テレビドラマのエンディング的な……
(シンコペーション的なイメージで。)
ごめんね、ってきみに言われた夜に
僕はもっと「ごめんね」なことしてた
いいよ、ってきみを慰める僕は
情けない顔をしてた?
(主演男優がちょっと広めの路地を駆ける。通行人がひとり振り向く。)
一緒にいるのが気まずい夜ほど
星は明るくふたりを照らす
こんなとき、本当を映す
女神はわざと姿を消してしまう
(足音。そして、主演男優がヒロインの名を呼ぶ。)
(道の向こう、ヒロインがふりむく。)
星と星をつなぐ線は見えなくて
神秘という名の絹をかぶって
やさしく触れる沈黙の空に
僕はそっと「ごめんね」な僕を隠した……
(ハミング。そっと触れあうふたり。何も言わずに手を握り、歩き出す。音楽と足音が重なり合う。)
(音楽を背景に、次回予告の映像が流れる。)
(コマーシャルに切り替わる。テレビを消して、出しっぱなしのご飯茶碗を流しへ持っていく。)