モーテス商会
よろしくお願い申し上げます。
第三十三話 モーテス商会
ナワ皇王のミキオの屋敷では、執事や、侍女達は輝子の噂話で、もちきりになっていた、何せ自分たちの目の前に神様が現れ、異国の女を置いていったのだ、輝子は、既に神が遣わした使徒になっていた、噂は、屋敷の御用商人から、街にも、広がっていった。
ミキオは、朝起きると、直ぐに輝子の所に行こうとして、侍女達に、テルコ様の部屋に殿方など、とんでもない!と、叱られる、
輝子は、自分に用意された部屋で、目を覚ます、昨晩のミキオの言葉を思い出し、にやけていると、のドアが、ノックされ返事をすると、侍女が入って来て、うやうやしく頭を下げ、
「テルコ様、朝食の支度が整っております、お支度を、お手伝いいたします、」
輝子は、両手を、ブンブンと振り、
「大丈夫です、自分で用意します、その前に
身体を洗いたいのですが、お風呂ってありますか?」
侍女は、
「先代様が使ってらしゃたそうですが、今は、使われていません」
輝子は驚き、
「では、皆さんどの様に身体を清潔に保っているのですか?」
「浄化魔法です、簡単な生活魔法ですので、ナワ皇国では、子供でも使えます、」
輝子は、魔法と聞いて、興味しんしんに、
「その魔法を私に掛けて貰う事は、出来ますか?」
侍女は、微笑み、
「はい、この様に、」
と、何かをつぶやくと、一瞬輝子の身体が輝き、心地よい爽快感に包まれる、
「魔法、凄過ぎ、」
だけどやっぱりお風呂入りたい!、後でミキオさんに相談しよ!侍女が、
「浄化魔法は着ている物も浄化しますので、」
「ありがとうございます、着替えます、恥ずかしいので、一人にして下さい、」
「殿方は別ですが、お手伝いする事が、私達の仕事です、」
輝子は、溜息をつき、
「では、そのダンボール箱の中の服を、出してクローゼットの中に掛けて行って下さい、」
昨晩、界理の式神が、輝子の用意した荷物を全て運び込んでくれた様で、輝子の部屋には、沢山のダンボール箱が積まれていた。
その中の一つを侍女に説明しながら、開け、
順番に掛けて行く様、侍女に渡していく、
侍女は、
「これが神々の御召し物なのですね、」
と、感動しながら手伝ってくれる、輝子は、女同士だから、良いかと、パジャマを脱ぎ、下着姿になると、侍女は、目を見開き、真っ赤な顔をして、
「なっ、何て煽情的な下着なのですか?神様の世界は凄過ぎます、」
輝子は、ブラウスを羽織り、ボタンをかけながら、ふと興味を惹かれ、
「お仕事の、勉強の為に貴女の下着を見せてくれないかしら?」
侍女は驚き、
「わっ、私の下着ですか?」
輝子は、スーツのズボンを履きながら、
「そう、私の下着みたいな下着を、この世界で作ろうと思っているの、だからこの世界の女性が、どんな下着を着けているのか、興味があるの、」
侍女がモジモジしているので、輝子はスーツの上着を羽織り、
「では、貴女のお部屋で着けてない物を見せて、」
侍女は、
「私達の様な者の部屋にお入れする事は、出来ません、少しお待ち下さい、持って参ります、」
と、侍女は出て行く、輝子は、髪を結い上げ頭の後ろで留めると、侍女が戻ってきて、顔を赤らめながら、下着の上下を、見せる、
下着は、輝子の予想どおり、日出ずる国の戦前の物に良く似ていた、輝子は侍女にお礼を言い、
「私がこの世界で作る下着を一番に、貴女に着けて貰うわ、よろしくね!」
と、サムズアップをする、
侍女は、
「光栄です」
と、満面の笑みを浮かべていた。
侍女に案内され、居間に行くと、ミキオがソワソワしながら、輝子の来るのを待っていた、輝子が入って来て、
「おはようございます、ミキオさん、」
と、笑顔で挨拶をする、
ミキオは、輝子の衣装と、髪型に魅入られ、惚けていると、
「ミキオさん?」
と、輝子に顔を覗き込まれて、びっくりしながらも、
「おはよう、テルコ、とても綺麗だ、」
と、思わず心の声が漏れてしまい、輝子は、
真っ赤になって、
「ありがとう、」
と返す、二人は、食事を取りながら、
「テルコ、その衣装は?」
「ミキオさん、この格好は、お仕事をする時とか、昨晩ミキオさんが言っていた皇王様と、謁見する時の、簡易的な正装って所なの、あと、ミキオさん、私お風呂に入りたいんだけど、」
「やはりテルコも、オヤジやオジキと、同じだな、オヤジ達、毎日風呂に入ら無いと、眠れないって、言ってやがった!」
「ミキオさん、そのとうりだよ!眠れないよ、で、お風呂あるの?」
「ああ、オヤジ達が毎日入っていたからな、自慢の風呂とか言ってたな、」
「ミキオさん、今日の夜から、入りたい、ダメ?」
多分、静流が見たら卒倒しそうな、おばさんのお願いポーズに、
ミキオは、執事に何やら伝えると、執事は、
「造作も無い事で御座います、テルコ様、」
と、うやうやしく頭を下げる、
「良かったな、テルコ、今晩からはいれるぞ!」
「嬉しい、ミキオさん、あと、お仕事のお話、」
輝子は少し真面目な顔で、ミキオを見る、ミキオは、
「ああ、昨晩の会社を大きくする話か?」
輝子は、頷き、
「私が力になれそうな所は、女性の下着や、服、にドレス、あと、小物かな、余裕が出来たら、化粧品!今朝ね、侍女の子にこの世界の下着を見せて貰ったの、多分革命が起こせるわ、」
「テルコ、デザインや、縫製も、出来るのか?」
「大丈夫よ、この世界なら、版権とかないから、何だって出来ちゃうわ!」
「テルコ、それは、ありがたい、実は皇王と、皇后が、バチカーナ聖王国の魔導学園の式典に毎年参列するのだが、前日の晩餐会で着るドレスを、頼まれているのだが、ナワ皇国は、織物の国、常に民なを、あっと言わせるドレスでないと、いけないんだ、良ければ、お妃様にドレスの感じとかって、伝えられないか?」
「ミキオさん、スケッチでもいい?あと、口頭で、イメージを話すわ、それと、ドレス用の生地も見せて、直接持って行って、お妃様にあわせるわ!」
「大丈夫だ、では、商館に寄って生地をもって、王城へむかおう、」
「ミキオさん、それって、馬車で行くの?」
「ああ、」
「嬉しい、馬車に乗るの夢だったの!」
「テルコは、馬車に乗った事が無いのか?」
「ええ、馬車なんて、私達の父親の時代にも無いわよ!馬車に乗って王城へ行く何て、昔話にしか出てこないわ!凄く楽しみ!」
そのころ、界理の社の居間で、界理が、
「力子、大国主様がそろそろヘルプに入って欲しいそうだ、ウチの式神達の指揮を取っておくれ、あと、光子、其方は、今年のキャンペンガールを頼まれた、今日は、力子と、共に大国主様の所に行っておくれ、スルハは、力子の代わりに、対策本部の指揮をお願いしたい、」力子と、光子は頷き、
皆が各自の仕事を確認して居間を後にした。
界理が、寮の食堂で、 一人朝食を取っていると、リリアンヌと、静流が入ってきて、
「界理様、おはようございます、昨日は、お休みでしたね、今日光子様は、いかがされたのですか?」
「光子は、今日はお仕事で休みです、」
静流が、
「界理様、お願いしたい事が有ります、」
「何でしょう、私に出来る事でしたら、」
静流は、真っ直ぐ界理を見つめ、
「界理様、私は、リリアンヌ姫と生きて行く決心をしました、出来たら、母に手紙を届けて欲しいのですが、」
界理は少し困った顔をして、
「多分もう直ぐ会えると思うので、自身で、渡して下さい、あっ!これ、お土産です、」
と、輝子のお店のお土産用の餡蜜を渡す、
静流は、驚き、
「これは、ウチの店の!餡蜜!界理様、もう直ぐ会えるとは?」
界理は、
「昨日輝子さんの、希望で、こちらに引っ越して来る手伝いを、しました、餡蜜は、そのお礼で頂きました、今は、其方の叔父の所に居ます、多分、魔術発表会の時に、会えるでしょう、」
話を聞いていた静流は涙で、顔をクチャクチャにして、
「界理様、ありがとうございます、姫様、ウチの餡蜜食べてみて、美味しいから!」
界理は、
「天使殿達の話では、静流、其方の母はラノベの主人公みたいに、ノリノリであったそうだよ、それに、いとこ同士良い雰囲気だったそうたよ、」
それを聞いた静流は、遠い目をして、
「界理様、母のその様な話は、聞きたくなかったです、」
と、心底恥ずかしそうであったが、笑顔でもあった。
ナワ皇国のモーテス商会の商館の前に馬車が着くと、商館の前に職員一同整列し、輝子が、馬車から降りると、皆うやうやしく頭を下げる、輝子は、
「テルコです、宜しくお願いします、」
と、挨拶をすると、皆もう一度頭を下げ、輝子を中に案内する、職員が、取り扱う生地をならべながら、輝子は質の良さに驚く、
「ミキオさん、凄いです、これだったら、ドレスも、下着も、バッチリよ!」
ミキオは、
「それは良かった、これから、王城に行ってもよいか?」
「まって、その前に、今デザイナーさんって、いる?下着の話だから、女性が良いのだけど、」
「デザイナーとは、服の形を考える者の事か?」
ミキオは、初老の男に何事か告げると、男は部屋から出て行き、二人の女性を連れてくる、輝子は、二人に、
「初めまして、テルコです、二人にして欲しい仕事が有ります、貴女たちの、仕事部屋に案内して欲しいわ」
「はい、テルコ様こちらです、」
輝子は、
「ミキオさん、少し待ってて、」
輝子はミキオに言い残し、部屋を出て行く、案内された部屋にはいると、数着のドレスと、沢山のドレスのデッサンが描かれた紙が、散乱していた、テルコは、にっこり笑顔で二人に、
「お悩みの様ね、」
と、二人に問いかけると、二人は、
「はい、テルコ様、皇后様のドレスを考えているのですが、行き詰まっていまして、」
テルコは、
「では、気分転換に、この仕事をお願い!」
と、鞄の中から、自身の下着を取り出し、二人に見せる、二人は、下着を手に取り、形や、手触り、可愛らしいデザインに驚く、
「テルコ様、これは?」
「この商会で、これから販売する、女性下着の見本です、二人には、早期に、その下着のレプリカを作って欲しいの、出来そう?」
見せられた下着に、刺激されたのか、二人は、
「はい、この細部の見事な刺繍までは、無理かもしれませんが、形や、手触りなどは、再現させて見せます!」
「私もこの可愛らしい、下着を着けてみたいので、頑張ります、」
輝子は、微笑み、
「宜しくお願いします、私は、皇后様のドレスを担当させて貰います、これより、ミキオさんと、王城に行って来ますね、」
二人は、顔を輝かせて、
「テルコ様のお作りになるドレス、楽しみです、それに今お召しになってる、衣装も、とても興味深いです、」
「では、このデッサン用紙数枚貰って行きますね、では行って来ます、」
輝子は、待っていたミキオと、馬車に乗り、王城までの道すがら、用紙にドレスのデッサンをして行く、ミキオは輝子の見事な絵に驚き、
「テルコ、凄いなこの絵のドレス、俺でも、ちゃんとイメージ出来る!」
「ふふ、ありがとうミキオさん、」
二人が王城に入ると、謁見の間ではなく、
応接室に通され、待っていると、皇王達が、入って来る、輝子は皇王を一目見て、妖精みたい、エルフ初めて見たよ、と、思っていると、皇王が、
「ミキオ、そちらが、テルコ殿か?」
「そうだ、アルテス、」
皇王は輝子に、
「私は、アルテス・ネイ・ナワ、この国の皇王をやっている、隣は、皇后の、イリーシャ以後宜しくテルコ殿、」
「宜しくお願い致します、アルテス様、イリーシャ様、テルコで御座います、」
「テルコ殿は、神がこの世界に連れて来たというのは、本当か?」
ミキオが、困った顔をして、
「ああ、本当だ、うちの者達、皆の前で、降臨され、テルコを連れてこられた物だから、大変だったぞ、」
「テルコ殿、天使様より、貴女を見守れと、命を受けています、困った事が、あれば、何なりと、」
イリーシャが、
「私は、テルコ殿と、お友達になりたいですわ、今日のテルコ殿の衣装も素敵ね、」
「私もイリーシャ様と、お友達になりたいです、今日は、ドレスの相談で来ました、この様な、ドレスにしようと思います、」
と、イリーシャに、先程描いたドレスを見せる、ドレスは、輝子の世界の最近のドレスでイメージするなら、ハリウッド映画のヒロインが、レッドカーペットの上を歩く時のドレスと言ったら、イメージが分かりやすい、」
イリーシャは、
「素敵!早く着てみたいわ!」
輝子は、選んで来た生地を見せながら、
「イリーシャ様でしたら、この光沢のある、深い茶の生地が良いかと、思いますが、いかがですか?」
「テルコ殿にお任せします、バチカーナ聖王国の夜会が、楽しみです、」
「はい、早急に作りますので、お待ち下さい、」
四人でお茶を楽しみ、その後、王城を後にしたミキオと輝子は、馬車の中で、
「ミキオさん、皇王様にタメ口でしたが、良いのですか?」
ミキオは、笑いながら、
「正式な場所では、ちゃんとしますよ、ですが、アルテスとは、幼馴染なのです、」
「そうだったのですね、ミキオさん、皇王様、エルフですよね、エルフつって寿命が長いんでしょ?」
ミキオは、少し驚き、
「確かに、皇王は、純潔に近いエルフだ、だが、この国の人は殆どエルフと人間の混血だ、俺もだけど、それにエルフも、人も、皆寿命は、同じだぞ、」
「私の世界には、人間以外は居なくて、エルフは御伽噺の世界で、不老で長命って、認識なの、」
「不老で長命なんて、化け物じゃないか!」
「ふふふ、ごめなさい、ミキオさん、さあ、帰ったら、皇后様のドレスを頑張って作らなきゃ!」
と、力を入れ直す、輝子であった。
ありがとうございました。




