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風の想い人  作者: 北見海助
章間 七美の軌跡 幼少期~青年期
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章間8話 暗部結成秘話 後編

天将とあってから数時間後、七美は元スラム街に足を運んでいた。先ほどまで見えていたオレンジ色の空はいつの間にか薄暗く染まっていた。そんな場所にテツ、影道、たく、天将、咲、創一、太陽、もかな、千愛音、七美の10人が集まっていた。


「みんな来ましたね。それで今後のことを決めましたか?」


前に立つ七美の背には月が光って照らしていた。それを見て咲と創一は頭を下げてこう言った。


「「貴方に名前をいただきたく存じます」」


それを聞いた七美は目を細めて笑顔になった。


「いいよ、でもそうだなー」


七美は少し考えてはっと閃いたかのように七美はこう言った。


「ソーキと紗羅」


七美は笑顔になってそう言い、二人は頭を下げた。それを見て七美は持ってきた黒い仮面を一人一人手渡した。


「隊長はテツ、よろしく頼むよ」


「拝命致します」


テツは頭を下げ涙をうっすらと流していた。そしてその隣にいた影道に仮面を渡した。


「副隊長は影。戦場の指揮や柔軟な対応に期待しています」


「了解しました」


影道は両手でありがたそうに貰って目を閉じた。


「たくはもっと自分に自信を持ってね」


「はっ」


たくは自分の弱点を言われて驚いて貰った仮面が震えていた。


「天将は君は誰かのために動けるのが美点だけど自分が生きたいように生きてほしいな」


「はい」


天将は帯びていた刀の柄を強く握った後仮面を大切そうに受け取った。


「千愛は能力の使用には気をつけてね。珍しいから命狙われるかもしれないから……ね」


「うん」


千愛音は笑って七美から仮面を貰った。


「もかなは自分の意志を明確にだした方が良いと思うよ。強い想いを持っているのは知ってるから」


もかなは涙をポツポツと落としながら貰った仮面をしっかり握っていた。


「ソーキはこれからも太陽を影ながらサポートしてほしい」


「分かりました」


まだ日が浅いソーキでも自分のことを良く見ているとビックリしていながら仮面を貰った。


「紗羅には魔法でみんなを助けて貰いたい。よろしくね」


「はい」


その目には薄れていた未来への希望が再び見えたように七美は見えた。


「太陽。君の恨みも復讐心もすべて受け止めたい。それが出来ると思っています」


太陽に仮面を渡した後、七美は少し離れて仮面を渡した人達に向き合って、一人一人目を合わせた。


「私はこの諜報組織を暗部と名付けます。味方の多くの人を助け敵には恐れられるそんな組織にしていきたいと想います。良いですね」


月の光りが当たり神々しく見える七美に全員は貰った仮面を心臓に当てて息を揃えてこう言った


「「「「「「「「「この仮面に誓って」」」」」」」」」


これが後に多くの人に恐れられる風の民の暗部が結成された瞬間だった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

次回『風の想い人』章間8話は2月19日に更新する予定です。

本編百七話は2月23日に更新する予定です。

次回もよろしくお願いします。

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