四話 模擬戦
あくまで、主人公は後衛のはずです
あの後、国王陛下が「勇者様方の歓迎の宴じゃ」と言い出したのでかなり遅くまで飲んで、騒いではしゃいでいた、はず、なのだが私はどうやって割り振られた部屋に戻って来たんだ?記憶が飛んでいるな、そしてやっぱり夢オチにはならなかったようだ。
そんな訳で二日目開始です。
今日は最初にどれだけ戦力になるか騎士団長様と模擬戦をするらしいので練兵場に移動です。
「よく来たな勇者方、言葉使いは許してくれ」
「それでは模擬戦を始めようか」
なかなか団長様はせっかちなようだが、私的には好印象だな、無駄が無くスマートだ。
模擬戦は裕樹が初戦を飾るみたいだ、
......団長さん、強ぇ、裕樹と互角に闘ってるよ。
いや、この場合は、裕樹がすごいのか、何十年の経験のある団長さんを相手にしてるのだから。
……うん、私は最後にしよう。
さて、私の番なんだが、うーん、槍の重心が成人男性基準で違和感がすごい、団長さん相手に良い勝負できると良いな。
槍を構え団長さんに向かう
「行きます」
「来い」
宣言と同時に左右に振り、狙いが定まらないようにしながら縮地を発動する、槍の間合いに入った瞬間、顔に向かって刺突を繰り出す、思いの外、鋭かったのか、咄嗟に剣で弾く団長さん、それを見ながら槍を手放し、前方に向かってさらに縮地、瞬間、私は、団長さんの間合いの内側に入る、密着状態、もう剣は使えない、此処で私は体術を使う、
「転」
「ぐおぉ」
瞬間、団長さんは十二〜三M程吹き飛ぶ、槍を拾い追撃する、そこで
「参った、降参だ」
団長さんが降参した、私の勝ちだ。
ーー団長視点ーー
やはり勇者達と言っても戦いは素人か、最後の一人だが、女か、怪我をさせぬよう注意せねば、
「行きます」
ふむ、宣言して攻撃してくるか、
「来い」
!?体を振って狙いを散らしながらしの縮地だと?馬鹿な!こんな事が出来るのは一流の戦士の中でもほんの一握りだぞ!クソ!見た目に騙されていたか!明らかにコレは殺し合いを前提とした動きだ、咄嗟に槍を弾いたが、内側に入られた、この状況で迎撃は…無理か…仕方ない、気合いで耐える!
「転」
!?何だこれは!内側に抜けた!?
「ぐおぉ」
本当に何だこの女は、本当に勇者達と同郷なのか?
くそ、追撃まで手を抜いて無いか...しょうがない
「参った、降参だ」
しかし、こいつ勇者より強いぞ。しかも無意識か意識しているか分からんが、『殺すこと』も覚悟している様に見えた、鍛えればもしかすると魔王を単独で討伐できるかもしれん
ーー三日目ーー
昨日は、団長さんとの模擬戦が終わった後、王立図書館に行って魔物などの情報を集めていた、それと並行して龍についても調べたが、余り情報は無かった。
今日は、王立研究所でポーションや錬金について教えて貰います。
ーー四日目ーー
今日は練兵場で先日図書館で見つけた魔力操作、魔力循環を試してみることにする。
先ずは魔力操作、本によると『魔力は己の心臓より体に送り出される、魔力は手足の先に集まる性質がある、これを任意の場所に集めることが魔力操作である』とあるのでとりあえず右手に集めて見よう。
ーー五日目ーー
今日も魔力操作の練習だ、昨日できることにはできたが、まだ、スムーズに出来ないからな、ひたすら操作です。
ーー六日目ーー
今日は魔力循環を試してみることにします。
本によると、『魔力循環とは、魔力操作によって集めた魔力を、何処か一箇所にたまらないように全身に満たし、血流に乗って、体を巡るイメージで行う』とあるから...よくわから無いがとりあえずやって見よう。
ーー七日目ーー
今日も魔力循環をします、まだコツを掴めてい無い、巡る巡る魔力は巡る体の中をグルグル巡る
ーー八日目ーー
魔力循環のコツを掴んだので、次に進もうと思います。次は、操作と循環を同時に行いたいと思います。さて出来るのかな?
ーー九日目ーー
難しいです、過去最高難度かもしれません
ですが、なんとしても、成し遂げて見せます!
………かゆうま………
そして十日目、この日、私の運命が動き始める。
ようやく、最初のシーンに戻って来ました
セリフの前後を改行しました、戦闘シーンに加筆しました