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風の想い人  作者: 北見海助
三章 風雲児編
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百九話 「貴方に忠誠を。風に未来を」

水笠家当主の屋敷。そこの大会議室でここに当時龍我七美が創設した暗部の初期メンバーの全員が集まっていた。


「お集まりいただきありがとうございます」


とても緊張した声で軽く頭を下げているのだが緊張で体が少し震えていた。自分の腰の剣帯には受け継いだ白鞘の刀を帯びさせて、机には黒い仮面が置いてある。それを見たここに居る人たちは一目で息子だなとそう思った。


「どうしたのですか若様」


声を出したのは大喜だった。


「今までの感謝とお願いについてですね」


時成は顔を上げてそう言ってから見回した。ここに居る人たちはかつて母たちが必死になって集めたメンバー。父が「俺に騙されたと思って10年待ってくれ」と言ったことを聞かされた時から時成は今回のことを計画していた。


「まずは今までそしてこの10年間母や父に忠義を誓って、様々な仕事をしてくれてありがとうございます。皆様のおかげで物凄く助かりました。僕には今でもあの日悔しかったあの日を今も思い出します。あの日母は死ぬ前に僕にこう言ってくれました」


もうこの時点で多くの人は時成の話に引き寄せられているのだがそんなこと気にもとめれないほど緊張している時成は今でも覚えていることを言う。


「努力すれば何者にもなれるから成りたい自分になってね。僕はあの日ただただ泣くことしか出来ませんでした。そして飯田家に乗り込んだ時も父は僕の目の前で致命傷を負いました。結局僕は何もできませんでした」


何もできない。ここに居る全員はあの日時成が幹部と跡取りを倒していることを知っている。父の死に対しては何もできなかった。多くのメンバーは時成の大金星を知っていた。それに時成が七美の息子と知らなかった時でも必死になって多くのことを吸収しようと質問や努力をしていることを知っていた。そんな彼だからこそもうすでに暗部メンバーは彼なら上に立ってもいいだろうと思い始めていた。


「母が死んだあの日、幹部の皆様に僕はとある約束をしました。飯田正則を斬ること、世界を変えること。この年になって具体的に目標を決めることが出来ました。争いのない平和な世界にすること。僕の世界を変えるとはこのことです。まずは母の跡を継ぎます。こんな僕について来てくれますか?」


涙を流すものもいた。待ち望んでいた。自分たちが七美に忠誠を今でも誓っているのは多くの人は知っている彼女が生きていればこんなはずではなかった。多くの人が後悔と彼女の軌跡や考えを知っていた。今は亡き人との息子が生まれたとき喜び合ったときの記憶が鮮明に思い出してくる。


この子が大きくなった時みんなの眼鏡に叶うように育てようと考えてるもしそのような時が来たら味方になってあげて頂戴


形が違えどその時が来ましたとそう思うメンバーは全員涙を流していた。一方何もわからない時成今の光景を見ておどおどしていた。


「私たちは昔から心から待ち望んでいたのです。今日この日より」


椅子に座っていた人々は立ち上がり自分たちが持っていた仮面を右手に持って心臓にあてた。そして口をそろえてこう言った。


「貴方に忠誠を。風に未来を」


彼らが求めていたのは夢であり仕事をする意味であり誇りであった。そんな彼らにとって時成の夢はとても魅力的だった。因みに今まで動いてきた彼らのほとんどが七美に対しての恩義であった。だがこの瞬間初期の暗部メンバー本当の意味で時成に忠誠を誓った。


多くのメンバーは七美の恩を返せていないと多く思っており形は変えてでも息子にその恩を返すつもりでいたらしい。だがここに集まり話を聞いた時にはそのような事を抜きにしても彼についていきたいとそう思いだしていたらしい。初めからよっぽどの事を時成が言わない限りついていくと聞かされた時に時成はとても驚いたのだがそれは後の話である。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回『風の想い人』百十話は3月10日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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