思った以上に弱かったんですが。
俺とマリアは楽しく食事をしてから教室に戻る。
二人で教室に戻ると一部の女子にマリアが囲まれて、俺とどういう関係なのか聞かれていた。
マリアが幼馴染だと答えると、
「えぇ〜美女とイケメンのカップルじゃ勝ち目がない」
とか、
「くそ。顔だけみればあいつはいいからな。トカゲ男だけど」
など聞こえてくるができるだけ気にしないようにする。
男子も女子もイケメンとか騒ぐがほとんどは騒ぎたいだけだ。
相手にして勘違いでもしようものならばボロボロにされるのが落ちである。
俺はできるだけ平穏にこの学校を卒業したいのだ。
★
それから1週間。
上位の魔物もふ化されクラス内ランキングもできあがってきていた。
マリアの従魔はペガサスという馬に羽が生えたかなり変わった魔物だった。
さすが赤い卵である。
どうやらこのクラスで赤卵をゲットしたのはマリアだけらしい。
それ以外でも何人か変わった魔物を従魔にした奴もいたが、結局うちのクラスでは俺がいたので、
「「「「「トカゲより強いから大丈夫」」」」」
という共通認識ができあがっていた。
弱者はいつもはぶかれるのだ。
まぁ俺はいちいち気にはしないが。
あれからクラウドはどうしたかというと、魔力もだいぶ安定し少しだけ身体が大きくなった。
どうやらクラウドは魔力ドレインという魔法を覚えたようで学園で無駄に放出された魔力を勝手に吸収している。
魔力ドレインとは、攻撃魔法や防御魔法、その他補助魔法などで使われている魔法を自分の魔力に変換させる魔法だ。
なんでトカゲがそんな魔法を覚えているのかと聞かれてもよくわからない。
俺がずっと魔力を与え続けたおかげか?
気にしたらば負けである。
ただ、これのすごいところは、魔力ドレインで同じ魔法を何度か吸収していると、その魔法構成を読み取って自分でも使えるようになっていることだ。
そのため、トカゲなのに水、火、氷、土魔法の基礎を覚えてしまっている。
ただ、残念なことが一つある。
俺はどうしても、クラウドがなんの種族なのかを知りたくなったため、鑑定を取得しクラウドを見た結果、
種族?????
性別 女
レベル 1
HP 3/3
MP 2048/2048
筋力 1
俊敏力 4
技術 2
直観 1
知力 3
幸運 6
固有スキル 成長促進
という感じになっている。
普通の魔物でもHPは二桁いっているのが当たり前の世界で小石に当たっても死んでしまうくらい弱い。
種族もトカゲと書いてくれればいいのに俺の鑑定では判明しなかった。
このままでは、3年間一緒にやっていくレベルではないので少しレベル上げをしにいくしかない。
幸いにも攻撃魔法は使えるようなので弱らせたスライムなどを狩らせて成長を促すしかない。
固有スキルに成長促進もあるのでなんとかなってくれるのを祈るしかない。
★
放課後俺はクラウドと一緒に街の東側にある幻想の森へやってきた。
この森にはゴブリンやスライムなどがでるため少しクラウドのレベル上げをするしかない。
うちの学校ではテイマーも戦力の一人として数えるというのが基本となっている。
魔物を仲間にするためにもある程度弱らせる必要があるのだ。
それができないテイマーはテイマーになる資格がないとまで言われてしまうため、ある程度基礎的な魔法は使える。
そのため雑魚を倒してさっさとレベルあげして家で寝よう。
そう思っていた時期もありました。