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能力があるのは必然です!  作者: 安積みかん
出会いは突然
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第2話

 夏休み明けの今日、ホームルーム前の教室はどこか浮き足立っていた。


「転校生来るんだってさ。知ってた?」

「え、女子? 男子?」

「女子!」

「うちのクラス?」

「そうそう」


 誰がどこから情報を得てきたのか、転校生の話で持ちきりだった。


「おーい、お前ら席に着けー」


 担任が入ってきて、みんなばたばたと席に戻っていく。

 俺はそんな様子を、片肘をついて眺めていた。

 ちなみに担任は、柔道部顧問のゴリラみたいなマッチョの男だ。


 担任の後から着いて教室に入ってきたのは、噂通り女の子だった。

 俯いていてあまり顔が見えない。

 暗くて大人しそう。そんな印象だ。


「今日からこのクラスのメンバーになった、天翔あまかけメイナさんだ。みんな仲良くしてやってくれ」


 自己紹介して、と言われて一歩前に出た転校生。


「初めまして、天翔です。よろしくお願いします」


 予想外だ。凛としたよく通る声。

 俺はあんぐりと口を開けて、転校生を見つめた。

 こちらを見た担任がからかうように言った。


「お、なんだ土岐。一目惚れか?」

「違います! いや、あの、案外ハキハキ喋れるんだなと思って……」


 ネクラだと思ったのに、とは口が裂けても言えない。

 一応言葉は濁したのに、教室内はざわつく。


「案外ってひどいじゃんか」

「一目惚れとかまじかよ」

「うける」


 みんなが笑っている中、一人だけ無表情の人がいた。

 転校生だ。まっすぐに俺をにらんでくる。

 おお、こわっ。

 これって、転校生が顔を赤らめて俯いちゃって、恋愛フラグ立つところじゃないの?


「はいはい、みんな静かに。とりあえず天翔さんには水田みずたの隣に座ってもらうから。水田よろしくな」

「は、はいっ」


 水田、完全に声が裏返っている。

 まあしょうがないか。転校生、性格はアレっぽいけど綺麗な顔してるし。

 教室の一番後ろ、廊下側の席に向っていく彼女と、鼻の下を伸ばした水田を交互に見る。

 きっとラノベだったら水田が主人公なんだろうな、とか考えていたら朝のホームルームが終わった。

毎日更新するつもりです。なので、分量が少なくなることもあると思いますが、ご了承ください。

読みにくいなどの意見や、アドバイス等もお待ちしております。

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