百一話 裏会談
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
お気づきの方もいらっしゃると思いますがニ話と二十九話で風の民自治区の北側にある帝国の名前を間違えていました。正しくはダークブラッド帝国ではなくサワバ・マジック帝国です。
すみません。
日付は約2ヶ月遡る。
ここは帝国サワバ・マジックの帝都スラッグ、後半の四国不可侵条約連合会議はこの地で行われていた。丸い円卓を囲んでいたのは三か国の代理であった。
「こっぴどく殺られたそうではないか、上野虹目」
と言うのは帝国皇帝代理バロ・ジアス将軍。
「いえいえ、対したことではございません」
と冷静にけど威圧的に返すのは飯田家当主代理の上野虹目。
そして黙って聞いているのが都市国家アクアストームの市長代理十川正吾だ。
「ここに参加していない、ゲンゾウ殿も後継者問題の矢面に立たれて可哀想だな」
「あの国はまだ王太子が決まっていないそうだな」
アイスジーナ王国国王代理のゲンゾウ・ゴトウは今回、この会議には参加せず自国に留まっていた。
「まぁ彼が居なくてもこの会議は始めれますので始めましょうか」
と十川正吾は言う。そして会議は始まった。
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一方ここは帝都スラッグのとある屋敷の一室。そこには帝国皇帝トールト・サワバとそのトールトに呼ばれた飯田正則が会談していた。
「父の代から必死に支援してきたはずですが……レストムの一件は非常に残念ですよ」
「それは私の采配不足です。すみません。ですが風の民自治区の蓋突き村近辺は我々が占領しています」
飯田正則は頭を下げてから鋭い眼光を飛ばしながらトールトに話しかけるが、トールトもそれは分かって言っていたのだろうか平然と受け流し彼を擁護した。
「まぁそれも聞いているが代が代わり早くも10年以上は経っています。しかし、貴方方に任せていたはずの案件が一向に終わらず、なおかつ黒の殺し屋が倒れる気配はないのですよ、約束はしたはずですよね。知らないのであれば帰って確認でもしてください」
「いえ、それは確認しております。次は必ずや黒の殺し屋を殺して魅せましょう」
「期待しているが、次はないぞ。あの時の支援を無駄にはするなよ。するならば覚悟しろ、その時はお前が裏で支配している国に帝国軍は流れて行くだろう」
「肝に命じます」
そのような会談をしていた時、トールトの執務室には侍女であるマリが掃除していた時に一つの古い紙が大切に保管されていた。それを見たマリはニヤリと悪い顔をしていた。そこに書かれていたことを
飯田家の革命がなった暁には、水無し、蓋突き、水増し中呂の半分を飯田家がその他を帝国が折半し、統治する事を約束する。また帝国の陰組織は飯田家に協力する事、飯田家は風の民を追い出す事。
それに元帝国皇帝スーニ・サワバと元飯田家当主飯田のサインが書かれていた。そしてその下にはその紙よりも汚れが少ない紙も出てくる。
そこには、『フローダウン計画。またの名を10年計画』と書かれており3人の署名が書かれていた。
帝国皇帝代理、バロ・ジアス。飯田家当主代理上野虹目。アクアストーム市長代理十川正吾と。
ここまでお読みいただきありがとうございました。次回『風の想い人』百ニ話は1月10日(月曜日)に更新する予定です。
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次回もよろしくお願いいたします。




