表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/75

クラスの奴のヘイトを稼いでいたのだが…

 今日は従魔同士で殴り合いをしてもらいます。


 これは決してクラスに閉じ込められてクラス中で殺し合いをするわけではない。

 普通の訓練だ。

 異世界ではクラスごとに殺し合いをするのが流行っていたらしいがこっちではそんなことはない。


 でも、さすが異世界の勇者たちである。

 日常的にクラス単位で殺し合いをしていたならば急に異世界に連れてこられて勇者になっても魔王を倒してしまうのも納得だ。


 ちなみに、これは異世界冒険譚という有名な本に書かれている。


 今の段階で従魔同士の殴り合いは、正直今のクラウドにはまだ荷が重い。

 魔法が使えれば無双できそうだが、純粋な殴り合いでは正直最下位だ。


「それじゃあ、はじめ!」


 バンッ!!


 ドカッ!!


 バシッ! バシッ! バシッ!


 結局クラウドは全魔物からボコボコにされ続けた。

 幸いなことに相手の攻撃力が弱すぎてHPは減らなかったが、それでも今の体格差とリーチの差をどうにかしないとあまりに一方的にやられすぎる。


 相手も生まれたばかりで力が弱いせいかクラウドは傷一つつかない。

 投げられても叩きつけられても平気な顔をしている。


 ただ、リーチの差はどうしようもないのかクラウドの攻撃が届かない。


 クラスの奴からはクラウドはチョロイ奴ポジションになったみたいだ。

 勝つことで従魔に自信をもたせたいんだろう。


 クラウドがやられているのをクラスの奴らは嬉しそうにみて何か言っている。

 気にしたら負けだ。


 今は好きに笑っているがいいさ。1年後お前たちの顔を必ず泣き顔にしてやる。


 クラス中の従魔からボコボコにされ、攻撃が届かなかったクラウドは少し寂しそうな顔をして俺の方を見てくる。どうやら負けてしまったことが悲しいようだ。


「クラウド気にしなくていいよ。少しずつ強くなっているから。焦らないことと、諦めない事が一番大事だから。」


「ピギゥー」


 遠巻きに、トカゲ乙とか、最弱トカゲという声が聞こえる。


「ねぇあんたら文句があるなら直接言えば?」

 マリアが文句を言っていたクラスメイトに絡んでいる。


「マリアいいよ。今弱いことは仕方がないから」


「今はだってよ」


「バカじゃね」


「現実見た方がいいよね」


「完全にバカだよね」


「うわぁ。現実見てない」


「どんびきだわ」


「死んだ方がいいよね」


「マリアちゃん独り占めしやがって」


「イケメン爆発すればいいのに」


「イケメンカッコイイ」


「私も一緒にご飯食べたい」


 あれ……なんか思った以上にクラスからのヘイトを稼いでいるのか。

 一部悪口じゃないやつもあるけど。


「アルスとクラウドは今に学年1位にだってなるんだから」

 マリアかばってくれるのはいいけど、それはいいすぎだろ。


「プハハハ!最弱トカゲで勝てる訳がないでしょ」


「そこ! うるさい! アルスとクラウドは一番になるんだから」


「へぇーじゃあなれなかったらどうする?」


「なれなかったら……アルスがクラス全員にご飯おごるわよ!」

 ちょっと待てなんで俺の関係ないところで決めてるんだよ。

「いや! マリアなに言ってるんだよ!」


「アルス大丈夫よ。私に秘策があるから」

 そう俺に宣言すると、


「アルスが聖星祭で1年で1番になれなかったらクラス全員にご飯おごります」

 そう高らかに宣言するマリア。


「いや、待て! 聖星祭なんて3ヶ月しかないだろ」


「というわけでアルス明日から特訓よ」


 マリアはニヤッとしながらこっちを見てくる。


 どうしてこうなった。

 クラウドはなぜかおよおよと俺の顔を見ながら動いている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説書籍化しています。 ぜひ手に取ってもらえればと思います。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ