初めての依頼
「今回は本当にご迷惑おかけしました。」
そう言ってくれたのは受付のお姉さんだった。
「レノバさんはこちらで処理しておきますから。」
お姉さんはにこやかに言ってくれるが目が完全に笑っていない。
レノバはあの後、他の冒険者に捕まえられ別室に連れていかれた。
途中で、
「私のアルス君に…」
とかすかに聞こえた気がするが忘れた方がいいだろう。
もしかしたらあの人のせいで冒険者の若い人がいないんじゃないかと思うがAランクだから下手な事ができないのか…。
「あと登録料も最初の約束通りレノバさんから頂いておきますので。こちらが冒険者登録書になります。」
そういって渡されたのは黒いカードでEランクと書かれていた。
備考欄に従魔:ブラックトカゲ亜種と書かれていた。
名称はわからないがそれが一番近い魔物なので空白と言うわけにはいかないのだろう。
「今回アルスさんの実力は十分あることが確認されたんですが、いきなり高ランクからのスタートは危険が伴いますので最低ランクのEランクからのスタートになります。
ただ、先ほどの訓練の結果を考慮して他のランクの方よりは上がりやすくするとギルドマスターもおっしゃっていましたので、それでご了承願えればと思います。ここまでで何か質問はありますか?」
「いや、特に大丈夫です。依頼はいつから受ける事ができますか?」
「依頼は今日から受付可能ですが、その代わり依頼には締め切りがありますので注意してください。なにかご依頼を受けますか?今だされているEランクですと、オススメは蹴り飛びウサギ5羽分の皮、ゴブリンの間引き10匹、鎧くわがた素材3匹分があります。後は街の掃除、薬草採取、ランクフリーのものですと、常時依頼でオークの肉100㎏、およそオーク2匹分があります。オークの方はマジックボックスがないと少し厳しいかも知れません。いかがなさいますか?」
「それではゴブリン討伐をお願いします。これは、10匹単位なら何匹倒しても問題ない感じですか?」
「はい。狩れるならばドンドン狩って頂いて問題ありません。討伐の証としてゴブリンの右耳を切り取ってきてください。その為、魔法で倒す時には右耳が無くならない様にしてくださいね。それでは、これが半券になりますので報告時にこれを提出してください。」
そういって渡されたのはゴブリン討伐依頼書と書かれている。
それをポケットにしまうとクラウドと一緒にゴブリン討伐へむかう。
よし。どんどん討伐してクラウドのレベルをあげよう。




