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神様の休日  作者: たかまる
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鬼姫の事情

特別編になります、よろしくお願い致します。



特別編 鬼姫の事情


冥界にある鬼神族の社の中でも、一際大きな社の奥で、鬼姫は今日も最近神界で流行り出した固定式の端末の画面を見ながら、ぼりぼりとポテチを食べ、たまに炭酸飲料を容器ごとゴクゴクと飲む、部屋の中には下界の漫画と言う書物が散乱し、ベッドの上には脱いだ服や下着がそのままになっている、そんな怠惰な鬼姫に、彼女の両親は、そろそろ冥界のお仕事に付けと、事あるごとに鬼姫を仕官させようとする、

彼女の父親も冥界の王達の一人の補佐官として仕官していて、娘にも同じ王達に仕えるよう、あの手この手で鬼姫を働かせようとするが、鬼姫は今の自堕落な生活を気に入っていて、のらりくらりと話をはぐらかしていた。

そんなある日お仕事に行っているはずの鬼姫の父親が血相を変えて鬼姫の部屋へ飛び込んで来て、

「ひ、姫、姫よ、一大事じゃ!!」

と、告げる、鬼姫は下界の漫画なる書物の模写をしていたが、父親のあまりのけんまくに引きながら、

「父様、どうなされた、例の鬼娘の事が母様にバレましたか?」

「なっ、何故その事を!って、ではない!落ち着いて聞くのだ、」

「父様、父様こそ少し落ち着いて下さいませ、」

「姫、儂は落ち着いておるぞ、」

鬼姫は両肩を少し持ち上げ、はぁーっとため息を吐いた後に、

「で、」

っと、父親に話を促がす、納得は出来ない父親だが、

「じつは姫よ、伊邪那美様から大王を通じて私にお前を、あるお方に仕官させたいとの事、この話は断る事は出来ぬゆえ、姫よ精進してお使いせよ、」

「お待ち下さい、父様いきなりお使いせよと言われましても、あるお方とは、何処の誰なのです、」

「儂もどなたかは、まだ伺ってはいないのだが、伊邪那美様によるとかなり神格の高い神だそうだ、で、明日その神が直接姫に会いに来るそうだ、だから姫は直ぐに部屋を片付け、身嗜みを整えよ、」

鬼姫は自身で此処らが潮時かと、

「あいわかりました、母様と相談して明日に備えまする、」

鬼姫の言葉に、うむ、っと頷くも内心ではこの娘が明日やらかさないかと、内心ではまだひやひやする父親であった。


翌日の昼過ぎ、鬼姫の社に沢山の式神に囲まれた神が到着する、社の玄関でお出迎えをしていた鬼姫の両親は、高位の神と聞いてはいたが、この様な多くの式神に護られる神とは、と考えながら、頭を下げていると、初老の姿の式神から、

「鬼姫殿のご両親様とお見受けする、私は天界理命様に仕える者、これより主人の案内を宜しくお願い致しましす、」

式神の口上に続き青年が式神の輪の中より出て来て、

「両親殿、私は天照大神の末の息子にて、天界理命と言います、今日は私のわがままを聞いて頂き、ありがとう、鬼姫殿の所に案内していただけるか、」

と、満面の笑みで告げる、直系の神の登場に二人は固まっていたが、直ぐに深く一礼をして、

「この様な所まで、命様にお出で頂き娘は幸せ者でございます、さあこちらに、」

と、界理を社の中に案内し、父親が廊下奥の一室の障子を開くと、部屋の下座に美しい着物を着た長い黒髪の女性が正座をして頭を下げている、界理が優雅に上座に座り、

「鬼姫殿、頭を上げられよ、」

言われた鬼姫は失礼では無いくらい頭を起こし、

「鬼神族の族長が娘、鬼姫で御座います、」

と、告げもう一度頭を下げる、上座から、

「私の名は天界理命、鬼姫殿、私に良く其方の顔を見せておくれ、」

と、告げられた鬼姫は臆する事無く界理の目を見返すと、界理の顔が真っ赤になり、そのまま真っ赤な顔で、

「其方に私のけっ、眷属になってほしい、」

真っ赤な顔でいきなりの眷属発言に、周りにいた両親、式神達が固まり、初老の式神が、

「あっ、主人様、補佐官で御座いましょう?」

界理は鬼姫から目をそらさず、

「私は鬼姫殿が気に入りました、ずっと私の近くにいて頂きたい、勿論補佐官としてもお仕事をして頂く、」

鬼姫は目の前で私を見て真っ赤になりながら、一生懸命に自分の眷属にしたいと、告げる、いい所の息子に、この方に生涯仕えるのも悪く無いかと、

「御心のままに、」

と、深く頭を下げる、目の前の若い神は、益々顔を赤らめるが、うん、うんと、頷き微笑んで、

「では、鬼姫殿、私の社で待っています、」

と告げ、式神達と帰って行った、鬼姫の両親はしばらく魂が抜けた様になっていたが、鬼姫の、

「父様、母様、私は命様の所に上がる準備を致します、」

との言葉に、我に返りそれからは、慌しく一族に連絡を入れたり、娘の準備を手伝いながら、娘の将来を心配していた自分達が、いざ娘が家より出る事に、寂しさを感じるのであった。


鬼姫は今天照大神の前で界理と共に頭を下げている、鬼姫は界理より贈られた、上質な巫女装束を着て界理の後方で、深く一礼しながら天照大神の言葉を待つ、やがて、

「二人共、頭を上げるがよい、界理より其方を眷属にと、望まれてたが、良かろう其方これより、力の女巫と、名乗るが良い、力の女巫、界理の事を頼みましたよ、」

と、告げ鬼姫、改め力の女巫の額に金の髪飾りをつける、力の女巫はもう一度深く一礼して、

「この命、続く限り、」

と、答え、界理が、

「以後、力子と、名乗るが良い、」

と、優しく額に触れると力子の体が輝き出し、

「さぁ、力子、これで其方は私の物だ、」

と、告げるが力子と、天照には子供が背伸びをしている様に見え、思わず笑みが漏れてしまう、最後に天照が、

「力の女巫よ、其方も我が一族の末席に身を置く家族、よろしく頼みますよ、」

天照の言葉に界理と二人でもう一度深く一礼して大広間より退出し、自身の社へ戻る、そして界理に仕える式神の前で、

「皆、この者は我が眷属、以後力子と、呼ぶか良い、」

と、紹介されると、式神一同深く一礼して、

「よろしくおねがい致します、力子様、」

と、挨拶をした、力子も、

「力子です、いろいろ教えて下さいね、」

と、挨拶をした。

その晩力子が、界理に、

「界理様、今晩の夜伽は如何されますか?」

と、軽く抱き付き、悪戯っぽくたずねると、界理はその場で鼻血を噴き出しながらひっくり返った。

そんな主人を力子は愛しく感じる、自身が眷属になったからなのかはわからない、だが、このこっそり自身の胸をチラ見して気付いていないと思って熱い視線を送ってくる可愛いい、いい所のお坊ちゃんに、力子はなんとも言えない幸せを感じていた。



「力子様、お帰りなさいませ、」

「父様、母様、皆、力子様は、辞めて下さい、それに今日は妹を紹介するわ、」

と、久しぶりに光子を連れて実家に帰った力子は、光子に、

「光子、紹介するわ、私の父と母よ、」

「はじめまして、姉様の妹の光子で御座います、」

と、エルフの姿の少女が、ペコリと頭をは下げると、皆がわぁーっと集まってきて、

「このお方が今話題の光子様ですか!超絶に可愛いい!写真撮っても良いですか!」

など、囲まれていると、力子の父が、

「儂の娘から離れろ!!」

と、光子を抱き上げ、皆から遠避ける、そして光子に、

「力子の妹であるなら、儂の娘、父とよんでくれ、」

光子が鬼神族の族長である、力子の父親の太い首に両腕で、きゅっとつかまった状態で族長の耳元で、

「はい、父様、よろしくお願い致します、」

と告げると、族長は魂を抜かれた様に動かなくなった。

皆が社に入り宴が催され、力子の母が、

「今日、貴女達が、帰って来るって言うから、一族皆でお仕事の休暇願を出したらしいの、だから、王達が自分達も貴女達に会いたいのにって、拗ねちゃって大変だったんだって、それにしても光子ちゃんは本当に可愛いいわね、私の事も母と、呼んでほしいわ、あと、力子、こんなに可愛いい、妹が出来て貴女は幸せ者ね、お姉ちゃんになったんだから、お部屋は綺麗にしてるわよね、」

母親の言葉に力子は汗をダラダラ仲間しながら、

「母様、私は姉になったのだから、当たり前です、」

力子の言葉に、光子が、

「母様、私は姉様のお部屋が見たいのですが、界理様の許可が下りなくて、姉様のお部屋に入れないんです、」

と、寂しそうに告げた、それを聞いて母は、娘は変わっていないのだと、安心した様な、貴女は一体いつになったらと、複雑な心境になるのであった。


二人が界理の社に帰って来ると、

「お帰り二人共、其方達が居なくて寂しかったよ、」

と、主人は微笑んでくれる、妹はそんな主人に飛び付き甘えている、そんな二人に私は少しだけヤキモチを焼きながら、主人が空いている方の手を差し伸べてくれるのを見て、私も主人の胸に飛び込んでいった。




特別編でした、ありがとうございました。

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