表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/75

ギルドの試験に変熊がでてきた。

 待つこと数分。

 先ほどの受付のお姉さんが一人の男性を連れて来た。


 受付にいた時にはわからなかったが、結構でてるところはでていてなかなか美しい。


「君が今回の受験者かな。私はBランクの冒険者のガイノスだ。よろしく。」

 そう言って手を差し出してくる。


 俺はそれに答え、

「アルスです。本日は胸を貸して頂きます。」


「それでは今回の試験内容を説明させて頂きます。試験はあくまでも実力を把握するためのものにはなりますが、実力のない冒険者を外に出し死なせるわけにはいきませんのでアルスさんは本気で攻撃してください。使う武器に制限はありません。勝敗は負けを認めるか、気絶した場合、もしくはアルスさんの方で最低限の力を見せることができたならば試験は終了になります。何か質問などはありますか?」


「いえ、特にありません。」


「それではお互い距離を…「ちょっと待った!その試験官私がやるわ。」」

 そこにあらわれたのはヒグマのお姉さんレノバだった。


「レノバさんそんな勝手は困ります!!」

 そう言ってくれたのは受付のお姉さんだった。


「フフフ…ガイノスくんじゃ相手にならないわよ。それともAランク冒険者の私じゃ不服かしら。」

 そういってウインクをしてくる。

 ヒグマのお姉さんのウインクなんて誰も嬉しくない。


 受付のお姉さんは声のトーンを一つ下げ、

「ガイノスさんで相手にならないような新人冒険者ならばわざわざ試験をする必要はありません。それがわかれば試験としては十分です。」


「相変わらず厳しいおばさんね。私の言うことに不服があるの?」


 お姉さんは少し身体が震えているがそれでも気丈に対応をしようとしている。


「あっ俺なら大丈夫なんで。そっちのお姉さんでも試験が終わればいいので。」


 俺がお姉さんって言うと俺に背を向けていたガイアスと受付のお姉さんが驚愕の表情で一斉にこっちをむく。


 あれ俺なんか変なこと言ったのか。


「おっお前…こいつを…お姉さんって言ったのか…大丈夫か。病院行くか。今日は試験を辞めた方がいいぞ。きっと頭を打ってる。」


「そうよ。あなたはまだ世間の怖さを知らないからいいけど、あそこにいるヒグマは人の言葉を理解できないただの変態熊、変熊なのよ。あなたみたいなイケメンが相手をしたら…」


「あなたたち二人よっぽど死にたいようね。」

 レノバの存在感が一気に増す。


「あの、レノバ…「今まで通りお姉さんでいいわよ。もしくはレノバお姉さん。」」


「レノバお姉さん、試験官交代はいいんですけどもし合格だったら合格祝いに登録料払ってもらってもいいですか。」


「えっ…いいわよ。こないだの盗賊退治のお礼もしていなかったことですし。」


「レノバさん!こないだ言っていた盗賊退治を手伝ってくれたのってこの人なんですか?なら試験なんて必要ありません。今すぐやめてください。」


 その瞬間レノバが動く。

「私を止めたければ軍隊でも連れてくるのね!」


「クラウド今日は俺が戦うからよく見ておくんだよ。しっかりつかまってて」

「ピギゥー」

 俺は全身に魔力をみなぎらせる。従魔を従えるものとして最低限の力量は必要だ。

 そういえば、クラウドに俺の力を見せるのは今回はじめてかもしれない。


 段々と時間の感覚が長くなっていく。

 時間がゆっくり流れ視界がスローモーションで流れていく。

 その間にレノバを確認する。


 思った以上に動きが早いが俺ならば対応できないスピードではない。

 右手に力をこめ氷の龍をイメージする。

 そうだな。全長5mくらいでいいだろう。


 同時並行で相手を観察し筋肉の動きや視線から今後の行動予測をする。

 どうやら俺の攻撃を避ける選択は、ないようだ。


 それならば、フィールド変化で足元を沼地へと変化させる。

 これは軍相手などに使える魔法で相手の足場を悪くさせることで機動力をなくし集中砲火させることができる。


 さらに、その沼地の上に鬼人の拘束を仕掛ける。

 後ははまった瞬間に前回からの仕返しに連続魔法で気絶まで追い込んでやろう。


 レノバに氷の龍が絡みつく、レノバは前回のクラウドの攻撃と同じように氷龍を避けもせず、殴りつける。ただ、思ったように壊せないのか一瞬表情がくもる。

 それでも足を止められる威力はないとわかったのかそのまま俺に向かってつっこんでくる。


 だが、次の瞬間足元が急にぬかるみにはまる。

 足元に意識が向けられた瞬間鬼人の拘束が発動しレノバをあられもない姿で拘束する。


 俺がやったことだが…だれも求めない絵面になっている。

 レノバの顔が乙女のような顔で一瞬こっちを見るがすぐに目をそらす。

 背中に冷たい何かが…。


 顔を赤くしているけど多分気のせいだ。


「もう…こんな姿じゃ…お嫁にいけない…」

 背中の冷たさが強くなる。

 何か不吉な事が聞こえてくるので拘束を解除する。


「…大丈夫ですかレノバ姉さん。」


「いえレノバと呼んでください。」

 なぜか急にもじもじしている。

 いやひぐまのおっさんのもじもじしているのなんて誰も興味がないだろ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ