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ふざけていたらば卵を落としてしまった。危うく…

 さて、家に帰ってから俺はひたすら魔力こめる…

 なんてことはしない。


 いや、普通に考えてめんどくさいでしょ。


 3日間完璧に魔力をこめようとおもったらば寝ずに魔力をこめ続けなければいけない。

 でも、そんなことをしていたらば風呂もトイレもいけなくなる。


 それに学生身分の俺達が3日間ぶっ続けで魔力をいれ続けるなんてできるわけがない。

 先に魔力欠乏で先にぶっ倒れるのがおちだ。


 実はこれもあるから情報を流してしまったというのもある。


 正直前日に知ったくらいではどうこうできる方が少ないのだ。


 俺とマリアはすでに入学前からこの情報を知っていたので事前に魔力吸収石に自分の魔力を吸収させてある。


 この魔力吸収石は簡単に言ってしまえばマジックポーションのようなものだ。

 ただ、ポーションと違うのは自分の魔力を溜めておいてそれを使いまわしができるということ。


 この吸収石の近くに置いておけば、魔力を一定量ずつ放出してくれる。

 だいたい6時間に1回交換すれば問題ない。


 これさえしておけば、この3日間は自由に過ごすことができる。

 俺は机の上に置きその横に魔力吸収石を置く。

 そうして、俺はさっそくベッドに横になる。


「とりあえず寝るか……」


 誰にも邪魔をされずに、平日の昼間から寝る。

 こんな贅沢は他にはない。


 そうしてゆっくりと俺は意識を手放した。



 ★


 それから3日後。

 かなりずっと魔力を溜めた卵は気持ち少し大きくなってきている。


 その日はマリアが家に遊びに来ていた。


「アルス、卵どんな感じ?」


「うん。いい感じに大きくなってきているよ」


「そうなの? 私のも結構大きくなってきたよ」


 そう言うと俺の卵の2倍くらいまで大きくなっていた。

 やっぱり白と赤ではこうまで成長に違いがあるのか。


 急に見せるのが恥ずかしくなってきたので、俺はとっさに卵を自分の後ろに隠した。


「ねぇアルスのも見せて」


「いや、何か急に恥ずかしくなったから。ちょっと……」


「えっなにその反応。いいじゃん見せてよ」


「いやダメだよ」


 そんなことをやっていると、


ツルッ。


 グシャ。


「「……」」


 卵が地面に落下した。


「あっアルス、私ちょっと急に用事を思い出したから帰るね」


「いや待ってマリア。これで逃げるのはなしだよ」


 卵は割れて、中から白いのがでてきている。

 身体から一気に血の気が引く。

 まじか。


 あ……。なんだろう。

 これやっちゃいけないことをやっちゃった気が……。


 もしかして俺の3年間これで終わりかな。

 ゆっくりと"玉子"=卵を拾いあげる。


 もうすでに中で何かが動いている感じがする。

 そして、


「ピギゥー」


卵からでてきたのは白いトカゲだった。

 それもかなり小さい。

 とりあえず、魔力感知で調べてみるとかろうじて魔力を感じる。

 魔物であるのは間違いないらしい。


 だが非常に弱々しい魔力だ。


「やっぱりまだ魔力が足りないみたいね」


 マリアが覗きこみながらそう言ってくる。

 トカゲは俺の方を見て、


「ピギゥー」


と鳴いてなぜか嬉しそうだ。

 なんだこれすごく可愛い。


 俺がトカゲに魔力を直接わけ与えてあげるとさらに嬉しそうに鳴いている。


「とりあえず、大丈夫そうね」


「うん。良かったけど、これってなんて魔物か知ってる?」


「いやー私も見たことないけど、ブラックトカゲに似ているけど色が白いからね」


 ブラックトカゲは最弱の代名詞のスライムと同格の魔物だ。

 弱い割に食べたら意外と美味しくて珍味として取引されている。

 他国にいくと高級食材と言われるほど美味しい魔物だ。


 まぁ考えても仕方がない。どのみちトカゲというだけでハズレを引いてしまったのは間違いない。

 この子を強くしていくしかないのだ。

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小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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