百三十四話 割いた人員達の今
一方そのころ水笠家はレストム要塞に詰めていた水笠軍は治安維持を目的にレストム要塞から500人を出陣して旧国境付近の村々を訪ねながら北上していた。大将は水笠家譜代家臣のダンでありそこに暗部からたくとソーキと蓮が派遣されていた。
そんな現在、レストム要塞と蓋突き村の境界からちょうど半分まで進軍していた時、暗部から報告が上がってきた。
「報告します。妖魔共和国、北部の連中が蓋付きを通り南下中、境界線まで一キロまで進軍しております。それと旧国境を妖魔共和国の連中と同じ速度ぐらいで中橋家が約500人の軍が南下中。こちらはもうすでに水増村に入ってきており使者が会いたいと言ってきております」
「会おう」
それを聞いてダンは直ぐに使者と面会した。
「漸三郎様は妖魔共和国の進軍に対して民が安心して生きていけるように外敵は排除するとのことです。援軍を派遣してください」
「それはあくまでも民の為に援軍を派遣してほしいということでよろしいか?」
ダンはこの場で暗部の幹部が一番聞きたかった言葉を強い言葉で質問する。
「漸三郎様は派閥よりも民のために行動する人です。我々も外的に略奪や破壊されることを黙って眺めるわけにはいきませんので」
「とりあえず中橋家と合流しましょう。もう敵は気が付いていると思います。戦うのなら旧国境付近で戦うのが良いでしょう」
そういったソーキは先を急ぐように促すのだった。
「全軍進軍。敵は妖魔共和国軍。行くぞー」
そう言って水笠家は進軍し始めた。
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一方こちらは海鮫家と雨墨家が治めている領地の境界には沙羅と美羽が派遣されていた。こちらにも帝国兵や雨墨家から別ルートで軍が派遣されると予測されていた地域だった。だが雨墨家と海鮫家の境界を抜けるルートは5本あり海鮫軍を合わせても500人しかいないので兵を分散することやルートを外れて森の中を進軍ルートも考えるために5本あるルートを大結界約500メートルで3ルート3枚で防いでいた。
「およそ500メートル後方の村で盗賊が出ました。その数100人です」
「盗賊?」
最近ではめったに聞かなくなった盗賊に耳を疑う沙羅だったが軍隊が通過及び目撃されていないことからある可能性が浮かび上がった。それと同時に自分たちが思っていたルートを通って
「帝国兵が盗賊に扮しているのかもね」
「とりあえず現場に向かいます。直通で行けるので転移魔法陣でいきましょう」
そう言った沙羅は直ぐに転移魔法陣を展開し始めた。そこに暗部の見張りが帰ってきた。
「帝国から90名、それに案内人もろもろ雨墨家が10人人を出しています。それと浪花絶人が領内に入り込んでいますが一人で別行動中で、尾行を撒かれたそうです」
「わかった、あの大罪人は天将に任せよう。狙いは弥生ちゃんだと思うし、転移魔法陣もう一つ展開させるから少し待ってなさい」
そう言って沙羅は二つの魔法陣を起動するのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回『風の想い人』百三十五話は8月8日に更新する予定です。
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