第7話
帰り道も含めて、今日メイナについて分かったことが三つある。
常にマイペースであること。
未来では、俺と同じく高校二年生だったということ。
そして、平坦な声とは裏腹に表情が豊かだということだ。
メイナとはまた明日、と言って先ほど別れた。
結局本当に俺の家まで付いて来たのだ。
暗いから家まで送るよと何度も言ったが、近いので大丈夫ですの一点張りで、断られてしまった。
「ただいま」
玄関のドアを開けて、スニーカーを脱ぐ。
すでに一足のローファーがきちんと揃えて置いてある。
「なぁ、留、帰って来てるなら返事しろよ」
奥に向かって声をかけるが、返事がない。
俺は一つため息をつくと、玄関から見える階段を上がって自分の部屋へと向かった。
俺には、双子の弟がいる。
そしてその弟は今、自室にこもっている。
なぜそんなことが分かるかというと、一瞬だけ留の部屋の壁が見えたからだ。
きっと幻想に違いないとは思っているのだけれど、不思議と当たっていることが多いのだ。
しかも、留に対してしか効果を発揮しない。
双子ならでは。テレパシーというものだろうか。
本気で信じているわけではなかったが、一緒に腹のなかに収まっていたのだから、そんなこともあるかもしれないと俺は思っていた。
留は、俺と違って頭がいい。また部屋で何か研究でもしているのだろう。
俺はベッドに倒れこんだ。なんだか疲れた。
そして、いつの間にか眠ってしまっていた。