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風の想い人  作者: 北見海助
三章 風雲児編
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百三十五話 見守る人々

長老の音声魔法が拡散された近くでは中橋朗太と南雲天将が立ったままで対談していた。長老がいる場所は高さ15メートルの櫓に上って戦場の行く末を見守っており二人はその下で周囲を警戒していた。


「何故それほど暗部と南部領主陣営はこの結婚を推しているのでしょうか?」


中橋家次期当主の朗太がこの勝負の重要な内容を天将に質問する。


「うちの娘、弥生の能力に魅せられたのですよ。父親の俺が言うことではないと思いますが特に水笠家は当主が亮二でなくても味方をするでしょう。レストム要塞防衛戦で多くの水笠軍の人間の命が弥生に助けられた。あんな大規模侵略があったのにも関わらずこちらの死者は0人でした。この事実が暗部南部陣営をより強固に結束した。時成の隣に立つ人は弥生しかいない。それは俺達、陣営の共通の認識だよ」


まぁ普段の時成と弥生を見れば時成の隣に立って怒ったり褒めたり励ますことを的確に出来るのは弥生だけだと思うのは俺以外にもいるとは思っている天将であった。


親父が言ったことが正しかった。一目瞭然で分かる北部軍が押しているようにも見えるが南部領主は少ない人数で10倍以上の敵を相手にしている。それも意図も容易く


「出来るだけ貴方方と仲良くしたいものです」


お互いの思惑がある中対談は続いていく。そして30分後、二人の元に転移魔法陣が展開された。


「報告します。浪花絶人が監視の目を抜けて領内にいます」


それと同時に影道と絶人の剣がぶつかりあった。


「どうやら出てきたみたいだな。それに……やってくれたな」


天将に黒いオーラが纏っているように見えた。それに気が付いて長老が降りてきた。


「おい、天将待て、ちょっと考えろ」


「いいえ待ちません。俺の大切な娘に手を出したんです。殺しても良いですよね?奴はこの国の大罪人です。継承戦なんか関係ない。師匠と嫁を手にかけ、再び娘に手を出そうとした。ここで行かなければ死んだ時、どの面下げてあの世に行けば良いか分からなくなる。それは貴方も同じなのではないのですか?」


落ち着いて話始めた天将は最期には怒号を交えて話していた。辺りには天将の殺気が漂い始めた。


「そこまで言うのなら覚悟があるのなら行けばいい、俺はもう何も言わない」


「ありがとうございます」


天将はお礼を言って走り出した。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』百三十六話は8月11日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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