シロン訪問
よろしくお願い申し上げます。
第四話 シロン訪問
「界理様間もなくシロンの神殿に到着いたします、」
界理の乗ったリムジンの後部席で隣のシートに座る力子が話し掛けた
「解りました、シロンの女神スィーネス様はとても美しい方だと聞いています、今からドキドキしてしまいますね!」
「界理様、私達はお仕事に行くのですよ!」
力子が優しく微笑むが、目が笑ってない!界理は何気に姿勢を正した
「見えました!」
運転手の式神から声が掛かる
「ご準備を!」
その頃シロンの神殿の玄関先に天使長を始め天使達が勢ぞろいでお出迎えにででいた、
「そろそろね!皆頼みますよ!」
天使達はみなどん物に乗ってくるのか、興味深々で目を皿の様にして観ている。
「あっ!お付きです、」
一人の天使が指で指し示しすと、一斉に皆がそちらを向く、すると何やら光がチカチカとみえる、段々近付くにつれみな口をポカンと開け、目を見開いている。先ずは鉄の馬みたいな物が四頭?人が乗ってはいるが馬には脚がない、ドドドーっと低い唸り声をあげながら、天使達の前を通り過ぎその後に黒く四角い物のが目をピカピカ光らせて馬の様な物の後に続く、もう1つ黒く四角い物がくる!今度は先程の物よりかなり長い!それが天使達の横まで来ると行列がピタリと止まる、
「なっ何、コレ人が乗っているの?」
天使達がどうしたものかと立ち尽くしていると、前の黒い四角い物のから扉の様な物が開き黒い見た事もない服を着たい者達が、後ろから来た黒く長い四角い物を取り囲む、そしておもむろに四角い物の後ろの辺りの扉を開ける、黒い服を着た者達は周囲を確認して
「問題有りません!」
と、黒い物の中に伝えると中から他の者達とは違う服を着て下界のメガネと言う道具を掛けた者が出てきた、その後をもう一人こちらは直ぐに女であると判る容姿を、している、天使長は先に出て来た方が神だと判断して前に出て深く一礼した、その後直ぐに副天使長以下天使達も深く一礼する、
「お待ち申し上げておりました、私はシロンの天使長スルハで御座います」
と言ってもう一度深く一礼する。
「お出迎えご苦労様です、私は日出ずる国の
天界理命です、界理とお呼び下さい天使長殿」
界理の態度に少し驚きながら皆か聴きたがっている事を界理に質問する
「界理様、私達は皆様が乗っていらした物を見た事が御座いません宜しければ教えて頂けませんでしょうか?」
天使長がそう切り出すと天使達もウンウン頷いていた。
「ああ、よく異世界の方々に聴かれますよ」
界理は屈託のない笑顔で話し出す。
「コレらは全て生き物では無く、私達が
作り出した物で最初の四台は単車といいます後三台は車といい、最後は荷物を運ぶトラックと言うものです、皆さん驚かれますがとても乗り心地が良いのですよ!」
界理が話し終えても皆はぁ、としか応えられないでいた、天使達の理解のキャパシティを軽く超えてしまった様だ、それでも天使長が気を取り直し界理に言う、
「ありがとうございます界理様、ですが恥ずかさながら、私達の理解の範疇から軽く超えてしまったみたいで御座います、
さあスィーネス様が中でお待ちで御座います
どうぞ此方に」
天使長が促す力子が界理をみて頷く、
「では、皆まいろうぞ!」
天使長の後に界理がその後力子が続き、後に天使達と式神たちが入って来る式神ちの最後の方はウカ様の式神たちが沢山の荷物を台車で運んでいる、この者達も注目の的になっていた。
広間の先でスィーネスは立って待っていた、界理達が入って来ると慌てて椅子に座る。界理は広間の中程まで進み
「日出ずる国の神、天界理命で御座います、界理とお呼び下さい、スィーネス様にお逢い出来て光栄に御座います以後お見知りおきを」
と名乗り一礼する、
「ようこそ界理様、私はスィーネス
界理様にはスィーネスと呼んで頂きたい!後この様な所で立ち話も何ですから、彼方の応接間へ、天使長、皆様を応接間へご案内しなさい!」
「さあ皆様此方に、」
天使長に案内された応接間はとても広く大きく長いテーブルが置かれていた、テーブルには合い向かいにスィーネスと界理が座り双方の横に天使長と、力子が立っている、
「スィーネス様、申し遅れましたが私の横の者は補佐官の力子です、宜しくお願い致します」
界理が紹介すると力子が一礼する、
「天使長殿、座られてはいかがでしょう、スィーネス様と私だけ座って居るのは話し辛いのだよ」
界理は笑顔で勧める
「天使長、界理様がおっしやって下さるのです、座りなさい、あと力子殿もです。」
「ありがとうございますスィーネス様、力子も座りなさい」
「はい、ありがとうございます失礼します」
「では、此方からお話しをさせていただきます」
界理が話し出し力子に目配せをする、力子はおもむろに机の上に大き目のタブレットを取り出しスイッチを入れる、そして画面を操作して、一人の男の子が映しだされた!だが日出ずる国の者以外固まってタブレットを食い入るように見ている
「オッホン、スィーネス様宜しいでしょうか?」
「あっゴメン、じゃない!申し訳ありません、続けて下さい」
「今回の訪問の目的は、ここに写っている愛し子の捜査と、保護が目的になります、この愛し子の名前は山崎静流二週間前に日出ずる国からシロンへ召喚された様です、シロンの皆様に彼が今何処に居て、誰にどの様に召喚されたのかをまず調べて頂きたい、事実関係がはっきりするまではこの愛し子には近づかず泳がして頂きたい
御協力お願いできますか?」
「もちろん協力させていただきます!ですがこの者を泳がせる理由を説明して頂けませんでしょうか」
「はい、実はこの愛し子の身柄の確保より、この召喚に関わった者の中に私が真に探している者がいるのです、その時は多分弟君様に協力して貰う事になります!私達がお願いしたい事は三つ、一つはこのシロンに日出ずるの社を一時的に置かただきたい、場所などは取りません、神殿の壁を一枚貸して頂ければ結構なのですが?」
「構いませんよ勝手に使って頂いて結構ですよ、」
「ありがとうございます、では早速、」
界理は力子に目配せをすると、力子は隣に控えていた式神に小声で指示を出す、式神は音も無くその場から消えた。
「二つ目のお願いは今回の滞在は少々長くなってしまいそうです。なのでシロンの長期滞在と私が下界に降りる許可を頂きたい」
「界理様が下界に降りる?」
今日初めてスィーネスは不安そうな顔をした
「申し訳ありませんスィーネス様、私の言葉が足りませんでした、先程申しました真に探している者を天使殿達と協力して探し出し、私自身が直接その者と接触したいのです。何卒御許可をお願い致します。」
「そう言う事でしたら許可致しましょう、弟にも帰り次第話しを通しておきましょう。」
「三つ目のお願いは、今回の滞在が長くなる事と、下界に降りる時のため私に天使殿をお一人臨時の補佐官として預けて頂きたい、勿論衣食住全て此方で用意させていただきます!あと先程お借りした広間の壁は私の社に繋がっていますので、此方での滞在も全て私の社からになりますので、お手間は一切かかりません」
界理が言い終わると、天使達が一斉に色めき立つ!っとその時
「私がお手伝いさせていただきます!」
天使長が宣言する、天使達が一斉ににブーブー言い出す!そこに副天使長が珍しく助け船を出す、
「あなた達これは二つの世界の大切なお仕事です、粗相があってはいけません、天使長、此方は私がお預かりいたします、界理様の補佐を宜しくお願い致します。」
ナイス!副天使長!スルハは心の中で踊り出しそうだ!あとはスィーネス様ね、この二人先程の出雲の件で、今回は私に譲ってくれたのね!
「私も天使長なら安心して界理様の補佐役に、推薦いたしますわ!」
ありがとう!スィーネス様スルハの顔は既に満面の天使の微笑みを浮かべていた。
ありがとうございました。