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風の想い人  作者: 北見海助
三章 風雲児編
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百三十六話 「「やっぱ、紗奈香は人間辞めてるわ」」

即席要塞の門の前。門や囲っている壁まで約1週間で作り上げたとは思えないような分厚い壁が並んでいる。色は木を材質にしているのだろうか茶色だった。高さ5メートルぐらいあるその壁には5メートルくらいの厚みがあった。そのような要塞に向かって時成と真は歩いていた。


「警告する。これ以上来るなら攻撃を開始する」


要塞の中からそんな声が聞こえてくる。


「後悔するなよ。俺は敵対しない奴しか攻撃しないからな」


時成は言われた場所から一歩前に出る。それを見て要塞の上に20個以上の魔法陣が起動して攻撃が始まった。


「俺達は歩くことしかできないよな?」


「任せてるからなあいつ以上の攻撃魔法が飛んでくるなら俺が対処しよう」


「よろしく頼むよ」


「さぁ始まる」


炎や氷など大小様々な魔法がおよそ100ぐらいが二人に向かって飛んでくるが攻撃が途中で止まって消えていく。二人の前には3枚の結界が張られていた。


「紗奈の寝不足の一番の原因は魔法の練習が楽しくて夜遅くから日が昇るまでしていたことだ」


「まじか。俺は仕事を与えすぎていたと思ってたよ」


「まぁそれも一つの原因だな。紗奈の悪い所だけど魔法の練習をしだしたらのめり込んで周りを気にしなくなることだな」


「その結果が『結界師』が使うクラスの結界でこいつだろ?」


100以上の魔法攻撃が当たっている結界には1枚もヒビ一つなくとても美しく原型が残っている。


「紗奈香は人間辞めてると思っているのは俺だけだろうか」


「俺も思うが、あの人達の弟子だと言うことは他所から見れば俺達も辞めてると思うけどな」


真がそう言った時上空から炎の槍が一本要塞の門に刺さってそこから燃え広がり門だけを焼いて延焼は止まった。


「「やっぱ、紗奈香は人間辞めてるわ」」


その光景を見て魔法が使えない二人は息をそろえてそう言いながら門を潜った。


その先に待っていた光景は広い広場に約50人。当たり前のように包囲が直ぐに出来るよう、人が配置されており穴などなく壁の上にいる人たちから見下ろされる形で門以外を囲まれていた。


二人の前にあった結界は消えており無防備だった。カチカチと言う多くの軍人の剣を傾ける音が聞こえてくる。


お互い間合いを取りながら睨み合いが続く中、要塞の壁に氷塊が突き刺さる。その音と同時に時成が仕掛けた。


「俺に勝てる奴はいるかー」


包囲する多くの軍人は緑の目に変色した時成の目を見て改めて今目の前にいる人物が飯田正則に勝った緑の目(グリーンアイ)だという事実に戻される。代名詞は人々を恐れさせるものだということも感じさせられる。


「死か未来か」


真はそうポツリと呟いた。二人の上は無防備にも関わらず魔法の類は一切飛んでこない。周りに被害が出やすい状況に壁に向かって紗奈香の遠距離魔法攻撃が届いており壁の上にいる魔法使いたちはそちらの対応に気を取られた。


そして乱戦が始まる。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。


 予告が遅くなって申し訳ございません。2年間なかったお盆期間の更新ですが13、16日に更新させていただきます。普段の木曜日更新や期間限定の月曜日も更新の予定です。

まとめますと13日(土曜日)15日(月曜日)16日(火曜日)18日(木曜日)です。


 次回『風の想い人』百三十七話は8月13日に更新する予定です。


 次回もよろしくお願いします。

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