らないような攻撃では魔法や刀は俺に届かない」


圧倒的強者の動きや言動なのにそこに驕りや油断は存在していないと時成は背後で感じた。


「『浮き雲』の息子だな。あの戦い方よく似ているが似て非なるものだな。時成さんが『五代目』と『辻斬り』の息子。後はパズルのピースみたいに当てはめるだけの簡単な仕事だな」


「それが分かって何になる?」


「得て不得手が次第と分かってくる。暗部の幹部連中全員でもそれは然りだよ」


動仁は時成との間合いを詰めるが時成の水平斬りに弾かれた。


「なるほど対策はしているか」


今度は時成が攻勢に出ようと脚を踏ん張ったときその戦闘に水を差すかのように


「報告します。味方自陣に浪花絶人が現れました」


戦場でも聞こえるような声で暗部部下のそのような報告が入った。


「まぁここまでで良いだろう。戦闘は終わりだな。まず俺に主導権はないと言っただろ。暗部のルートから入ってるかも知れないが本当に浪花や森野がどうするかは知らなかった。まさかあの野郎、浪花絶人を連れてきたのかあり得ない話しだ」


吐き捨てるように言った動仁のその言葉を聞いた時、動仁の言葉に嘘偽りなどないと心から感じた。


「ここにいる倒れている人達に出来るだけ治療を」


時成は影に隠れている良正とライカにそう指示をだす。


「俺はお前ら暗部と敵対するつもりなどなかった。だがあいつらが乗り気だった手前戦うしか道が残ってなかった。なら全てはこんな俺に従ってくれている人達のためにより良い未来を歩けるように動くしか出来なかった」


時成は刀を納刀する。


「まぁあの野郎を野放しにしてしまったのは全て俺のせいなんだ。そんな俺の馬鹿な人生の話を聞きながらあの大罪人の討伐に向かうとしようか」


そう言って動仁は動きだした。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』百四十話は8月22日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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